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シンガポール政府観光局と日本政府観光局、外交関係樹立50周年を記念した事業「SJ50」

人気キャラクター「ドリタン」「ハローキティ」のツーリズムロゴを公開

2016年1月28日 発表

SJ50発表会で披露された「SJ50ツーリズムロゴ」

 シンガポール政府観光局(STB)と日本政府観光局(JNTO)は1月18日、日星外交関係樹立50周年における協力覚書(MOC)の調印式をシンガポールで実施。その翌週となる1月28日に、両国の外交関係樹立50周年を記念した事業「SJ50」の発表会を都内ホテルで開催した。

 このSJ50においては、外交関係樹立50周年を記念したロゴを策定したほか、両国の観光需要を促進するSJ50ツーリズムロゴを策定。SJ50ツーリズムロゴには、シンガポールの人気キャラクターである「ドリタン」、日本の人気キャラクターである「ハローキティ」の2人が航空機に仲良く乗る姿と、シンガポールの国花であるラン、日本を象徴する桜が背景に描かれている。

 「SJ50」の発表会の冒頭、シンガポール政府観光局 副長官 リヨン・ユウキン氏と日本政府観光局 理事長 松山良一氏が挨拶。日本とシンガポールのこれまでの取り組みや人的交流に触れるともに、50周年というメモリアルイヤーになる2016年を特別な機会とし、MOCを交わすことでより強い両国関係を築いていくとした。

 両氏の挨拶後、SJ50ツーリズムロゴを披露。両氏は固く握手を交わした。

シンガポール政府観光局 副長官 リヨン・ユウキン氏
日本政府観光局 理事長 松山良一氏
2人でSJ50ツーリズムロゴをアンベール
SJ50ツーリズムロゴを披露した後、握手を交わした

 その後、日本酒「獺祭(だっさい)」の蔵本である旭酒造 取締役副社長 桜井一宏氏、シンガポールの著名ホテル「ラッフルズ・ホテル」のバーテンダー アンディ・リム氏が登壇。獺祭をベースとしたSJ50のスペシャルカクテル「SAKURA Sling」を紹介した。このSAKURA Slingには、50周年を記念して山田錦を50%まで磨いて醸した純米大吟醸「獺祭50」を使用。ラッフルズ・ホテルが発祥のシンガポール・スリングとして仕上げられている。

旭酒造株式会社 取締役副社長 桜井一宏氏
「ラッフルズ・ホテル」のバーテンダー アンディ・リム氏
SAKURA Sling

 具体的なSJ50の施策については、シンガポール政府観光局 日本支局 マネージャー 吉田明子氏と、日本政府観光局 シンガポール事務所 所長 真鍋英樹氏から紹介。すでに始まっているシンガポール航空のダブルマイルキャンペーン、楽天トラベルのポイント10倍キャンペーン、ラーメンをテーマとした日星合作映画などを紹介。この映画は2016年秋に公開されるという。

シンガポール政府観光局 日本支局 マネージャー 吉田明子氏
シンガポールへの訪問客概要
訪問客数の推移
地域別訪問客数
外交関係の歴史
近年の交流
SJ50記念ロゴ
SJ50アクティビティカレンダー
SJ50の施策

 真鍋氏は、それらに加え、日本とシンガポールの人の行き来をデータで提示。近年のインバウンド市場の進展により、2015年の訪日外国人数は1937万人に達し、訪日シンガポール人数も対前年比136%と初めて30万人を突破。シンガポールにおけるアウトバウンドシェアでも日本は3.0%に達したという。この3.0%という数字は小さいように見えるが、シンガポールの人は年に3回近く海外旅行をするという。訪日シンガポール人の特徴としてはリピーターが多いことにあり、2014年の時点で5回目以上の人が約7万人に達している。

 日本政府観光局としては、チャンギ空港に假屋崎省吾氏プロデュースの大型フラワーアレンジメントを設置するほか、シンガポールにおいてぐるなびと共同で日本食レストランフェアを開催。10月にはシンガポール市内において、日本をアピールする旅行フェアを開催する。

日本政府観光局 シンガポール事務所 所長 真鍋英樹氏。まずはSAKURA Slingで乾杯
公募によって決まったSJ50記念ロゴ
MOCについて
MOCの概要
訪日外国人数
訪日シンガポール人数
訪日シェア
訪日回数
SJ50記念事業一覧
チャンギ空港でのフラワーアレンジメント
假屋崎省吾氏も登壇して、2つ設置するフラワーアレンジメントについて解説
日本食レストランフェア
日本旅行フェア
地方への誘客キャンペーン
ファンコミュニティも開設
「ドリタン」(左)と「ハローキティ」(右)

 発表会の質疑応答において、「SJ50、MOCの取り組みを通じてどういったことを達成しようとしているのか?」という質問があり。シンガポール政府観光局 副長官 リヨン・ユウキン氏と日本政府観光局 理事長 松山良一氏がそれぞ次のように回答した。

シンガポール政府観光局 副長官 リヨン・ユウキン氏

 とくに観光に限ったものを目指しているのではなく、多面的な人と人との交流を求めているものです。それは人と人との交流であったり、文化と文化の交流であったり、そういったものの中に観光という一側面があって、交流が行なわれることを目指したい。そして、その観光の面において人と人との交流が行なわれる手段の1つとして、ホテルがあり、航空会社があり、観光地があったり、そういったものによってお互いが行き来できる手段が提供できることを期待しています。

 もちろん、日本とシンガーポール、2国間の交流だけでなく、このような観光での交流というものをUNWTO(国連世界観光機関)も人と人との行き来だけではないということを目指しています。数はもちろん大切ですが、数が先に来るのではなく、交流が深まることによって数が後からついてくるということについては自信を持っています。例を挙げると、先ほどプレゼンテーション中で採り上げられていた日本とシンガポールの合作映画も計画されています。これは、まさに象徴的なコラボレーションと言ってよいと思いますが、シンガポール人も大好きな日本の代表的な食べ物の1つであるラーメンがテーマとして作られます。こういった文化的な交流も私たちがMOCを通じて目指しているところの1つです。

日本政府観光局 理事長 松山良一氏

 リオン副長官が言われたとおりですが、さらに付け加えて申し上げますと、シンガポールと日本の間にはすでに深い交流が存在しています。それをさらに深めたいというのが狙いです。それがただ単に観光だけでなく、リオン副長官が言われた食文化や文化の交流であったりします。とくに次世代を担う学生、若い世代の人たちの双方向の理解が両国間の絆を深めるものであると信じています。


 SJ50は、2016年を通して行なわれていく施策となり、今後の予算成立次第ではさらに複数の施策を実施していくとのこと。航空路線の増強も検討されており、日本とシンガポールの交流はますます深まっていくだろう。

関係者による記念写真。写真左から、シンガポール政府観光局 日本支局長 柴田亮平氏、同 北アジア局長 マーカル・タン氏、同 副長官 リヨン・ユウキン氏、日本政府観光局 理事長 松山良一氏、同 理事 小堀守氏、同 シンガポール事務所 所長 真鍋英樹氏

(編集部:谷川 潔)