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JALの現役パイロットと整備士が語る安全運航へのこだわり

 運航便あたりの事故死亡率がほかの乗り物に比べて低く、もっとも安全な乗り物といわれる飛行機。もちろん安全であることには、飛行機というハードウェアやソフトウェアシステム、それを扱う人々のスキルなど、さまざまな理由があるはずだ。運航を担うパイロット、機体のメンテナンスを担う整備士に、そうした安全運航のための取り組みを聞いた。

JAL 総務本部広報部 兼 777運航乗務部の船越篤機長(左)と、JALエンジニアリング 羽田航空機整備センター 機体点検整備部 第一機体点検整備室 室長の志戸譲氏

「パイロット1名の時代は直近では来ないのでは?」――パイロット2名体制の重要性

 パイロットの立場で安全運航への取り組みを語ってくれたのは、ボーイング777型機の操縦資格を持つ船越篤機長だ。取材時点で同氏の飛行時間は約1万7300時間。YS-11、エアバス300型機、ボーイング777型機、DHC-8-Q400型機のパイロットを経て、現在は再びボーイング777に乗務している。

 現在の大型旅客機の運航では、機長と副操縦士の2名のパイロットが乗務するが、機長は飛行機の操縦、副操縦士はパイロットの行動やモニターの監視が主業務となる。日本語では一般的に機長、副操縦士という呼ばれ方をするが、業務区分的に両名を表現した場合は、機長がパイロットフライング、副操縦士がパイロットモニタリングと呼ばれる。日本では副操縦士が経験を経て機長になるという傾向が強いが、海外ではパイロットモニタリングを専門にする人もいるという。

大型旅客機はパイロット2名での運航を前提に設計されている(画像提供:JAL)
過去には運航乗務員3名が必要な旅客機もあったが、現在のJALでは運用されていない(画像提供:JAL)

 その表現もあってサブ的な印象も強い副操縦士だが、例えば機長の動作に対して“安全に対する質問”を投げかけてアドバイスを行なうなど、人的要因(ヒューマンファクター)による事故を防ぐために重要な役割を担っている。

 また、急病などで機長が操縦できない状態に陥ったときには、副操縦士の手で飛行機を安全に着陸させる必要がある。そのため、副操縦士も技能ライセンスは取得しており、船越機長が「もしかしたら若い人の方がうまいかもしれない」と話すほど、操縦技能については同等のレベルを習得しているそうだ。また、ライン運航中の飛行機でも、経験を付与するために、機長資格者の監視のもとで副操縦士が機長(パイロットフライング)として乗務することもある。

 しかし、「お互いに自分がパイロットフライングなのか、パイロットモニタリングなのかが混乱するのが一番危険」(船越機長)であるという。こうした混乱を避け、2名の操縦士の役割を明確にするために、パイロットフライングの業務を受け渡しする場合には「You Have Control.」「I Have Control.」と発声することで、これを明確にしている。また、機長資格者が2名で乗務する場合でも、最終責任者(PIC=パイロット・イン・コマンダー)はどちらか1名が指名されているという。

 このように飛行機は2名体制で運航されるが、その理由を船越機長は「おそらく皆さんがそうだろうと思っている通りで、1名より2名の方が安全だから。1名がなんらかの理由で操縦できない状態になっても、誰も操縦できないということにならないようにするため」と説明する。

 加えて、“2名が同時に操縦できない状態”にならないための工夫もある。例えば、食事は乗っているパイロットの人数分、別々のものを、時間差をつけて食べるようにしているという。

 また、1名がトイレなどで離席する場合に残る1名は、あらかじめ酸素マスクを着用するという。これは、飛行機内の気圧が一気に低下する急減圧に備えるためだ。「高度によっても異なるが、高いところを飛んでいる時に急減圧が発生した場合の意識有効時間は15秒程度。1名しかいない状態では、その人が酸素マスクを被るのに手間取ったら、すぐに意識を失って操縦する人がいなくなってしまう。そのため、ある規定の高度以上で片方のパイロットが離席擦るときは、もう1名のパイロットは酸素マスクを着用しておくことになっている」(船越機長)のだという。その上で、一般的に正常な呼吸が可能になる1万フィート(約3000m)以下にまで降下させる。

