大城和歌子の沖縄グルメ&スポット

新鮮でリーズナブル! 県産マグロ丼を豪快にかきこもう

 沖縄の魚というと、テレビでよく紹介されるような赤や黄色や青のカラフルなものがまず思い浮かぶ。あまり知られていないかも知れないが、沖縄はマグロの漁獲高も高い地域だ。なので、新鮮なマグロが比較的手頃な値段で食べられるのだ。

 那覇市の国道58号沿い、琉球放送(RBC)ビルの隣にある「海鮮まぐろ屋 どん」は、新鮮な生のマグロを使った丼が気軽に食べられるお店だ。

オフィスビルの一角に手書きの「県産まぐろ」の看板。気になる!

 この辺りはオフィス街ということもありお洒落な店が多い。そのなかにあって、手作り感あふれる看板が逆に目を引く「どん」。店構えもとても素朴。ドアを開けると「いらっしゃい!」と元気な声で迎えてくれる。店主の田代かほるさんだ。

丼飯(どんぶりめし)屋、その名も「どん」。素朴な店構えがあたたかく迎えてくれる

 内装も手作り感があふれている。メニューも手書きだ。まったく気取っていないところがいい。最初に食券を買い求めるが、メニューが豊富で迷ってしまう。看板メニューのマグロ丼のほか、ネギトロ丼やサーモン、カニなどの丼もある。これらのコンビネーションの丼もある。全種類制覇したくなる(笑)。

カウンター席とテーブルが2つとこぢんまりした店だが、元気な女性スタッフが盛りたてる
マグロ丼をはじめメニューが豊富! あれもこれも食べてみたくなる

 今回はとにかくマグロ推しなので、シンプルに「マグロ丼」をオーダー。

 オーダーしてから出てくるのが早い。忙しいサラリーマンのランチにはありがたい。
丼には味噌汁が付いており、具は日替わり。今日は何だろう? と、これも楽しみの一つだ。この日はなめこ汁だった。

新鮮な生のマグロが敷き詰められたマグロ丼(690円)。15時~18時はなんと500円で食べられる

 さてメインのマグロだが、柔らかく甘味があって最高! これぞ、近海ものを生で仕入れられるからこそ味わえる旨さだ。

 オーナーの田代さんは、那覇市泊漁港にある魚市場「泊いゆまち」で沖縄マグロの美味しさに気付いた。これをもっと多くの人に食べてもらいたい! との思いで「どん」のオープンを決めた。この4月で3周年を迎える。

「できれば本マグロを食べさせてあげたいけど、それじゃあ値段が高くなっちゃうでしょ」と、メジマグロを使っている。メジマグロとは黒マグロ(本マグロ)の幼魚だ。石垣島近海で捕れるそうだ。

 泊いゆまち内のマグロ屋をくまなく食べてまわり仕入れ先を決めた。「どん」のロゴに使っていりマグロの頭のイラストは、仕入れ先のマグロ屋さんのロゴからのれん分け(?)させてもらった。

 刺身の丼ものは酢飯を使うことが多いが、「どん」では普通の白米を使っている。酢飯にしたい人はテーブルに置かれた酢を自分で入れる。醤油も甘口、辛口の2種類が置いてある。まずはマグロそのものの味を味わってもらい、あとはお客さんの好きなように食べてもらおうという思いだ。

左が店主の田代さん。若いスタッフが育っていくのを見るのも楽しいと語る

 さて、マグロ丼に舌鼓を打っていると常連さんが入店。なんとコーヒーを注文している。「どん」ではドリンクを100円で提供しているのだ(スモールサイズは50円!)。

 実は、店内は禁煙だが店の外の廊下は喫煙場所になっている。近所の会社員が休憩時間に一服しつつコーヒーやジュースを飲んでいくそうなのだ。なるほど、自販機よりも安いし落ち着けるし、これはほっと一息つきたいときには最高だ。カウンターには駄菓子もおいてあり、お茶うけに買っていく人も。

ちょっとした休憩時間にドリンクだけオーダーしていく人も。Sサイズ50円、Mサイズ100円!
お茶うけやデザートに、駄菓子も置いている
店外の廊下は喫煙スペースになっている
酒のつまみにもなる一品料理も揃っている

 お酒も提供しているので、仕事帰りにちょっと一杯というのもなかなかよい。ちょっとしたおつまみもリーズナブルな値段で提供している。私はまだお酒を飲みに行ったことがないので、近々絶対に飲みに行くぞ!

 気軽に、自分の好きなスタイルで楽しめること、そしてなによりも、いつも変わらない元気な笑顔で迎えてくれるのが魅力のお店。一度行ったらまた行きたくなる。リピーターが多いというのもうな頷ける。明日は何丼にしようかな~。

所在地:
沖縄県那覇市久茂地2-3-11 1階
TEL:
070-5270-4996
営業時間:
11時~21時(※マグロ、ご飯が売り切れたら閉店)
定休日:
日曜・祭日

大城和歌子

横浜生まれのウチナーンチュ二世。東京での出版社勤務を経て1998年11月に沖縄移住、フリーのライターとなり「和歌之介」のペンネームで活動。主に音楽系記事を得意とし、沖縄インディーズの隆盛を間近で体感した。自らも音楽活動をゆる~く展開。現在、那覇市内でレコードバー「リンドウ」を営んでいる。