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マレーシア政府観光局、コロナ後の新基準旅行スタイルを提案。ランカウイ、ペナン、デサルコーストなどリゾートに注目

2020年6月17日 実施

マレーシア政府観光局がオンラインセミナーを実施。コロナ後の旅のスタイルを紹介した

 マレーシア政府観光局は6月17日、業界向けオンラインセミナーを実施。マレーシア国内での新型コロナウイルス感染防止対策とともに、アフターコロナを見据えた新基準での滞在の楽しみ方を旅行関係者ら約100名に紹介した。

 セミナーの冒頭では、6月16日現在のマレーシアの状況を説明。3月18日より「活動制限令」が施行されたが現在は解除済み。6月9日から8月31日にかけて経済回復のための「回復のための活動制限令」に移行したと説明。国内では感染防止対策の基準を満たしたうえでの営業再開が許可され、州をまたく国内旅行も解禁されているが、海外旅行については認められていないとのことだ。

 ゆえに、外交官や技能/知識労働者、マレーシア国民の配偶者といった特定のビザを保有していない場合(一般の就労ビザ、学生ビザ、観光客)は8月31日まで入国できず、クアラルンプール国際空港内の乗り継ぎも、入国審査を伴うターミナル間の移動は許可されない(入国審査のない国際線乗り継ぎは可能)。

マレーシア国内の感染者数の推移。6月16日の時点で新規感染者数は1日1桁台程度
国内の状況。現在は「回復のための活動制限令」の段階
入国に関して。乗り継ぎの際のターミナル間の移動も制限中

 国内の状況は規制が緩和されたため経済が徐々に動き始め、活気を取り戻しつつあるという。感染防止対策を徹底したうえでの営業を義務化しており、ショッピングモールやホテルのエントランスでは検温、消毒。モニタリングアプリ「My Sejahtera」を導入。ホテルやレストランでは、ビュッフェやスパ、プールの利用を中止している。人気の観光エリアであるペナン島の屋台などもきっちりと対策をしての営業だという。

 さらに公共交通機関は座席や立つ場所なども指定。観光バスも8月31日まで使用不可などの措置がされている。マレーシア航空やエアアジアXでは機内での対策も。ボックスミールでの機内食提供や空調システムによる汚染物質の除去、乗客は食事以外はマスクの着用が必要だ。

感染者が出た際に行動の把握を迅速化するためモニタリングアプリ「My Sejahtera」を活用
ホテルの感染防止対策の例
レストランと店舗での感染防止対策
観光施設や公共交通の感染防止策
ペナン島の屋台エリアでの対策
空港および機内での感染防止対策

 今後の日本からの旅行者受け入れについては、明確なガイドラインが政府より発表されていないため未定。マレーシア国内とあわせて各国の状況を見ながら段階的に緩和する可能性が高いとのことだ。

密を避けてストレスゼロ。アフターコロナは開放感あふれるビーチリゾートへ

 セミナーの後半は収束後のマレーシア旅行の新たなスタイルを提案。「New Normalでの旅行スタイル」と題し、考えられる動きを予測した。フライトでの座席供給数や観光エリアでの人数制限などによる旅行代金の値上がりも視野に、今まで以上に質を重要視したプランの育成や3密が防げるエリアへの旅。さらにテレワークを駆使した長めの旅行やオンラインでのバーチャル体験を紹介。

 付随して州別の感染者数と人口1万人に対する感染者数を示し、コタキナバル、ランカウイ島、ペナン島、ジョホールなど混雑の少ない人気の都市や地域への旅行を推奨した。特にランカウイ島はマレーシア旅行で人気のビーチエリアでもあり、ほかの旅行客との距離を保つには最適とのこと。雨季でも晴れている日は海も美しいため、1年中滞在が楽しめるという。さらに各種アクティティもクルマで約30分程度の場所で参加できるうえ、ネイチャー系も充実。7月23日公開予定の映画「コンフィデンスマンJP プリンセス編」ではランカウイ島が舞台となるなど、この夏注目のエリアだ。

州別の感染者数と人口1万に対する感染者数
静かな雰囲気で3密が防げるビーチリゾート・ランカウイ島
1年中波が荒れずに穏やかなため、雨季のタイミングでも海が美しい

 続いて人気のペナン島。新コロナの新規感染者が14日間ゼロを主要観光都市のなかで最速で達成し、「グリーンステート(州)」に認定。早くも観光事業再開のために動き出しているという。と同時に独自のモニタリングアプリ「PGCARE」を開発導入し、保健省と連携して感染者が出た場合も素早く対応できるようにしている。

 なお、マレーシア国内で最新の高級リゾートエリアとしてデサルコーストも要注目だ。8月には東南アジア初進出のラグジュアリーリゾート「ワン&オンリー・デサルコースト」が開業予定。新たなデスティネーションとして、ぜひ訪れてほしいとのこと。

感染防止対策も徹底しており、独自アプリも導入中
街歩きでアート鑑賞、ジャングルでネイチャー体験など幅広いアクティビティが楽しめる
今後注目のエリアとしてデサルコーストはイチオシとのこと

 上記と同時にテレワークを活用した10日程度の少し長めのマレーシア滞在も提案。平日は仕事やサマースクール、週末は家族全員で観光を楽しむなど現地にいるからこその楽しみ方をスケジューリング。ロングステイで13年間連続「住みたい国」ナンバー1に選ばれる8つの理由やアクティビティの例も挙げた。

ロングステイの滞在先としてマレーシアが選ばれる8つの理由
少し長めだからこその楽しみかた。平日と週末のスケジュールも例に挙げた

 なお、学校向けの学習旅行に関してはオンラインを活用したバーチャル体験を紹介。オンラインスタディツアーとしてSMIトラベルを例に森林保護学習や学校間国際交流などを紹介。収束までは国内旅行へシフトする流れであることを念頭に、節約した分をオンラインスタディに活用する案や、オンラインで事前学習することで旅行解禁後現地に向った際により濃い体験ができるメリットなどを話した。

オンラインスタディツアーのポイント
クアラルンプールの森林研究所のスタッフによるオンライン講義が受けられる
時差が1時間のため現地の学生とのオンライン交流も可能だ

 今後はマレーシアでの日本人観光客受け入れ後にSNSを活用したオンラインプロモーションの強化やキャンペーンの実施も予定しているとのこと。7月公開の映画やダンス&ボーカルグループ「超特急」の番組「超特急と行く!食べ鉄の旅 マレーシア編」DVD&Blu-rayの発売も含め、積極的にSNSなどでマレーシアの魅力と最新情報を発信していくとのことだ。