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パリ空港、シャルル・ド・ゴール空港などの魅力的な施設をアピールする“Paris vous aime”

ミシュラン2つ星シェフ ギィ・マルタン氏が来日

2016年11月18日 開催

パリ空港 エクゼクティブ・バイス・プレジデント ロール・ボーム氏が来日。シャルル・ド・ゴール空港などの魅力アップポイントを語った

 フランスのシャルル・ド・ゴール空港、オルリー空港などの開発・管理などを行なっているパリ空港は11月18日、駐日フランス大使館において「“Paris vous aime”~パリより愛をこめて」と題した記者会見を開催した。

 この記者会見は、近年セキュリティ強化、レストラン施設増強などを実施しているシャルル・ド・ゴール空港の魅力を伝えるもので、フランスからパリ空港 エクゼクティブ・バイス・プレジデント ロール・ボーム氏、同 グローバル新規顧客開拓部 部長 セシル・マルシャン=カッサーニュ氏、空港内レストラン「I Love Paris」ミシュラン 2つ星シェフ ギィ・マルタン氏が来日。フランスの玄関口ともいえるシャルル・ド・ゴール空港の魅力をプレゼンテーションした。

 記者会見の冒頭、駐日フランス大使 ディエリー・ダナ氏が挨拶。ダナ氏は「私は空港の専門家ではないが」と前置きしたうえで、空港の位置づけについて語り始めた。「空港という言葉は、日本語では空と港から構成されています(英語もフランス語も同様の構成)。港は知らないに国に入る初めての場所で、その国の文化に触れる最初の場所になります」「現在、空港といいますと、荷物を持って走り回ったり、セキュリティのために並ぶ必要があったり、港が持っているポエティックなイメージが失われているように感じます」と、空港と港のイメージの差について言及。「ここ最近パリ空港で行なってきたことは、飛行機や人の流れを完璧にするというのもありますが、港がかつてもっていた夢をよみがえらせるということにも取り組んでいます」と、入国する旅行客のフランスにおける旅の出発点であり、旅の終着点でもある空港には、魅力が必要であるとの見解を語った。

駐日フランス大使 ディエリー・ダナ氏
シャルル・ド・ゴール空港の格付け
セキュリティ体制
デジタル施策
現場について
交通路線図

 その駐日大使の挨拶を受けて、パリ空港 エクゼクティブ・バイス・プレジデント ロール・ボーム氏がプレゼンテーションを実施。「パリ空港の中には、港、そしてパリという言葉が入っているのが重要かと思います。」と説明。港という主題は駐日大使と同様だが、“パリ”も重要であるという。

 よく知られているように、2015年11月のパリ同時多発テロ事件、そして2016年7月のテロ事件の発生により、日本の旅行者に大人気だったフランス旅行の人気は落ち込んでいる。そのこともこの説明会の開催につなっがているのだろうが、「パリに行っても大丈夫なのか?という疑問を持たれた方もしれませんが、今日は大丈夫なんだというメッセージを伝えに来ました」と説明し、「フランスに再び魔法をかける」ために来日したとのことだ。

日本マーケット

空港の魅力を高め、“再び魔法をかける”

 ボーム氏の“再び魔法をかける”という言葉は、パリの魅力を再認識してもらいたいという意味だろう。ボーム氏は、1年間にフランスを訪れる人が100万人、直行便は3社(JAL、ANA、エールフランス航空)、東京~パリ便が週42便、関西~パリ便が週6便であることを示し、当面の目標は名古屋、福岡からの直行便を復活させることにあるという。

 また、気になるセキュリティ体制については万全なものを期しているといい、9000台の監視カメラには個人を特定追尾する機能を持たせ、プロファイラーと呼ばれる私服警備員も投入。さらに警察犬のパトロールなども導入している。これによる安全率の変化だが、元々空港は特にインシデントなどが起きている場所ではなかったため、より安全性が強化されたのみとのこと。セキュリティ関連での待ち時間は増えてしまっているものの、MCT(Minimum Connecting Time:最短乗り継ぎ時間)は以前と変わりないとのことだ。

 このセキュリティに関しては、駐日フランス大使 ダナ氏からも補足説明。グローバル的に安全対策を強化しており、国境近辺では入国管理を強化。かつて起きたテロ事件では陸路の入国であり、空港からの入国はないとのこと。国境だけでなく、交通、観光地、シンボリックなポイント、公共空間では特に強化しており、「フランス人は日常生活に愛着があるので、それを変えずにセキュリティ強化を図っている」とのことだ。

 空港の魅力アップにおいては、乗り継ぎ客向けに新しいトランジット・ラウンジ「Instant Paris(インスタントパリ)」を11月8日にオープン。パリの美食を空港でも味わえるよう、2016年末までに4人のミシュラン・スター・シェフによるレストランをオープン。ミシュラン 2つ星シェフ ギィ・マルタン氏による空港内レストラン「I Love Paris」はその1つになる。

トランジット・ラウンジ
2017年1月21日からピカソ展を開催
ショッピング環境も充実
レストランも続々開店
フレンチ・グルメ
ワインとシガー
コニャック
空港内レストラン「I Love Paris」のミシュラン 2つ星シェフ ギィ・マルタン氏も来日
当日振る舞われたミニ料理

 パリは20の行政区からなるが、ボーム氏は「パリ空港は21番目の区になりたいと考えています」と語り、1つの観光地として存在感のあるものにしたいという強い思いを示した。

 記者会見の最後に、グローバル新規顧客開拓部 部長 セシル・マルシャン=カッサーニュ氏と、デザイナーのNATSU.さんのトークショーを実施。パリの魅力について語り合った。

グローバル新規顧客開拓部 部長 セシル・マルシャン=カッサーニュ氏(左)とNATSU.さん(右)
会見最後の乾杯シーン