 また、飛行機に乗ったことのある人なら、飛行前の安全の説明において、酸素マスクの使い方について説明があることをご存じだろう。この乗客用酸素マスクと、パイロット用の酸素マスクでは仕組みが異なっているいう。

 整備の志戸氏によれば、「客室の酸素ボンベは化学薬品を使って酸素を発生させるオキシジェンジェネレータを使う方式だが、パイロットは圧縮空気が入ったボンベから酸素が出るので、供給源そのものから異なる」とのことだ。もちろん乗客用の酸素ボンベも、呼吸が可能な高度に下がるために必要な時間以上に供給が可能だ。

 ちなみに、以前の大型旅客機は、機長、副操縦士に加えて、計器などを監視するエンジニアである航空機関士という3名体制で運航していた。その航空機関士の業務をコンピュータが担うようになって2名体制となったが、船越機長は「システムがもっと進化したら1名にできるかというと、遠い将来はもしかしたらあるかも知れないが、直近ではありえないと思う。パイロットが急病になった事例もある」と、万が一の事態に対応できる2名体制の重要性を語っている。

「このまま着陸してもうまくいかない」――経験が生み出すパイロット瞬時の判断

 実際の操縦の面ではどうだろうか。現在の大型旅客機はオートパイロット、すなわち自動操縦による運航が一般的だ。ただし、自動操縦では離陸は行なえず、船越機長が乗務するボーイング777型機では、離陸後、対地200フィート以上になればオートパイロットを使ってよいことになっているそうだ。船越機長は300~400フィート程度まで上昇したらオートパイロットをオンにしているという。

 逆に手動操縦については「やるとしても、おそらく1万フィート以下でしかやらないと思う」としている。これは、大型ジェット機では3万~4万フィートという上空を飛行するが、このような空気密度が低いところで手動操縦をすると、ハンドル操作のフィードバックが弱く、操作も敏感になるため、相当に気を遣うのだそうだ。

 他方、着陸については計器着陸システム(ILS)に対応した空港であればオートパイロットでも可能だという。ILSとは、滑走路へ着陸するために進入する飛行機に対し、空港側設備から水平方向、垂直方向(高度)のズレ、滑走路までの距離を航空機へ送る装置で、航空機がはズレを修正して安全に着陸できるようサポートする。オートパイロットでも、この情報に基づいて自動的に調整しながら滑走路へ着陸できるわけだ。

 しかし、ほとんどパイロットは手動操縦で着陸を行なっているという。「パイロットというのは技術職みたいなもので、着陸が一番の腕の見せ所。自分が思った通りの着陸ができたときはうれしい。以前読んだ本では、スペースシャトルも自動操縦で着陸できるそうだが、ほとんどを占める米軍出身パイロットはみんな最後は手動で降りるそうだ」と船越機長は語っており、このあたりはパイロットのやりがいにもなっているのかも知れない。

 ちなみに、よい着陸というのは、“ある程度の垂直荷重をもって接地するのがよい”とされているという。つまり、機上においては、ある程度のショックが感じられるような着陸になる。

 これは、航空機のシステムを確実にグランドモード(地上モード)へ切り替えるためだ。グランドモードへ切り替わることで、翼上のグランドスポイラー(空気抵抗を高めて減速するための可動板)や、スラストリバーサー(逆噴射装置)を利用できるようになる。グランドモードへは、着陸時に車輪軸のショックアブソーバが縮むことで自動的に切り替わるようになっているため、不作動にならないよう、ある程度のショックが発生するように着陸するのが望ましいというわけだ。

