ボーカリスト琴音の音楽旅
真夏の山口・宇部で豪華海鮮に舌鼓。ときわ公園で動物に癒され、大塚茉莉子の凱旋ライブも!
2017年8月26日 00:00
この連載で「つくば」を訪ねたときに同行してくれた友人で、大塚茉莉子さんという歌手がいます。2016年に、家までついていくあの某テレビ番組に出演して一躍話題になった女性です。
そんな彼女が、出身の山口県宇部市で初めてのライブを行なうということで、共通の友人である歌手の紬リュウくんとともに遊びに行ってきました。
飛行機で羽田空港から山口宇部空港へ移動して、リュウくんと合流。タクシーで10分ほどのライブ会場へ向かいました。京屋書店という本屋さんの2階で、普段はダンススタジオとして使用されているスペースがライブ会場。
さすが地元! 大塚茉莉子さんが登場した途端、温かい歓迎の拍手が沸き起こりました。映画「ニュー・シネマ・パラダイス」の音楽などを手がけたことで知られる作曲家エンニオ・モリコーネの「Nella Fantasia」から始まり、大塚茉莉子さんお得意のコケティッシュな「黒猫のタンゴ」など1部はヨーロッパの曲を中心に聞かせてくれました。
第2部は日本の曲やオリジナル曲、シャンソンなどを織り交ぜたプログラムでした。「さとうきび畑」「死んだ男の残したものは」など、戦争にちなんだ曲も。今回のライブは、会場で子供の姿もちらほら見かけました。こんな子供たちが、このライブを聞いて音楽を志すこともあるのかなと想像してうれしくなりました。私自身も、小さいころ、よく分からないままライブハウスに連れて行かれていました。しかし、不思議なもので今となってはそのときに憧れを抱いた世界に身を置いています。アンコールの「愛の讃歌」で、ステージは締めくくられました。そしてなんとこのライブの様子は、後日地元紙でも紹介されていました。
そのあとは、すぐ近くのミュージックカフェデュオに合流して、この日出演したミュージシャン、今回のライブのきっかけになったDuoのマスターなど、みんなで打ち上げ! ちょうど演歌歌手の依田悠李さんがお手伝いでカウンターに入っていて、音楽トークに花が咲きました。そのあとは、夜の宇部に繰り出し、バー「流石」でカラオケを歌いまくり帰宅。今回の山口旅のお宿は、大塚邸にお世話になりました。
翌日は午前中には起床して、クルマで下関の唐戸市場に行きました。山口県といえば、やはりふぐ! 山口の人は「ふく」と呼ぶそうです。入口でふぐの模型がお出迎えしてくれます。たくさんのお寿司屋さんが立ち並び、セルフでトレーに取り、お会計してそのまま食べれるというシステム。市場内で食べ歩きができます。ほかにも、ふぐ汁にふぐフライ、鯨の竜田揚げ、のどぐろのお寿司などをいただきました。あまりの安さにみんなで「キャーキャー、ワイワイ」言いながら、市場を満喫しました。
お土産なども買い、次は宇部で有名なときわ公園を目指します。今回は動物園を中心にまわりました。この日はかなり暑かったので、本当にジャングルの中にいるような(?)気持ちで園内を歩きました。
ゾーンごとに特色があり、まずはアジアの森林ゾーンへ。ハヌマンラングールという聞き慣れないお猿さんがトップバッターでした。中南米の水辺ゾーンでは南米ウルグアイでも遭遇したカピバラさん、マダガスカルゾーンではめっちゃかわいいミーアキャット、山口宇部の自然ゾーンではニホンザルと、さまざまな動物に出会えます。動物もかわいいのですが、道の作りがテーマパークのようで、歩いているだけでも楽しかったです。
炎天下を歩き回ったので、動物園を出たあとは、みんなでソフトクリームを食べました。大の大人がみんなでキャッキャッとソフトクリームを頬張り、子供のころの夏休みに戻ったかのようでした。
夕食は大塚邸でバーベキュー大会! 大塚茉莉子さんのお父さんが組んでくれたバーベキュー炉で、お肉や宇部の美味しい海鮮をいただきます。メンバーは、大塚茉莉子さんのアルバムジャケットデザインを手がけたというデザイナーであり、高校の同級生でもある女性、宇部でフレンチレストランを営んでいるというシェフ、前日のライブのピアニストなど、さまざまな人が一同に会して、肉を食べ酒を飲みまくります。
途中、私は大塚父の自慢のイスで眠ってエネルギーチャージ。自由な会です。お腹いっぱいでも、山口名物の「瓦そば」はつるっと入ってしまいます。山口に来るまで、瓦そばを知らなかったのですが今回の旅で大好きになりました。
酔っ払ってお腹がいっぱいになりながらも、大塚茉莉子さんがこの景色を見て、こういった人たちに囲まれて育って今の「大塚茉莉子」ができ上がっているのかぁと、彼女のルーツを知れてうれしくなりました。ときに共演者、ときに飲み友達、ときに熱く音楽や将来に対して語り合う同士、ときにその世界観や歌声で異世界へ誘ってくれるアーティスト。
私と彼女との関わりは多様にわたっていますが、私の大好きな「大塚茉莉子」はこうしてでき上がったのか、と感慨深いものがありました。私自身も、改めて自分のルーツ、アイデンティティはどんなものだろうと考えさせられました。
今回の旅では、彼女の友達、ご両親、初対面の方も多いなか、たくさんお世話になり感謝してもしきれないくらいです。山口県が大好きになったし、また再訪したいです。人とのご縁、今回の旅で感じたことを、私も自分の芸に反映させていきたいと思いました。夏休みを思いっきり満喫して、残りの夏も楽しみながら乗り切りたいと思います。