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JTB西日本とシャープ、ロボホンが東山エリアを案内する新しい京都旅行を提案

「るるぶ」のデータ100カ所をインストール済み

2017年12月15日 発売

側頭部にJTBのロゴが描かれたロボホンが、京都の東山エリアを案内してくれる。「ロボ旅」は2018年1月5日から3月30日までの間で設定できる期間限定商品

 JTB西日本とシャープは12月8日、モバイル型コミュニケーションロボット「RoBoHoN(ロボホン)」を使った京都の観光事業についての協業を発表。12月15日より、パッケージツアー「RoBoHoNと行く『ロボ旅』(京都)」(首都圏発)の販売を開始する。ロボホンは2016年にシャープが発売した会話が楽しめるロボットで、携帯電話機能を内蔵している。

「ロボ旅」はツアー参加者にロボホンを貸し出し、京都の観光案内役として一緒に連れて歩く新しい旅の企画。貸し出されるロボホンには、JTBパブリッシングの観光情報誌「るるぶ」に登録されているデータから、京都の東山エリアを中心とした観光スポット100カ所がインストールされており、位置情報(GPS)や施設に設置されたビーコン(Bluetoothによる電波発信機)に反応することで、観光スポットや店舗の説明、順路や付加情報を旅行者に案内する。

 記者発表会ではJTB西日本 執行役員である北村氏が登壇して概要を説明した。

株式会社JTB西日本 執行役員 法人営業大阪支店 支店長 北村豪氏

 昨今のロボット産業における市場規模の拡大は著しく、2016年の7100億円から2020年には2.9兆円、2035年には9.7兆円と高い成長が見込まれている。政府の指針においても1000億円規模のプロジェクトの推進、社会的課題の解決に活用していく旨が挙げられている。JTBグループでは観光を基軸とした交流人口の拡大と地域活性化を図る新たな取り組みを模索しているなか、観光分野におけるロボット活用を検討しているシャープと協議を重ね、今回の協業に至ったと説明した。

 プロジェクトの総合監修はロボットクリエイターの高橋智隆氏、企画・プロデュースはゲン、ロボットやアプリの開発はシャープ、旅行の企画や販売はJTBが担当する。

 レンタルされるロボホンのほか、「清水順正 おかべ家」(湯豆腐)、「藤菜美」(京だんご)、「ぎをん彩」(舞妓体験)、「祇園はやかわ」(京料理)といった一部店舗には、3カ国語(日本語/英語/中国語)に対応したロボホンも設置され、サービス内容を案内する。

 同氏は「ロボホンは旅の案内人として、また旅の相棒として思い出作りに役立ってくれます。今までにないロボットによる新しい形の旅を提案いたします。それと同時にロボットを活用した観光事業のショーケース化を目指します」と語った。

ロボホンはツアー旅行者に貸し出されるものと店舗に設置されるものの2種類。貸し出されるロボホンは宿泊する1部屋につき1台の割り当てとなる
ロボホンと一緒に観光地(東山エリア)を巡ると、位置情報やビーコンに反応して案内を行なう
店舗に設置されているロボホンは、日本語、英語、中国語で施設のサービス情報を案内する。また、日本語-英語、日本語-中国語の翻訳も可能

 続いて、シャープの景井氏がマイクを持ち、ロボホンについて解説。「センサーなどの情報でユーザーの行動や状況を理解し、適切な観光案内が行なえることから、頼れるガイド役として、また友人のような旅行パートナーとしての関係を目指しています」と話した。

 今回のプロジェクトで使用するロボホンには、「施設のビーコンに反応して誘導を行なう」「遠隔操作によるシナリオの変更やデータログの取得」「3カ国語による翻訳」という3つの新機能が搭載されている。

 ビーコンによる誘導については、店舗の少し前から設置することで高い精度で誘導することができるとしている。遠隔操作によるシナリオの書き換えについては、将来的に新商品の案内に活用可能で、店舗サービスの向上に役立つとしている。また、観光順路や時刻、写真撮影の有無などを記録したログを精査することで、より質の高い観光案内を提供できるとのことだ。翻訳については、現地の人とコミュニケーションを取りたい外国人観光客のニーズに応えてくれることが期待されている。今回のプロジェクトは2018年3月30日までの限定的な取り組みであるが、将来的には京都全域における観光案内、翻訳の多言語化など、サービスの規模を広げていきたいと話した。

シャープ株式会社 IoT 通信事業本部 コミュニケーションロボット事業統轄部 市場開拓部 部長 景井美帆氏
今回のプロジェクトに使用するロボホンには3つの新機能が搭載されており、ロボットならではの精度の高い観光案内やコミュニケーションツールとしての活躍が期待されている
エースJTB「RoBoHoNと行く『ロボ旅』(京都)」(首都圏発)

設定期間:2018年1月5日~3月30日発(2日間~3日間)
旅行代金:大人1名 2万4800円~
設定宿泊施設:京都タワーホテル、ホテル近鉄京都駅
ロボホンの案内エリア:主に京都東山エリア(清水寺~円山公園周辺)
Webサイト:デジタルパンフレット