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ANA、21年度3月期決算。2期連続赤字も大きく改善で芝田社長「22年度は単年度で黒字化」

2022年4月28日 発表

ANAホールディングス株式会社 代表取締役社長 芝田浩二氏

 ANAホールディングスは4月28日、2022年3月期(2021年度通期)の連結業績を発表した。説明を担当したのは、ANAHD 代表取締役社長の芝田浩二氏と上席執行役員の中堀公博氏。

 2021年度通期は、売上高1兆203億円、営業損失1731億円、純損失1436億円で、2020年度通期に続いて2期連続の赤字となった。一方で、売上高は前期比2916億円増(40%増)、営業損失は同2916億円の改善、純損失は同2609億円の改善となっており、急速な回復基調にあることが見て取れる。

 2021年度の実績を振り返ると、国内線は緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の移動制限の影響が強く出た半面、感染者数が減少すると需要が回復する様子が見られた。国際線は入国後の隔離や入国者数上限などの影響で日本発着の需要は低迷したものの、アジア~北米の乗り継ぎなど三国間流動は先行して回復してきたという。

 芝田氏が「GW初日のハワイ行きは満席」と明らかにするように、3月の水際措置の緩和と4月の感染症危険情報レベルの引き下げはてきめんに効果が出ているようで、2022年度の計画はコロナ前(2019年)の水準に対して、国内線は年度平均で80%、国際線は平均35%を目指していく。

 また、国内線はANAと傘下のLCC ピーチ(Peach Aviation)を合わせて上期中にはコロナ以前の水準まで回復できる見込みで、国際線はANAと新ブランドAirJapanを合わせて、2023年度末までにコロナ前の水準まで回復するとみている。

 芝田氏は「まん防などで厳しい状況が続いたが、第4四半期は需要が急回復したので、状況が落ち着けば需要が回復すると確信した」と述べており、「今年度の命題は単年度の黒字化」であると挙げ、売上高1兆6600億円、営業利益500億円、純利益210億円という見通しを説明した。そのためにも、海外からの観光目的の入国の許可、1日の入国者数制限の撤廃、感染症危険情報レベルの引き下げなどを政府関係機関に求めていくという。