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7月18日に全通した京都縦貫自動車道 丹波IC~京丹波わちIC間の車載動画を撮ってきた
開通式典は台風11号の影響で中止に
(2015/7/21 11:42)
7月18日14時、京都縦貫自動車道の未開通区間、丹波IC(インターチェンジ)~京丹波わちIC間が開通した。
京都縦貫自動車道は京都第2外環状道路の久御山ICから綾部宮津道路の宮津天橋立ICをつなぐ全長約100kmの高規格道路。昭和56年に京都丹波道路の一部区間が起工されて以来、30年あまりを経ての全線開通となる。一般道のみでは京都~宮津間に3時間余りを要していたのに対し、全通後は約90分と半分まで短縮されることになる。
開通式当日の7月18日は台風11号の直撃により残念ながら式典は中止となってしまったが、京丹波みずほICで一般向けの通り初めが実施された。
開通区間にある唯一の新規IC「京丹波みずほ」では14時の開通を受け、一般向けの通り初めが行なわれた。関東から来たという一番乗りの男性は15日から待機していたといい、開通前に行なわれたセレモニーでは京都府道路公社から証明書と記念品が贈られていた。
記者も実際に京丹波わちIC~丹波IC間と丹波IC~京丹波PA~京丹波わちIC間をそれぞれクルマで走ってみた。そのフル走行映像が以下となる。撮影にはソニーの4K対応アクションカム「FDR-X1000V」を使用した。
京丹波町長 寺尾豊爾氏に京都縦貫自動車道の効果について聞く
京丹波町長 寺尾豊爾氏に「道の駅 京丹波 味夢の里」にて、今回の開通の効果についてお話を伺うことができた。
――今回の開通ついてご感想をお願いします
寺尾氏:京都縦貫自動車道が工事期間34年を費やしてようやく全線開通します。北部のほうからは舞鶴若狭道を経て敦賀から北陸自動車道につながる。南のほうに下ると米原につながって名神自動車道につながって帰ってこられる。そういう高速自動車道が出来上がったという認識です。これがだいたい2時間ぐらい、距離にして200kmぐらいと自動車での移動距離が広がって消費者側のアクセスが良くなったといえます。丹波は産地で出荷する側の地域になりますが、(今回の開通は)消費者と出荷側がつながった意義が大きい。モータリゼーションの世界になって久しいが、ようやく市場にアクセスできるようになった。希望をもって今日の日を迎えたといえます
――開通による効果は?
寺尾氏:開通の効果がすぐに現れるのは人の往来。京阪神と呼ばれる、京都大阪神戸あたりにお住いの方々は丹波を故郷にしている人が多く、喜んで駆けつけてくれると思う。こうした関係ある人が来てくれることにより(口コミなどで)輪が広がる。京丹波町は人口が1万5000人なのに対して入込数がものすごく多い。こういった施設を作るとたいてい当初目標より多くのお客様に来たいただける。そうしたことも踏まえて、道を中心にした街づくりをして今日まで栄えてきたという経緯があります
――「京丹波 味夢(あじむ)の里」について教えてください
寺尾氏:丹波は一般的な統計以上に道の恩恵を被って栄えてきた地域です。太平洋側から日本海側に移動する、また京都市内から山陰に向かって移動する、その時に休憩したい場所になる。そういうロケーションにあります。京都縦貫自動車道の事業でたまたまパーキングエリアが予定されていたのはいいチャンスだと思いました。商業機能を持った施設がこの100km圏内にないこともあって、ニーズに応えて町が設置したものです。今まで農業林業関係は問屋さんに頼って出荷してましたが、いよいよ直売ができそうになってきた。私も朝から見てきましたが品質の高いものが生産されるようになってきていると感じています。品質の良さが直接消費者に認められると生産意欲につながります。高齢化が進んでいるというが実を言うと高齢化で困っているのではなく、私は販路、直接消費者に届けられなかったもどかしさからみんな悶々としていらっしゃった。生産者側、町民側にはそういう面があったものの、さりとて地方公設市場が近くになかった。ちょうど京都から舞鶴への中間にある立地の良さがありつつ、そういう機能は足りていなかった。それが直接消費者に届ける機能が生まれてきた。(京丹波町は)もともと新規就農者が多く、ここで自分のところで作った農作物、林産物を加工して出す。政府が言うところの6次産業化ですが、そういうことに取り組むことで解決していけると思っています。町を流れる清流を活かしてお米も生産しているが生産量が少なく、流通に乗せることができなかった。マルシェに並べることで味を見てもらえる。味を見てもらって(マルシェを通さず)直接でもやってもらえばいいという気持ち。生産は高まると思います。
――京丹波町のオススメなどはありますか?
寺尾氏:丹波マツタケ、丹波黒豆、京都の老舗菓子店のほとんどに収めている大納言小豆、それに栗も日本一です。また、手前味噌になりますがキノコの町でもあって、三セク会社をつくって“大黒 本しめじ”“大粒丹波しめじ”を生産しています。農作物では日本一、丹波の名に恥じない主産地だとおもっています。そのほか丹波ワインや地酒、町内唯一の高校となる須知(しゅうち)高校と平安女学院大学の学生がコラボレーションして生まれた“京丹波フィナンシェ”などもあります。
――ぜひ食べて欲しいものなどはありますか?
寺尾氏:ここで生産されているものを食材として使用しているファストフードとビュッフェレストランがあります。隣が古墳で眺めも良い。私の体験からも大事だと思ったのが、来て買って帰ってもらうだけでなく、食べてもらいたいということ。そばも“瑞穂そば”としてかなり生産されている。今までは販売の強いところに出荷していたが、生産して商品化して食べてもらう流れを整えた。この風景のもとで食べてもらうのが大事だと思う。この施設でそれが実現したので希望を持っています。