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マリオットと楽天トラベルが提携。マリオット会員価格でホテル予約可能に。特典も

2021年12月2日 発表

マリオットと楽天が戦略的パートナーシップを発表

 マリオット・インターナショナルと楽天グループは12月2日、戦略的パートナーシップの開始を発表した。楽天会員が楽天トラベルでマリオット・インターナショナルのロイヤルティプログラム「Marriott Bonvoy(マリオット ボンヴォイ)」に新規入会すると、Marriott Bonvoyの会員価格でホテルが予約できるようになるもの。

 楽天会員は楽天ポイントに加え、Marriott Bonvoyのポイントを貯めるなどの特典を得ることが可能だ。シルバー、ゴールド、プラチナ、ダイヤモンドランクの楽天会員が対象で、マリオット・インターナショナルは楽天トラベル経由での会員拡大を、楽天は楽天会員へのサービス拡充を狙う。

 Marriott Bonvoyは現在1億5000万人以上の会員を誇るロイヤルティプログラムで、マリオット・インターナショナルの対象となる30ブランド、133か国・地域の7600軒以上のホテルを会員価格で予約できる。日本国内では18ブランド・73軒のホテルが対象。2022年には「東京エディション銀座」をはじめ、9軒のホテルの新規開業を予定している。

 さらに、宿泊や対象のクレジットカードでポイントを貯めることができ、無料宿泊券に交換できる。部屋のアップグレードに利用できる滞在中の支払いもポイントで可能だ。さらに、JAL(日本航空)やANA(全日本空輸)をはじめとした40社のマイルへの交換などの特典も用意している。

マリオット・インターナショナル アジア太平洋地区(中国を除く)プレジデント ラジーヴ・メノン氏
楽天グループ 執行役員 コマースカンパニーヴァイスプレジデント・トラベル&モビリティ事業長 髙野芳行氏

 12月2日に開催した記者会見で、マリオット・インターナショナル アジア太平洋地区(中国を除く)プレジデントのラジーヴ・メノン氏は、「楽天とのコラボは旅行業界の回復促進に役立つだろう。まさにベストなパートナーシップだ」とコメント。「日本人の多くは楽天会員で、楽天はパーフェクトなパートナー」と強調した。

 楽天グループ 執行役員 コマースカンパニーヴァイスプレジデント・トラベル&モビリティ事業長の髙野芳行氏も、「世界最大級のホテルチェーンであるマリオットとこのような形で提携できるのは心からうれしく思う。マリオットと組むことで楽天会員に今まで以上の価値を提供できる」と喜びを示した。

 提携に際し、2社はパートナーシップ記念キャンペーンを実施。2022年2月28日までに楽天トラベル経由でMarriott Bonvoyに新規入会して国内のMarriott Bonvoy参加ホテルを予約すると、初回に限り宿泊料金を最大で35%引きするほか、レストランやバーなどの飲食を20%引きする。加えて、空室状況に応じて14時のレイトチェックアウトを提供するなどの特典を用意した。

 また、参加ホテルでの無料宿泊が120組240名に当たるプレゼントキャンペーンも実施。2022年2月28日までに楽天トラベル経由でMarriott Bonvoyに新規入会してキャンペーンにエントリーにした人が対象で、当選者は2022年3月に発表する予定だ。

 さらに、2022年6月30日まで、Marriott Bonvoyの会員ステータスを上げやすくする「ゴールドエリートステータスチャレンジ」も行なう。楽天トラベル上からMarriott Bonvoyに新規登録したあと、90日以内に一部を除くMarriott Bonvoy参加ホテルで8泊すると、1年間ゴールドエリート会員にアップグレードされるというもの。ゴールドエリート会員は通常年間25泊以上しないとなれないランクで、通常会員の特典に加え、ボーナスポイントが25%付くほか、14時のレイトチェックアウトやホテルのウェルカムギフトなどの特典を得ることができる。

 このほか、Marriott Bonvoy会員向けに、国内のザ・リッツ・カールトン東京などのラグジュアリーブランド6軒で「ワールドクラスの食体験」イベントを実施。Marriott Bonvoyポイントを利用して参加できる。

楽天トラベルからMarriott Bonvoyに登録する方法

 楽天トラベル経由での登録方法は、楽天トラベルのWebサイトでMarriott Bonvoyのホテルを検索。Marriott Bonvoy会員の特別価格が表示されるので、その価格をクリックすると入会手続きのページに飛ぶ仕組みだ。フォームには楽天会員の情報を自動的に入力し、会員がストレスなく入会できるように工夫した。

 その後、登録したメールアドレスにMarriott Bonvoyから会員番号とMarriott Bonvoyのアカウントを有効化するようメールが届くので、メールの「アカウントを有効化する」ボタンをクリックし、必要な情報を入力して有効化すると手続きが終了。「マリオットリワードアカウントへのオンラインアクセスの設定完了」のメールが送られてくる。

 なお、楽天トラベル内で受けることができるMarriott Bonvoyの特典や各種キャンペーンについては、すでにMarriott Bonvoyに登録済みの人も一部特典を利用できるよう準備をしているとのこと。

ラグジュアリー層が市場回復を牽引、Go Toにも期待

 会見ではメノン氏が観光市場の現状と今後の見通しについてコメントした。同氏は新型コロナのオミクロン株感染者数の増加について懸念を示しながらも、「各国が入国制限を緩和し、ワクチン接種が進むなか、2020年よりも状況は改善している」と話した。マリオット・インターナショナルの客室稼働率も改善傾向にあり、2021年第3四半期はグローバルで58%まで回復。日本の各ホテルについては11月~12月は堅調に推移しており、ラグジュアリーリゾートは2019年を上回るケースもあるという。

 今後は世界的なトレンドである「リベンジ消費」に期待をかける。同氏によれば特にラグジュアリー層が活発に動いており、2020年10月から観光客の受け入れを開始したモルディブでは、同社の7つのリゾートの宿泊数は2019年比50%増を記録したことを説明した。さらに、中国や米国では出張や団体旅行が回復傾向にあることから日本でも同じ傾向になると推測し、「だからこそ楽天とのパートナーシップが重要。団体・出張者などの需要が国内で回復するので、幅広いお客さまにロイヤルティプログラムを提供できる体制を構築したい」とまとめた。

 また、同氏は日本人の傾向として「体験を重視し、ホテルもよいところに滞在したいという熱意があることから、ポテンシャルはある」と説明し、日本での展開を強化する考えを示した。今後は都市部だけでなく、地方の世界遺産や国立公園の周辺にホテルを開業する計画。2022年はすでに9軒を開業する計画を発表済みだが、2023年には国内のホテル数を100軒まで増やしたいという。

マリオット・インターナショナル 日本・グアム担当・エリアヴァイスプレジデント カール・ハドソン氏

 このほか、会見ではマリオット・インターナショナル日本・グアム担当・エリアヴァイスプレジデントのカール・ハドソン氏が登壇し、「多くの人が国内でラグジュアリーな旅行を希望しており、特に22歳~30歳の若い人たちにもそうした傾向があるのが興味深い」と話した。2022年1月以降に再開見込みの「Go To トラベル」については、「昨年のキャンペーンでは予約傾向はポジティブになった。キャンペーンの再開で国内旅行者の多くがホテルに戻ってくると確信している」と期待を述べた。