大城和歌子の沖縄グルメ&スポット
沖縄の鉄軌道の歴史を凝縮「ゆいレール展示館」
(2016/4/30 00:00)
13年前の2003年8月10日、県民待望の鉄軌道が運行開始した。沖縄都市モノレール、通称「ゆいレール」だ。それまで沖縄は47都道府県中、唯一鉄軌道のない県だった。構想から40年を経て実現したモノレールの開業。その歩みを知ることができるのが、「ゆいレール展示館」だ。
場所は、那覇空港近くの沖縄都市モノレール本社敷地内にある。ゆいレールのホームページには空港から徒歩10分とあるが、実際に歩いてみるとそんなにかからない。5分強といったところだ。構内には展示館の案内板が出ているので迷わず行ける。
展示館に入る。
……。
誰もいない。
入場自由。実にフランクだ(笑)。
入口のカウンターではグッズ販売もしている。ほしいときには電話で職員を呼び出す方式だ。
展示ブースに入ると、ゆいレール関連の映像上映。また、各駅の紹介パネルが掲げられている。ゆいレールの発車メロディは各駅によって違うのだが、その曲名が書かれていたり、駅周辺の見どころなども紹介されている。
ゆいレール誕生までの解説もとても興味深い。最初に構想が生まれたのは1965年、ゆいレール開業の40年も前だったのだ。当時の新聞記事なども展示されている。感慨深い。
現在ゆいレールは、那覇空港駅~首里駅の15駅、約13kmを運行しているが、2019年春には浦添市の浦西まで延長することになった。その説明などもパネル紹介されている。
2階に上がると、まず目に入るのが錆び付いた2本のレール。
沖縄は唯一鉄軌道のない県だったと前述したが、実は戦前までは電車や路面電車が走っていた。沖縄戦により全滅してしまった沖縄の鉄軌道。そこで使われていた線路の一部が、この錆び付いたレールなのだ。
沖縄の交通機関の年表や、電車が走っていたころの地図、当時の写真など、とても興味深い展示物が並ぶ。
なんと40年前に沖縄で自動運転システムが採用されていた!?
1975年に開催された沖縄海洋博。この会場内を運行していたのだそうだ。ゆりかもめやポートライナーの元になっているらしい。また沖縄の本土復帰から10年後の1982年には、全国の主要駅で記念切符が発行されていたらしい。全然知らなかった……。
ゆいレールや沖縄関連に限らず、鉄道関係の展示品がたくさんある。貴重なもの、懐かしいもの…。鉄道ファンはかなり楽しめると思う。搭乗する飛行機まで時間があるときに立ち寄ってみるのも。一度ぜひ!
ゆいレール展示館
- 所在地:
- 沖縄県那覇市字安次嶺377-2
- TEL:
- 098-859-2630(沖縄都市モノレール株式会社総務課)
- 営業時間:
- 9時30分~16時30分(入館は16時まで)
- 休館日:
- 土・日曜、祝祭日、年末年始