 また、着陸といえば、ゴーアラウンド(着陸復行、着陸のやり直し)を体験したことがある読者もいるかも知れない。パイロットとしては「“無理しておいてもいいことはない”、“とにかく無理をしない”というのが運航や訓練で植え付けられている。頑張って着陸して“やっぱり降りなければよかった”と後から思うより、“仕切り直して降りた方がいい”と判断する」と船越機長は語る。

 そのゴーアラウンドを行なうかどうかの判断は一瞬とのことで、船越機長は次のように経験を語る。「副操縦士時代、気流がわるい中で機長が必死で操縦していて、“このまま降りるんだろうな”と思っていたら、いきなり“ゴーアラウンド”と。その切り替えの速さに驚いた。そこがやはりキャプテン(機長)なんだと思った」。

 ちなみに、船越機長は、「ゴーアラウンドをすると、その気流のわるさを一度体験しているので、例えばスピードを足したりなど、対応してアプローチできる」と語るとともに、「実は1~2カ月前に羽田空港でゴーアラウンドをしたが、安全高度に達して、お客様へのアナウンスをして、ふっと周りを見ると夜景が綺麗だった。無理をしなくても次は降りられると思える」とも語っている。経験を次に活かすというプロの技術はもちろんだが、パイロットもやはり1人の人間であり、心の仕切り直しも安全運航には欠かせないのかも知れない。

「油圧も電気も幾重にバックアップがある」――機体が備える安全設計

 さて、機体設計や整備の観点で安全運航について語ってくれたのが、JALエンジニアリング 羽田航空機整備センター 機体点検整備部 第一機体点検整備室 室長の志戸譲氏だ。

 飛行機の安全設計のキモは、バックアップの多さだ。着陸時にノーズギア(前輪)が出ないといったトラブルが発生した場合を例にすると、「油圧でタイヤが上がり下がりするが、何かのトラブルで油圧異常が起きた場合は、タイヤを引っかけているフックを電気モーターを使って外すことで、自重で足が降りるようになっている」という。

 では、そのケースにおいて油圧と電気の両方がダウンする可能性について聞いてみると、油圧はエンジンの数+1系統のバックアップがあり、エンジンでポンプを回して加圧するが、そのエンジンに障害が発生した場合は、電気モーターや圧縮空気で回るポンプが加圧する。それが動作しなくなった場合には電気モーターの出番となる。「油圧がダメになるという可能性だけでも天文学的数字だと思う。万が一、それがダメになっても電気がある。この電気も幾重にもバックアップがあり、それらが全て使えなくなることは、まずないと思う」と志戸氏は説明する。

 また、オートパイロットなどを担うフライトコントロールコンピュータ(FCC)も3重に搭載されているという。これは、レフト、センター、ライトの3つのコンピュータが搭載され、3台が同時に稼働している。通常はセンターコンピュータからコマンド(命令)を発行しているが、レフトコンピュータの情報は機長席、ライトコンピュータの情報は副操縦士席のディスプレイに表示され、各コンピュータが誤った計算をしていないか監視する体制ができている。もちろん、センターコンピュータにトラブルが発生した場合には、ほかのコンピュータへ自動的に切り替えるようになっている。

コンピュータは、センター(C)、レフト(L)、ライト(R)の3台がクロスリンクして飛行機をコントロールする(画像提供:JAL)

 さらに、ボーイング777型機では、コックピットに6枚のディスプレイが配置されている。機長席、副操縦士席の前方に左右に並んだ2枚、両者の中央に縦に並んだ2枚が配置され、見たい情報を切り替えて表示させることができる。

 ただし、「乗務員席の外側に姿勢計やスピード、高度を表示しているが、これは非常に重要なので切り替えできない。このディスプレイが故障した場合は、自動的に内側のディスプレイに表示するようになっている」(志戸氏)。そして、通常、内側のディスプレイに表示させているナビゲーション画面を中央のディスプレイへスライドして表示させるという。

 船越機長によれば、6枚のディスプレイのうち、中央下側のディスプレイは普段は非表示にしており、必要に応じて、データリンクで会社との通信を行なっている文字データや、コミュニケーションメッセージ、ECL(Electric Check List)を表示するという運用を行なっているそうで、1枚が故障しても大きな支障をきたすことはないそうだ。

