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東京市営乗合バス「円太郎バス」が自動車初の重要文化財指定へ。太陽の塔も登録有形文化財に答申

2020年3月19日 発表

自動車初の重要文化財指定に答申された東京都所有の「東京市営乗合バス『円太郎バス』」(写真:東京都交通局ニュースリリースより)

 文化庁は3月19日、文化審議会により4件の美術工芸品を国宝すること、37件の美術工芸品を重要文化財に指定すること、1件の美術工芸品と133件の建造物を登録有形文化財に登録することについて文部科学大臣に答申したことを発表した。

 国宝指定は、「木造阿弥陀如来坐像(院覚作)」一軀、「木造天蓋(所在金堂)」三箇、「鼉太鼓」一対、「群馬県綿貫観音山古墳出土品」の4件を答申。

 重文指定を答申した工芸品には、自動車としては初めてとなる、「東京市営乗合自動車(円太郎バス)」(東京都所有)が含まれる。1923年の関東大震災で被災した東京市内の路面電車の代替交通手段として、東京市が米フォードから貨物用トラックを大量輸入し、客室を備えて公営の乗合自動車として運行した800両のうちの1両。明治時代に東京市内を走った乗合馬車「円太郎馬車」に類似したことで、「円太郎」「円太郎自動車」などと呼ばれたという。重文指定に答申した車両は、公営乗合自動車として現存する最古の車両であり、円太郎バスの唯一の伝存車両であり、乗合自動車が都市公共交通手段として日本各地において活躍していく端緒となった時期の希有な伝存車両であることから、交通史上、社会史上に基調であることが評価された。

 このほか、同日、建造物の登録有形文化財について133件を答申。名古屋市の「名古屋市公会堂」、京都市の「京都市美術館」、大阪府吹田市の「太陽の塔」などが含まれる。

太陽の塔