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国道398号 石巻バイパス未開通区間は、防災機能強化のため山側へトンネルを掘削するルートへ

2021年12月16日 公開

石巻バイパスIII期(沢田工区)はルートを変更して整備へ

 宮城県は12月16日、有識者らと進めている「国道398号石巻バイパス第III期沢田工区の整備に関する検討委員会」の概要を発表した。

 国道398号 石巻バイパスは、石巻真野地内の三陸自動車道 石巻女川IC付近と、石巻市・女川町市境を結ぶ約10.8kmの幹線道路として計画されているもので、これまでに石巻市内の2工区、延長約6.1kmが開通済み。

 残る第III期(沢田工区)については、女川町市境付近で万石浦沿いの現道へ接続する計画だったが、付近では東日本大震災や近年の豪雨・台風などで冠水被害が発生していることからルートを変更。また、女川町は東北電力女川原発2号機稼働にあたって、避難路として同工区の整備を要望している。

 計画変更後のルートは、トンネルを主体とした山側を通過ものとし、女川町浦宿浜へつながる路線を追加し、延長5.8kmを整備する計画へ変更する。なお、女川町側の接続部の先では、石巻女川線では浦宿道路改良工事も進められている。本ルート変更により、豪雨の災害発生時にも機能を維持できる信頼性の高いネットワークを構築するほか、石巻女川IC~石巻・女川方面間のアクセス向上による観光振興などに期待が寄せられる。

 ただし、広域かつ深部まで分布する軟弱地盤上において、施設(道路、教育施設、農業用用排水施設など)が近接するなかを、一部高盛土で通過する必要があるほか、脆弱かつ複雑な地質構造区間をトンネルなどで通過することから、設計・施工などにおいて高度な技術力や知見を要するとも指摘している。

石巻バイパスIII期(沢田工区)