ニュース
MAMORIO、低価格化した新製品や新機能、新サービスを発表。7月1日から東急全線88駅で「MAMORIO Spot」運用スタート
導入鉄道事業者が関西へも拡大
2019年6月1日 07:00
- 2019年5月30日 実施
MAMORIOは5月30日、都内で発表会を開催し、新製品「MAMORIO」、AR技術を用いた新機能「カメラで探す」機能、新サービスの「お忘れスマホ自動通知サービス」を紹介した。
また、同社の専用アンテナ「MAMORIO Spot」を活用した紛失防止サービスを6月から共同でスタートすると発表したOsaka Metro(大阪市高速電気軌道)と京阪電車(京阪電気鉄道)の担当者が来場。首都圏では東急線全駅で同サービスを7月より開始する東京急行電鉄の担当者も登壇し、それぞれあいさつを述べた。
低価格で新登場の「MAMORIO(MAM-003)」
「MAMORIO」はBluetooth Low Energyを活用した世界最小クラスの紛失防止タグ。利用者はこのデバイスを財布や鍵など失くしたくない物に取り付けることで、手もとから一定距離離れると「いつ、どこに置き忘れたか」がスマートフォンに通知がくる仕組みを持つ。MAMORIOを購入後は月額料金などは一切かからず、スマートフォンにインストールする専用アプリも無料でダウンロードが可能だ。
発表会はまず、3世代目となる新製品「MAMORIO(MAM-003)」の紹介から。世界最小クラスのサイズやデザインはそのままに、電波の発信頻度や飛距離、電池寿命などの基本性能が向上した。また、販売価格は2480円(税別)と、従来品に比べて3割ほど抑えられている。カラーバリエーションは4色。この「MAMORIO(MAM-003)」は5月31日から、全国の主要家電量販店や主要ECサイトで販売がスタートした。
AR技術を用いた新機能「カメラで探す」機能
続いて紹介されたのがAR(拡張現実)技術を用いた「カメラで探す」という捜索支援機能。近くにあるのに見つからないといった場合に、アプリの設定画面からこの機能を選択。カメラをかざして歩きまわると、電波を検知して視覚的に表示されるというものだ。
実際に体験してみると、赤と青の丸がマーカーとして画面に表示され一目瞭然だった(赤が強い電波、青が弱い電波を示す)。この「カメラで探す」機能は、アプリのアップデートで従来のMAMORIO製品もすべて対象となる。
スマホ紛失時のリスクを減少! 新サービス「お忘れスマホ自動通知サービス」
増木CEOによると、今の世のなかで「費用をかけてもなくなることを防ぎたいもの」のアンケートの第1位はスマートフォンだという。その大事なスマートフォンの置き忘れが発生した場合に役立つ新サービスとして紹介されたのが「お忘れスマホ自動通知サービス」。全国700路線以上に設置されている同社の専用アンテナ機「MAMORIO Spot」を利用したもので、これまではMAMORIOタグを取り付けた物だけが対象だった「お忘れ物自動通知サービス」がスマートフォンにも拡大したことになる。
利用者はまずMAMORIOアプリをスマートフォンにダウンロードしてメールアドレスを入力しユーザー登録をする。スマートフォンの置き忘れが発生した場合、そのスマートフォンが駅や遺失物取扱所に届けられると、施設に設置されたMAMORIOアンテナにスマートフォンが反応しサーバーに自動通信。ユーザー登録したアドレス宛に拾得報告通知メールが送信されるという仕組みだ。
実際にスマートフォンを紛失した実証実験を行なうと、紛失から通知まで平均20分という結果が出たそうだ。ちなみにこのサービスを利用しない場合、拾得者から鉄道会社、警察と順番に連絡がいくことになるのだが、最終的に通信会社から持ち主に連絡がいくまで平均5日かかるのだという。ただし約87%の人が紛失から1週間以内で買い替えてしまうという結果があることもプレゼンのなかで語られた。「日本で一番早くなくしたスマホを探せるプラットホームになるはずだ」と増木CEOはPRした。
6月からOsaka Metroと京阪電車が共同で「お忘れ物・お忘れスマホ自動通知サービス」の運用をスタート
今まで関東エリアを中心に展開を進めていた「MAMORIO Spot」だが、関西エリアの交通機関への導入が大幅に拡大した。この日はOsaka Metroと京阪電車が新しく「MAMORIO Spot」を導入すると発表。
来場したOsaka Merto 鉄道事業本部 駅務部 駅務課 課長の納正虎氏はあいさつのなかで、「大阪メトロでは年間27万件のお忘れ物を取り扱っていますが、その数は年々増えているのが現状です。このたびMAMORIO社の新しいサービスを活用させていただいてお忘れ物を早期に返還できるようになることを願っています。一人でも多くのお客さまに安心して快適に大阪メトロに乗車いただけるようサービスアップにつとめていきたいと思います」と述べた。
続いて登壇した京阪電車 営業推進部 駅サービス課 課長の近野薫氏は、以下のようにあいさつ。
「お客さまにお忘れ物を通知するというサービスというMAMORIOの概要をお聞きした際に、そのサービスの裏に、お客さまにとっては『なくしても大丈夫』というほわっとした安心感があることが一番の肝になるサービスだなと感じました。この大事な安心感がお客さまに伝わるように今後アピールしていきたいと思っております」。
東急電鉄では「お忘れ物自動通知サービス」を東急線の各駅で開始
一方、関東でも引き続き「MAMORIO Spot」の設置拡大が進んでいる。東急電鉄では全88駅での導入が決定し、7月1日から「お忘れ物自動通知サービス」をスタートする。今回の東急電鉄の導入によって、首都圏の主要路線がすべてカバーされたことになるという。
来場した東急電鉄 鉄道事業本部 運輸計画部 営業課 課長 石津航氏は、「私ども鉄道会社にとっては、お忘れ物はなかなか解決するのが難しい課題。弊社では年間で40万件ほどのお忘れ物がございます。MAMORIO社とは弊社の『東急アクセラレートプログラム』という取り組みに応募していただいたことがきっかけで、数年前には東急渋谷駅で実証実験を行なったりしてきました。このたび、関東では初めて全駅で『お忘れ物自動通知サービス』を導入させていただくことになりました。MAMORIOのサービスを通じて、一人でも多く、1分でも早く、お客さまのお手元にお忘れ物がお返しできるようになることを願っております」とあいさつした。