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キングジム、旅のお供にも最適な「ポメラ」がパワーアップ。日本語入力やデータ連携機能を強化した「DM200」

10月21日発売

2016年10月4日 発表

 キングジムは10月4日、日本語入力やデータリンク機能を大幅に強化した「ポメラ」の新モデル「DM200」を発表した。発売は10月21日。価格は4万9800円(税別)。

 ポメラの初代機「DM10」が登場したのが2008年。キングジム 常務取締役 開発本部長 亀田登信氏によると、ポメラは当初、ビジネスパーソンが出張先などに持ち運んで打ち合わせのメモや記録をとるツールとして開発されたのだという。しかし、そのユニークなコンセプトとテキスト入力にこだわった機能性が幅広い層に支持されたことにより、機能を拡張しながら代を重ね、その累積の販売台数は30万台を突破。スマートフォンやタブレット全盛の現在でもその需要は衰えることがないという。

 そのように、使い勝手のよさから人気が高いポメラだが、DM200はこれまで以上に心地よく文章を創作する道具とすべく、多くのユーザーの意見や要望をもとにソフト、ハードの両面から設計が見直された。特に「日本語入力機能」「編集表示機能」「データ連携機能」を大幅に強化している。

テキスト入力に特化した「ポメラ」の新製品「DM200」。新たにバックライト付きの7インチワイド液晶を採用、画面の面積比は約40%拡大している
DM200は、従来機「DM100」と同じストレートタイプの筐体を採用している。サイズは263×120×18mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約580g
右側面にMicro BタイプのUSB 2.0ポートとSDカードスロットを装備する
株式会社キングジム 常務取締役 開発本部長 亀田登信氏
ポメラの累積販売台数は30万台を超えるという。左が従来機種のDM100、右が今回発表されたDM200

ポメラ向きに最適化された「ATOK for pomera[Professional]」を搭載

 まずDM200の最大の目玉といってよいのが、日本語入力システム「ATOK for pomera[Professional]」の搭載だ。商品開発部 東山慎司氏によると、「テキスト入力をするうえで最もストレスの溜まるのは入力した文章が思ったとおりに変換できないこと」という考えのもと、テキスト入力専用機の基本機能ともいうべき日本語入力システムを大幅に強化したのだという。

 ジャストシステム CPS事業部開発部 下岡美由紀氏によれば、ポメラ専用のATOKは、「パソコン版の日本語入力システムATOKと同様に、高性能な“かな漢字変換システム”を搭載しており、文脈に応じた適切な変換が行なわれる」とのこと。また、変換辞書の語彙数も約3倍に強化、入力ミスを見抜く入力支援の機能を備えているという。

キングジム 商品開発部 東山慎司氏
株式会社ジャストシステム CPS事業部開発部 下岡美由紀氏
ポメラ向きに最適化された日本語入力システム「ATOK for pomera[Professional]」を搭載する
文脈に応じた同音異義語の選択が可能で文節区切りも改善されている
ポメラはさまざまな人に利用されているので、変換辞書の語彙を約3倍に拡充。専門性の高い言葉や固有名詞にも幅広く対応したという
ミスを見抜いて正しく入力を行なう入力支援機能も装備する

テキスト編集、表示機能に関しても大幅にパワーアップ

 DM200は、テキスト編集、表示機能に関しても大幅に強化されている。まず注目したいのが、見出しを付けて文章を作成できる「アウトライン機能」を搭載したこと。文章全体を最大10階層のツリー構造で表示することが可能で、見出し単位で階層を変更したり、入れ替えたりできる。ポメラで長文を作成する際に便利な機能追加だ。

 表示に関しては、フォントがこれまでのビットマップフォントからアウトラインフォントであるモリサワの「UD新ゴR」と「UD黎ミンR」に変更されており、大小、横書き、縦書きに関わらず、文字の視認性が向上している。また、入力サポート機能としては、従来の国語、英和、和英辞書に加え類語辞典を追加。文字コードもこれまでのシフトJISに加えて、Unicode(UTF-8)に対応、JIS第3、4水準の漢字も使用可能となった。

最大10階層のツリー構造で表示できる「アウトライン」機能を搭載したことで、多数の章から成るような長文の作成が容易となった
フォントが従来のビットマップフォントからアウトラインフォント(モリサワの「UD新ゴR」と「UD黎ミンR」)に変更されたことにより文字の視認性が大幅に向上した

無線LANを内蔵することでデータ連携機能を強化

 ポメラシリーズとして初めて無線LAN(Wi-Fi)を内蔵をしていることも注目点だ。これにより、ポメラで作成した文章を、Gmailのアカウントを使用してiPhoneやMacなどのメモと同期させたり(ポメラSync)、Evernoteなどのクラウドストレージにアップロードしたりすることができるようになった。また、無線LAN対応のプリンタであれば、ポメラからプリントアウトすることもできる。

 それに伴う消費電力の増加が気になるところだが、無線LAN機能はポメラSyncまたはアップロード中のみオンとなり、それ以外ではオフとなるため、バッテリの消耗は最小限に抑えられているという。

 なお、「ポメラはWeb閲覧やメール受信がサポートされていないので文章入力に集中できる点がよい」というユーザーが多数いるということで、DM200は従来通機種同様、Web閲覧やメール受信をサポートしていない。商品開発部の東山氏いわく「無線LANを内蔵いたしましたが、Web閲覧やメールの受信など集中力を阻害する機能は一切ございませんのでご安心ください」とのことだ。

Gmailのアカウントを使用して、ポメラで作成した文章をiPhoneやMacなどのメモと同期させることができる「ポメラSync」機能を搭載する
ポメラで作成した文章をクラウドストレージにアップロードしたり、無線LAN対応プリンタで印刷したりできる

リチウムイオンバッテリを搭載

 そのほか注目点としては、ポメラシリーズとして初めてリチウムイオンバッテリを搭載したことが挙げられる。乾電池駆動であった従来機は、替えの乾電池をどこでも入手できるという安心感があったが、今はモバイルバッテリが普及しているので、DM200では、モバイルバッテリからの給電に対応することで外出先での安心感を確保しつつ、ランニングコストの低減を図ったという。

ポメラシリーズでは初めてリチウムイオンバッテリを搭載。駆動時間はフル充電で約18時間(充電時間は約5時間)。モバイルバッテリからの給電にも対応している

 D200の主な仕様は、本体サイズが263×120×18mm(幅×奥行き×高さ)、重量が約580g、7型液晶の解像度が1024×600ドット、本体内蔵メモリが128MB、対応記録メディアがSDカード(最大2GB)とSDHCカード(最大32GB)。

 インターフェースはUSB 2.0×1とSDカードスロット、ネットワーク機能として無線LAN(IEEE 802.11b/g/n)とBluetooth 4.0を搭載。オプションで、パームレストとしても使用できる専用ケースと専用保護フィルムも同時発売される。

オプション品として専用ケースと専用保護フィルムも同時発売される
専用ケースはパームレストとしても使用できる