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JR西日本、乗客の救護や誘導、関係機関と連携の向上を目指した「平成28年度 京都支社列車事故総合訓練」実施
2016年10月21日 17:19
- 2016年10月18日 訓練実施
JR西日本(西日本旅客鉄道)は10月18日、滋賀県野洲市にある網干総合車両所 宮原支所 野洲派出所構内において「平成28年度 京都支社列車事故総合訓練」を行なった。この訓練は、2005年に兵庫県尼崎市で起きた福知山線列車事故を教訓とし、「乗客の救護」と「併発事故の阻止」を最優先に、事故現場における乗客の避難誘導や救護、関係機関との情報連絡・連携など、社員の対応能力向上を目的として実施した。
訓練には、JR西日本グループ社員のほか、警察からは滋賀県警本部 機動隊、守山警察署、消防からは湖南広域消防局、甲賀広域行政組合、水口消防署、医療機関は済生会滋賀病院、滋賀医科大学医学部附属病院、京滋ドクターヘリが参加したほか、信楽高原鐵道、甲賀市 公共交通推進室も参加した。総勢で約230名(乗客役約100名)と大規模な訓練となった。
訓練を開始するにあたり、2005年の福知山線列車事故、2002年の東海道本線塚本駅で起きた事故で亡くなられた方に哀悼の意を表して黙とうがささげられた。続いて、JR西日本 執行役員 近畿統括本部副本部長 近畿統括本部京都支社長である岩崎悟志氏が開会を宣言。「今回の訓練では、併発事故の阻止とお客さまの救護を最優先とし、社内の情報伝達、社外の関連機関との情報伝達を確実に行なってください。大きな声を出してお互いに声を掛け合い、けがのないようにお願いします」と話した。
訓練の想定は、「琵琶湖線 篠原~野洲駅間走行中の米原発姫路行き普通列車(221系4両編成、乗客約100名)が踏切内に進入してきた自動車を認め非常ブレーキをかけるも間に合わず衝突」「4両編成のうち1両目が脱線、車内では多数の乗客が負傷している。JR関係者、消防および警察関係者により負傷した乗客を降車させ、安全な場所まで誘導。消防が設置したエアーテントで応急処置を実施後、病院へ搬送する」「列車の運転士は軽症、車掌は無傷。自動車は進行方向右側に飛ばされているが、自動車の運転手は脱出して無事。列車内には乗り合わせたJR西日本の社員が2名いる」とされた。
訓練の事故発生、初期対応を行なう
訓練は10時30分に列車脱線事故が発生したという想定で開始された。発生後の初期対応として、列車の運転士は非常ブレーキをかけて停車したあと、列車防護として周囲の列車に停止を知らせる措置(車両用信号炎管の使用、防護無線の発報、軌道短絡器の使用、携帯用信号炎管の使用)を行なう。
車掌は、車内放送をするとともに、現地連絡責任者となる旨を「指令」へ連絡し、列車内の乗客に対する対応を開始する。さらに、今回の訓練では乗り合わせた社員がいるとの想定もあり、その社員による乗客対応も行なう。
さらに、通報を受けて現地の交番から警察官が到着した。
続々と応援人員が到着する
10時35分に第1陣として、最寄りの野洲駅から駅長が現地到着、現地対策本部長代行として事故現場の管理者となり、車掌がなっていた現地連絡責任者も到着したスタッフに引き継いだ。
10時40分には、消防、警察、医療関係者が現地到着。事故現場の管理者が列車の状況および現段階の状況を説明したあと、1両目、2両目を中心に救出するよう要請した。
事故から15分が経過した10時45分、第2陣として周辺の管理駅である草津駅の駅長が到着、管理者の引継ぎ、工務担当らスタッフも同時に到着したため、一時避難箇所を設置し、救出・救護活動の支援に加わった。