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【インタビュー】シンガポールのホテル「マリーナベイ・サンズ」CEO ジョージ・タナシェヴィッチ氏に聞く

デビッド・ベッカム氏を起用したプロモーションを日本でも開始

シンガポールで最大規模を誇るIRホテル「マリーナベイ・サンズ」

 シンガポール共和国はマレー半島の南に位置し、東京23区と同程度となる約716km2の面積ながら経済政策に優れ、東南アジア経済を代表する国になっている。

 シンガポールへの入国は、レジャーや商用の場合であればビザは不要で、日本との路線もシンガポール航空のほか、ANA(全日本空輸)、JAL(日本航空)、デルタ航空など多くの航空会社が運航している。

 そのシンガポールで近年注目を集めるホテルが「マリーナベイ・サンズ」になる。サンズという名前から分かるように、米国のラスベガスに「ザ・ベネチアン・サンズ」や「ザ・パラッツオ・サンズ」などIR(統合型リゾート)タイプのホテルを展開するラスベガス・サンズが手がけるホテルで、マリーナベイ・サンズも2561の客室、4000席のシアター、270の店舗、ミュージアム、カジノ、コンベンションセンターが敷地内に存在するIRとなる。最上階(57階)にあるサンズ・スカイパーク、そしてインフィニティプールはホテルのアイコンともなっており、日本のCMで何度も使われたことがある場所だ。

マリーナベイ・サンズ社長兼CEO ジョージ・タナシェヴィッチ氏

 そのマリーナベイ・サンズで社長兼CEOを務めるジョージ・タナシェヴィッチ氏が来日し、グループインタビューに答えた。

 タナシェヴィッチ氏の来日は、マリーナベイ・サンズが日本で4月1日から9月30日まで展開するプロモーション“Never Settle”(ネバーセトル:とどまることを知らない)に合わせたもの。このNever Settleのブランドアンバサダーに世界的サッカー選手として活躍したデビッド・ベッカム氏を起用。日本国内のビジネス・レジャー市場開拓に向けたNever SettleキャンペーンのCMなどに登場する。

 タナシェヴィッチCEOによると、マリーナベイ・サンズに宿泊する外国人客の中で、この5年間日本人は1位を占めており、その割合は17%~22%。2015年は円安の影響などで17%と5年間の中で最も低いものとなったが、それでも1位であるのは変わりないという。

 タナシェヴィッチCEOは、「日本からのお客さまにも満足いただけるような新しいプログラムやエンターテイメントの開発、日本のお客さま向けの顧客サービスなど、多角的なサービス向上に努めています」といい、日本人スタッフは約60名在籍。和久田哲也シェフによる「ワク・ギン」、山本秀正シェフによる「Hide Yamamoto」など、日本人の味覚に合う和食レストランも完備しているとのこと。また、マリーナベイ・サンズの利用形態としては、複数泊の旅行において、1泊のみをマリーナベイ・サンズとすることが多く、「ずっとマリーナベイ・サンズに泊まってほしい」と笑いながら語ってくれた。

 2016年は日本・シンガポール外交関係樹立50周年となり、シンガポールでは日本からの観光客に向けて、また、日本はシンガポールからの訪日観光客に向けて特別な取り組み「SJ50」を行なっている。マリーナベイ・サンズも特別な予約受付Webページ「“Never Settle”キャンペーン・パッケージツアー」を用意し、さまざまな特典を付帯している。2016年4月1日~9月30日の宿泊日が対象(予約受付は2016年6月30日まで)のため、気になる人は早めにチェックしていただきたい。

 夏から秋にかけて「何か大きなコト」を計画しているといい、SJ50に合わせ、昨年落ち込んだ日本人の需要を掘り起こしていく。1月に開催されたSJ50の発表会では航空路線の増強も示唆されており、シンガポールはさらに魅力的な観光地になっていくだろう。

マリーナベイ・サンズではさまざまなイベントが開催されている。57階の最上階にあるのがサンズ・スカイパーク

(編集部:谷川 潔)