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パリ空港、グルメエリアの拡張予定などを紹介。ミシュラン2つ星のティエリー・マルクス「Teppan」などが開業
ミシュランシェフ8人のレストランが2020年までに順次オープン
2018年3月29日 18:43
- 2018年3月20日 実施
フランス パリのシャルル・ド・ゴール空港とオルリー空港を運営するパリ空港(Aeroports de Paris)は3月20日、銀座のレストラン「Bistro Marx」で「PARIS VOUS AIME(パリより愛を込めて)」と題した発表会を行なった。
パリ空港は、以前から空港を単なる通過点ではなく、20のパリ行政区に加わる「21区」と位置付けてレストランやショッピングなどの免税エリアの開発に力を入れており、常設のアートスペースを設けるなどパリ文化の発信拠点としても存在感をアピールしている。
この発表会でも、ミシュランガイドで星を獲得しているシェフらによるレストランが新しくオープンすると紹介したが、そのうち1軒が銀座「Thierry Marx」と「Bistro Marx」のオーナーシェフであり、フランス本国の店舗ではミシュランガイドで2つ星を得ているティエリー・マルクス氏が手掛ける鉄板焼きレストラン「Teppan」で、発表会にはマルクス氏も出席。報道陣の前で鉄板焼きの調理の様子を披露した。「Teppan」は、4月にシャルル・ド・ゴール空港 第1ターミナルでオープンする。
まず登壇した在日フランス大使館 広報部 参事官 ジョアン・ヴァラドゥー氏は、1858年に日仏修好通商条約が締結されてから、2018年で160周年であることに触れ、また日本とEU(欧州連合)の間でEPA(経済連携協定)が最終合意に至っており、これからますますフランス食材やワインが日本に浸透し、文化の交流を通じて両国の関係がさらに発展するだろうと話した。
続いて、パリ空港 グローバル新規顧客開拓部 部長のセシル・マルシャン=カッサーニュ氏は、「我々(パリ空港)は通過点でもありますが、パリらしさを凝縮した“観光地”を目指している」と説明。「グルメはフランス人にとっても日本人にとっても大切なものなので、パリ空港では全体の4割にあたる2万2000m2をグルメエリアとしており、そこに103店舗があり、さらに2020年までに88店舗を追加する用意がある」という。より具体的な例として、マカロン(パリ風マカロン)発祥のパティスリー「ラデュレ」は、シャルル・ド・ゴール空港とオルリー空港の内部だけで22店舗もあり、年間で850万個のマカロン売上があることや、10店舗あるというパティスリー「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」が年間300の試作品から15種類のレシピだけを空港のために商品化していることを紹介。「味わい深いお土産を持ち帰っていただける」と自信を見せた。
自虐的に「クレイジーな目標」としたのは、「2020年までにミシュランガイドで星を取ったシェフによるレストランを8店舗オープンする」というプランで、すでにギィ・マルタン氏の「I Love Paris」、ジレ・エピエ氏の「Frenchy's」、メゾン・ロスタン氏の「Cafe Eiffel」の3店舗が開業しており、2018年はギィ・マルタン氏の「French Taste」が3月にオープン済み、ティエリー・マルクス氏の「Teppan」が4月、メゾン・ロスタン氏の「Cafe Eiffel」が8月にもう1店舗オープンを控えている。
ここでティエリー・マルクス氏が登壇。日本を訪れるようになって23年経つというマルクス氏は、柔道と剣道の段位を持つ親日家でもある。パリ空港に出店するにあたって、新鮮な日本の食材を持ち込むのは難しいが「何か日本的なものを」と考えたときに浮かんだのが、鉄板焼きだったという。「料理はレシピだけではなく、所作やどう時間をかけるかが大事で、その次が食材。あとは君の好きなように作ればいい」というマルクス氏の師匠の言葉を紹介して、「人々を平和に集めることができるのが料理の魔法だ」と述べてデモンストレーションを開始した。