週末駅弁

「彩の国黒豚 勧進帳」

埼玉のブランドポークを2種類の調理方法で満喫

「彩の国黒豚 勧進帳」

 埼玉県の大宮駅は新幹線が発着することもあり、駅弁が数多く販売されています。今回選んだ「彩の国黒豚 勧進帳」は埼玉の名産品をちりばめ、2種類の肉が楽しめる贅沢なお弁当です。ちなみに「彩(さい)の国」とは、公募により選定された埼玉県のキャッチフレーズとなっています。「埼」と「彩」をかけたのかどうかはよく分かりませんが、埼玉県民が「彩の国」というフレーズを見かけると、地元のモノだなと理解できるという程度には浸透しています。食の素材はもとよりパッケージ制作も含め、すべて埼玉県内で作っているとのことです。

 この弁当は、JR東日本(東日本旅客鉄道)のイベント「駅弁味の陣2016」に参戦していて、9月27日より発売となった新作です。2016年10月1日~11月30日の開催期間中、東日本エリア全体の“駅弁大将軍”を選ぶというイベントです。食べた駅弁に添付されている応募ハガキまたはWebサイトから投票という、一般人によるガチな投票を経てナンバー1が決まります。全61種類がエントリーしています。トラベル Watchでも「JR東日本、10月1日より駅弁ナンバーワン総選挙『駅弁味の陣 2016』を開催」として紹介しています。

 この弁当を作っている川越市の「ひびき」は、黒豚ややきとりのお店を展開しているようです。東松山の秘伝味噌ダレを使っているのがポイントになっています。国際フォーラムなど都内にも出店しているので、ご存じの方も多いかも知れません。この弁当では、埼玉のブランドポーク「彩の国黒豚」を、味噌漬けとほろほろ煮の2種類で堪能できるのが大きな特徴です。ひびきが作る駅弁は、大宮駅限定の「黒豚みそだれ弁当」に続く第2弾となります。

パッケージはスリーブになっていて、包装をスライドすると中身が出てくる
パッケージには、埼玉県のマスコット「コバトン」と「さいたまっち」
添付は割り箸、お手ふき以外に、駅弁味の陣2016の投票ハガキとお品書きのパンフレット
パンフレットは開くとお品書き。うんちくがいろいろと書かれているので、食べながら楽しめます

 パッケージを開けると、ドーンと左右に分けられた2種の豚肉が現われて圧倒されます。

 彩の国黒豚を厚めにスライスした味噌漬け焼きは、冷めていても上品な脂身の甘みがあり、ちょっとピリ辛の味噌味で食べ応えがあります。下のごはんは春日部在来種大豆を使った豆ごはんです。

 もう片方も彩の国黒豚を使っていて、こちらはほろほろ煮です。いわゆる角煮をほぐし、関本屋のつきこんにゃくとゴボウと一緒に鰹だしで煮てあります。箸を入れると柔らかく崩れ、食べやすい食感です。こちらの下は白米で、埼玉のブランド米「彩のかがやき」ごはんです。ほろほろ煮がよい加減に少し染みています。

 ちなみに彩の国黒豚は、イギリス純粋バークシャー種の黒豚で、さっぱりとした食感、柔らかい肉質、甘みのある脂身が特徴だそうです。

彩の国黒豚 勧進帳の中身。2種類の調理法で彩の国黒豚を楽しめる
彩の国黒豚のみそ漬け焼き
肉厚十分で食べ応えアリ
みそ漬け焼きの下のごはんは豆ごはん
もう一方は彩の国黒豚のほろほろ煮
つきこんにゃくとゴボウと一緒に煮てある
ほろほろ煮の下は「彩のかがやき」の白米

 2種の味の肉に割って入る中央には箸休めの2品。人参ナムルと石川漬物のしゃくし菜のしぞ風味漬けです。人参ナムルは辛くはありません。しゃくし菜は秩父産。爽やかなしそ味でアクセントになっています。また、ほろほろ煮の横に長ネギの焼きびたしも入っています。醤油も埼玉県内の弓削多醤油を使っていて、甘めで柔らかな食感です。

 値段が少々高めの設定ではありますが、ブランドポークを2種の味で堪能しまくれるという、豚肉好きにはたまらない内容です。大宮駅から東北や北陸向けの新幹線に乗り込む前におなかが空いてたら、ぜひ選んでみてください。

人参ナムルとしゃくし菜のしぞ風味漬け
ほろほろ煮の横に長ネギの焼きびたし。焼き目のしっかり入っている
パッケージとは別に、購入時「駅弁味の陣2016」パンフレットを付けてくれた
全18ページの立派な冊子となっていて、エントリーの駅弁が詳しく紹介されている
「彩の国黒豚 勧進帳」

価格:1300円
販売駅:大宮駅
購入場所:大宮駅(南口改札内)ecute大宮内 駅弁屋「旨囲門」
購入日:2016年10月14日