 これらは故障に備えての多重化の例だが、燃料もなんらかの事態が発生した場合に備えて多めに搭載して飛行している。なんらかの事態としてよくあるのは、悪天候により目的地に着陸できない場合だ。

 旅客機に搭載する燃料は、航空法で定められており、出発地から目的地までに必要な燃料に加えて、代替飛行場(ダイバート先の空港)までの燃料または1500フィートで30分ホールドできる燃料のどちらか多い方、天候などの条件による補正燃料(コンティンジェンシーフューエル)を搭載するなどの規定があるそうだが、JALでは法定の燃料に加えて、同社が独自に定めた燃料を追加して運航しているという。

 これにより、目的地上空で旋回(ホールド)し、なおかつダイバート先へ移動して、そこでもホールドするような事態になっても、燃料が尽きることがないようにしている。最終的な搭載燃料は、出発前に最新の天候情報などを得た上で決定されており、悪天候が予想される場合は、より多くの燃料を搭載するなどを考慮の上で量が決定されている。

 もちろん燃料は必要最小限の量に抑えた方が燃費もよく、CO2の削減にもなる。しかし、万が一に対して安全に着陸できることを重視した運用を行なっているわけだ。

 一方、利用者の目に見えるところでは、以前はいわゆるジャンボジェット(ボーイング747-400型機)のように4個のエンジンや、MD-11やDC-10、トライスター(L-1011)のように3個のエンジンが付いていたものも多かったが、現在は最新鋭機のボーイング787や主力機のボーイング777型機、同767型機のように2個のエンジンを搭載した、いわゆる双発機と呼ばれるジェット機が主流だ。このようにユニットの数が減っているのは“壊れた場合に備えて多重化する”という安全を高める考え方に逆行しているようにも見える。

 双発機が主流になったのは、エンジンそのもの信頼性が高まったことで、万が一1個が故障しても安全に飛べる距離が長くなっていることが背景にある。双発機のエンジン1個が故障した場合、60分以内に安全に着陸できる空港がなければならない、という規定があるが、エンジンの信頼性が高まったことから、現在はETOPS(Extended-range Twin-engine Operational Performance Standards)というルールが用意されている。これは、「エンジンの信頼性、会社の運航アシスト能力、乗務員の資格などを総合的に判断して、ある条件をクリアすると、60分をクリアしてもよいという規定」(志戸氏)というものだ。

 これにより、エンジンが1個故障した場合でも、120分または180分以内に安全に降りられる空港があればよくなった。JALではボーイング777型機で180分ETOPSの認定を受けているが、加えて北米路線の場合には、207分ETOPSという特例を適用することもできるという。いずれにしても、エンジンの信頼性向上によりETOPSの適用が一般的となったことで、3発機や4発機に比べて運用コストを下げられる双発機でもルートの柔軟性が高まり、主流となっていった。

 ただし、このETOPSでの運航を行なうためには、機体やエンジンそのものも対応できるだけのシステムを備える必要があるほか、運航乗務員の訓練も必要となる。さらに、ETOPS運航を行なう際には、通常の点検項目に加えて、ETOPS専用の整備項目があるという。志戸氏が「例えば、いずれかのシステムが故障してバックアップで動いているとなると、その時点でETOPSには供与できなくなる。機体の型式やエンジンの型式、路線も決めて運航している」と語るように、条件は厳しい。エンジン2個で長距離を運航する背景には、その安全性を担保するために通常以上の手間がかけられているのだ。

ETOPSの運航にはパイロットの訓練やエンジンの信頼性、会社のアシスト能力などが問われる(画像提供:JAL)

