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ポッポ幕張店にたこ焼き調理ロボットとソフトクリームロボットが出現

イトーヨーカドーのフードコートがエンタテイメントに

2019年10月17日 オープン

たこ焼き調理ロボット「ハッピー」

 セブン&アイ・フードシステムズは10月17日、千葉県千葉市のイトーヨーカドー幕張店内に「ポッポ幕張店」をオープンし、調理ロボットによるサービスを提供する。

 同店に導入されるのは、コネクテッドロボティクスが開発した「たこ焼き調理ロボット」と「ソフトクリームロボット」。人による調理のバラつきを抑え、品質の安定化や業務の効率化を図るとともに、ロボットが調理するところを見て楽しむというエンタテイメントを提供する。ちなみに、たこ焼き調理ロボットには「ハッピー」、ソフトクリームロボットには「ワンダー」という愛称が付けられている。

 ポッポ幕張店の所在地は、千葉県千葉市花見川区幕張町4-417-25 イトーヨーカドー幕張店 1階 フードコート内。営業時間は9時~21時。

ポッポ幕張店に導入されたたこ焼き調理ロボット「ハッピー」(前半)
ポッポ幕張店に導入されたたこ焼き調理ロボット「ハッピー」(後半)

次は黄金焼に挑戦、洗浄ロボットの導入も検討

コネクテッドロボティクス代表取締役CEOの沢登哲也氏(左)とセブン&アイ・フードシステムズ代表取締役社長の小松雅美氏(右)

 16日に開催された発表会において、セブン&アイ・フードシステムズ代表取締役社長の小松雅美氏は、「たこ焼き、お好み焼きは非常に熟練した技が必要。個人のバラつきも否定できない。安定して美味しい商品をいかに提供できるかが、ポッポとしての課題。また、何らかのエンタテイメント性も必要で、よりお客さまが見て楽しい、驚きがあるという場をいかに展開できるかが、今後のポッポの命運を握っている」と述べ、今回のロボット導入に至った経緯を説明した。

 同氏はまた、品質の安定やエンタテイメント性に加え、人手不足への対応に重点を置いていると語る。「たこ焼きの調理は、常につきっきりの作業。一通り覚えるまでにも時間がかかる。経営の利益面からも大きな課題を抱えていた。そこをロボットに担ってもらう。その効果に期待している」(小松氏)という。同氏によれば、たこ焼きを提供するにあたり、1日10時間の人手がかかるとして、そのうち7時間をロボットに任せられるという。

 今後の展開について、同氏は「第2ステップとして、たこ焼き以上に調理が難しい「黄金焼」(今川焼き)のロボット化に向けて研究を進めていきたい。幕張店で検証を重ね、次の展開に向けた準備を進めていく。また、レストラン事業にも活用できるように、並行して洗浄ロボットの導入も準備していく。洗浄に伴う作業がロボット化されると大きな人件費改善につながる。早期の導入を進めていきたい」としている。

RaaS(Robotics as a Service)方式で導入の加速を狙う

ソフトクリームロボット「ワンダー」

 コネクテッドロボティクス代表取締役CEOの沢登哲也氏は、自社についてロボットを作るのではなく、制御ソフトウェアを開発する会社と説明。「こうした調理ロボットを普通に納品すると1000万円を超えてしまう。導入時のコストを抑え、月額課金でサポートしていくサブスクリプションモデルで、より簡単に導入していただけるようにしたい」として、RaaS(Robotics as a Service)方式でソリューションを提供していくという。

 同氏によれば、今回のたこ焼きロボットはテックマンロボット製のロボットアーム「TM5-900」を使用し、コストダウンを図るとともに安定性やメンテナンス性を高めらている。2018年7月にハウステンボスに導入したロボット調理器に改良を加えたもので、約20分で96個(12人前)を調理できる。

 また、ソフトクリームロボットはDobot製の「Dobot Magician」を使用。1個45秒でソフトクリームを仕上げる。

 沢登氏は、こうした調理ロボットの販売目標について、「2021年までの2年間で100台、2024年末までに1000台を販売したい」としている。

 同氏によれば、こうした調理ロボットは、さらに小型化やコストダウンを図ることで屋台やキッチンカーでも導入が可能になるという。近い将来、さまざまなイベントや観光地などでも見かけるようになるかもしれない。

ポッポ幕張店に導入されたソフトクリームロボット「ワンダー」