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ANA、宣言解除で予約が10倍に急伸。井上専務「去年と違うのはワクチンの存在」

2021年10月1日 実施

緊急事態宣言解除を受けてANAが羽田で会見を行なった

 ANA(全日本空輸)は10月1日、代表取締役 専務執行役員の井上慎一氏が羽田空港で会見を行なった。

 前日に全国で緊急事態宣言/まん延防止等重点措置が解除されているが、政府が解除を正式に発表したのが9月28日。ANAではその翌29日と30日に10月運航分の予約が急増しており、9月前半(1日~15日)は1日あたり約5000名の新規予約だったところ、29日と30日はそれぞれ1日あたり約5万名の予約があり、10倍に急上昇しているという。

 そもそも10月運航分の予約数は、8月までは横ばいのまま推移していたが、緊急事態宣言が当初9月12日に解除予定だったこともあって、9月に入って増加へ転じていた。中旬からは特に北海道・九州方面で好調だったと言うが、29日と30日の予約の伸びは圧倒的だ。

 この背景について井上氏は、「お客さまの移動に対する期待を象徴するものと捉えている。需要はまず、VFR(Visiting friends and relatives:友人や親族への訪問)から戻ってくるのではないか。Go To トラベルの再開にも期待しているが、感染を再拡大させないことが業界や日本全体の利益につながる。観光業界や自治体を巻き込みながら感染防止の環境を整えることが大切。

 去年(2020年)の今ごろと違うのは、ワクチン接種が進んでいるということ。2回摂取した人は59%、1回摂取した人は70%を超えていて、伝染らない・伝染さないという状況が移動(航空券予約)を促進しているのではないか」と説明した。

パネルで予約推移を説明する全日本空輸株式会社 代表取締役 専務執行役員の井上慎一氏

 本誌でも既報だが、ANAとピーチ(Peach Aviation)は、ワクチン2回摂取済みまたはPCR検査の陰性証明で特典を受けられるキャンペーンを共同で展開する。ANAはマイレージ会員に対して、旅程を選べる国内線往復航空券のプレゼントやダイナミックパッケージのクーポン配布などを実施。ピーチもポイントの増量や機内販売の割引などを行なう。詳細は関連記事を確認していただきたい(関連記事「ANAとピーチ、ワクチン2回接種済みまたは陰性証明で特典プレゼント」)。

 なお、宣言解除初日の羽田空港 第2ターミナルは、あいにく台風16号が接近していることもあってか、まだまだ旅行者は少なめという印象を受けたが、宣言解除とワクチン接種の両輪で以前のにぎわいを早期に取り戻すことを期待したい。

10月1日8~9時ごろの第2ターミナルの様子
台風の影響による欠航は少なめ