「次に帰ってくる時に交換できるようタイヤを準備しておく」――安全運航に欠かせない整備士の判断

 旅客機の出発前には、パイロットによる目視点検が行なわれるが、船越機長は「見るところはマニュアルで細かく定められている。もっとも整備士さんがきちんと見ているので、パイロットは再確認という感じ。もちろん疑問があれば整備士さんを呼んで再チェックしてもらうこともある」と話すことからも、機体に対する責任はあるものの、その状態については整備士の存在が頼りであることが分かる。

 例えばタイヤ。溝の深さが一定以下の場合は空港での駐機中にタイヤを交換することも珍しくないという。一方で、可能な限りギリギリまで使いたいという思いもあり、「羽田でチェックしたときに、目的地に行って、帰ってきたらリミットに達しそうだと判断したら、その機体が帰ってくるのに合わせてタイヤを用意して待っている」(志戸氏)と話すように、安全性確保と定時運航の両立に果たす整備士の判断が果たす役割は大きいといえる。

タイヤの溝の深さをチェックする整備士。空港での出発前にも都度実施される(画像提供:JAL)

 また、不慮の事態に対する対応も求められる。その最たる例が天候によるもので、降雪や落雷への対応だ。

 降雪が問題になるのは、翼の上に雪が積もることだ。飛行機は翼が生み出す上向きの力によって空を飛ぶが、翼に雪が積もることで、その空気の流れが変化し、設計上の上向きの力が得られなくなる場合がある。そのため、「クリーンエアクラフトコンセプト」というものが規定されており、離陸時前には、必ず雪を除去し、不凍液を翼に散布。その不凍液の有効時間内に離陸をするよう定められている。

 雪への対応については、僚誌Car Watchが青森空港での作業現場を取材しているので、ぜひ一読いただきたいが、ここにも整備士の技と判断力が見て取れる。

 飛行機への落雷時は、帯電することなく翼端などの尖ったところや、スタティックディスチャージャ(放電索)から逃げていく構造になっている。飛行機の後方に乗ったことがある人なら、主翼の後方にピンのようなものが複数本付いているのも見たことがあるかも知れないが、あれがスタティックディスチャージャだ。

 パイロットの視点で船越機長は、「前方に落ちると一瞬目の前が真っ白になるが、“あっ、落ちた”というぐらい。何かあればメッセージが出るので、計器をチェックして大丈夫か確認する」とするほか、「同じルートを飛ぶので、落雷したという報告があっても、そこを飛ばざるを得ないことがある。時には空港へ降りる飛行機がみんな受けるということもあるし、着陸時に落雷を受けて、折り返しの出発でまた受けるということもある」と、飛行機への落雷は珍しいことではなく、さほど特別視していないことが分かる。

 もちろん、落雷した飛行機は、着陸後に整備士がチェックする。落雷後の機体には焦げた跡があったり、ファイバーグラスを用いたところでは花が咲いたように裂けた箇所があるという。また、稀にスタティックディスチャージャを留めているリベットが破壊されるほどの強いエネルギーが生じることもある。志戸氏は、「“ここから入って、ここから抜けた”というのは見て分かる。修理の必要性は整備士の判断となるが、スタティックディスチャージャのリベットが破壊された場合も含め、飛行に問題がなければそのまま使う」と実情を述べる。その内容には、やはり落雷そのものというより、飛行の安全性が確保できるかどうかだけを注視している姿勢が見て取れる。


 このように、現役パイロットと整備士から、さまざまな観点で安全対策について語ってもらった。そこから見えてくるのは、定時運航や低コスト化、整備であればいち早くライン運航に復帰させたいといった目標はあるものの、それ以上に安全であることを最優先して取り組んでいる現場の様子だ。

 志戸氏は「パイロットの目視点検が終わったあと、出発直前にもう一度、整備士が機体を目視点検する。機体が到着したあとボーディングブリッジや荷物搬出入用のリフトローダー車などが飛行機に触れるので、その影響がないかを確認するため」と話す。機体そのものはもちろん、そこに携わる人の作業も幾重にもなるバックアップ体制をとって、安全性を高める努力を重ねているのだ。

編集部:多和田新也