週末駅弁

「利家御膳」

金沢駅の重箱に入った少し豪華な幕の内弁当

「利家御膳」

 北陸・金沢といえば加賀藩で、歴史にあまり詳しくない人でも、この地方の昔の偉い人といえば前田利家ということは知られています。ということで、新幹線の駅ホーム売店で購入したのが「利家御膳」。ほかにも幕の内弁当はありましたが、やはりこのパッケージとネーミングは目を引きます。

おかずの箱

 箱は2段重ねで、ちょうど「駕籠」をイメージしたようなデザインになっていて、棒の部分がお箸入れになっています。「紐」はオレンジ色のゴムひもで作られ、駕籠のような重箱を組み紐か水引きで止めたようなイメージを演出しています。

 とはいえ、紙製なので高級感というのはありませんが、シックな黒に赤で加賀前田家の家紋を描き、金沢に来たという気分に浸るには十分です。

 駅弁を選ぶときは中身をあまり気にしなかったのですが、フタを開けると「歴代藩主が城内での宴席の折、食されていた献立の文献を基本に、食材や調理法を現代風に工夫」と書かれた紙が入っていました。“利家”の名前が付いているだけではなかったようです。

利家御膳の説明

 さて、説明書きのとおり「加賀百万石のお殿様気分を満喫して……」いただきましょう。下がご飯、上がおかずという構成ですので、食べるときは縦または横にスペースが必要です。お殿様気分かどうかは別として、北陸新幹線 E7系の「普通車」のテーブルでも問題なく置ける大きさです。ちなみに箸は駕籠の棒の部分になりますが、これも箱なだけで中身は普通の割り箸でした。

箸は普通の割り箸が黒く細長い箱に入っていました

 駅弁のよいところは煮物や和え物が多く、油が多そうな揚げ物が少なめなこと。この利家御膳もそのルールに則っており、幅広い年代の人に受け入れられそうなメニューです。

 おかずの箱には、手前に金沢の郷土料理の治部煮(じぶに)、右側には鶏肉が間に詰まったはすはさみ揚げ、魚肉ボール、蒲鉾、焼鮭、卵焼きがあり、奥には昆布巻きと中華いか山菜が配置されています。全体的にはあまり特徴はないのですが、治部煮で金沢らしさを演出しています。

 ご飯の箱には2種類のご飯が入っており、お酒と一緒におかずだけ先に食べてしまっても、ご飯だけでいけそうです。説明はありませんでしたが、白ご飯がひょうたんの形、五目ご飯が梅の家紋に見えます。また、奥の餅は小さな一口サイズの大福となっています。

普通車のテーブルでも横に広げられます

 金沢駅の駅弁はあまり種類はないようですが、このほかにも「加賀の四季」「百万石弁当」「おまつ御膳」など、加賀百万石の気分を味わいながら金沢をあとにするために雰囲気のよい駅弁が揃っています。

利家御膳

価格:1050円
販売駅:金沢駅
購入場所:金沢駅 大友楼
購入日:2016年8月21日