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WILLER ALLIANCE、豊岡版DMO機構へ参画するにあたり「WILLER CORPORATION」を設立

豊岡版DMO機構には豊岡市、WILLER CORPORATIONらが参加し、2020年に年間10万人宿泊を目標

2016年2月19日 発表

豊岡版DMO機構設立を発表。写真左から、観光庁 観光地域振興部長 加藤庸之氏、兵庫県豊岡市長 中貝宗治氏、WILLER ALLIANCE株式会社 代表取締役 村瀨茂高氏、全但バス株式会社 代表取締役社長 桐山徹郎氏

 高速バスの「WILLER EXPRESS」など旅行関連事業を手がける、WILLER ALLIANCEは、地方創生に向けた地域商社「WILLER CORPORATION」を設立し、「豊岡版DMO機構」に参加することを2月19日に発表した。

観光庁 観光地域振興部長 加藤庸之氏

 本件発表会の冒頭、観光庁 観光地域振興部長 加藤庸之氏から「日本の観光は海外からの訪問がたいへん増えている状況にあります。昨年(2015年)は1974万人の訪問があり、今年は1月ですでに185万人という数字です。1月だけとっても昨年の50%増です。観光先進国に並ぶ正念場の時期にきています。観光を進めるということは、日本の課題である少子高齢化と人口減少に悩む地域経済にとっても意味があり、関係省庁とも連携をして、地域活性化のために観光を活かしてもらおうと思っています。そこでは、地域ぐるみで観光に取り組むということが課題になっています。そのためにDMOを作っていただくというのが、我々政府の考えでもあります。DMOの周知啓発を続けてきていて、各地で取り組みが出始めています。なかでも豊岡のDMOについては、民間の連携でも先進的なモデルケースになるのではと考えています。地方にいかに誘客するか、そのためにどう情報発信するか、自発、自足的に取り組みを継続するということが課題ですが、そのモデルケースになれるよう応援していきたいと考えています」との挨拶があった。

 続けて、兵庫県豊岡市長 中貝宗治氏から、豊岡市の紹介と豊岡版DMO機構発足の発表があった。豊岡市は日本海に面する兵庫県北部にあり、2005年(平成17年)に豊岡市、城崎町、竹野町、日高町、出石町、但東町が合併してできた。1300年の歴史を持ち文壇にも愛された城崎温泉は、木造3階建ての建物が軒を連ねる情緒豊かな温泉街で、浴衣に下駄という出で立ちで散策しながら温泉外湯を巡ることができるのが魅力。

 日本文化を楽しみたい外国人も惹きつけていて、城崎温泉を訪れた外国人は、2013年から2014年で1.45倍、2015年には3万1442人と対前年比で2.27倍にもなった。また、保護運動により天然記念物のコウノトリが野生復帰する豊かな自然風景も魅力の地域だ。

豊岡市長 中貝宗治氏

 中貝市長は、「地域固有のもの、ローカルなものこそが輝くチャンスを持ち始めています。これまでも人口減少下における地域経済の活性化、雇用創出策、インバウンド需要の取り組みを官民一体となって進め、一定の成果をあげてきました。この方向を確固としたものにするために、官民協働で豊岡版DMOを設立し、地域一体となって遂行します」と豊岡版DMOの発表があった。

 DMOは、Destination Management/Marketing Organizationの略で、地域資源を組み合わせた観光地のブランド作り、情報発信、プロモーション、マーケティング、戦略の策定を、地域が主体となって一体的に進めていく推進団体のことを指している。

 豊岡市の基盤産業は、飲食、宿泊業が最も多く、次が鞄製造となっている。飲食、宿泊業の、とりわけ閑散期を活性化させることで、世界中の人をおもてなしするという魅力的な雇用の場を作り、地方創生につなげていくとしている。外国人観光客の獲得にフォーカスし、2020年に年間10万人の宿泊を目標とする。DMOの組織形態は一般社団法人とし、事務所は当面は市役所内に置く。基金拠出は、豊岡市のほか、WILLER CORPORATION、全但バス、但馬銀行、但馬信用金庫が行なう。代表者は市長で副代表者は副市長だが、現在準備中の経営専門人材が大手商社より参加する予定。

城崎温泉の風景。浴衣で散策しながら温泉を巡ることができる
全但バス株式会社 代表取締役社長 桐山徹郎氏
城崎温泉ツーリストインフォメーションセンター「SOZORO」

 そして、豊岡版DMO機構に参画する地元のバス会社、全但バス代表取締役社長 桐山徹郎氏は、「全但バスは但馬地域をエリアとする地域密着型のバス会社です。典型的な過疎地域で、しかも少子高齢化で人口減少が続いています。たいへん厳しい状況になっています。豊岡版DMOは今後大きなメリットになると判断して、参加させていただくことにしました。2015年3月、城崎温泉駅前に城崎温泉ツーリストインフォメーションセンター『SOZORO(そぞろ)』をオープンしました。色浴衣を着て下駄の音を鳴らしながら、そぞろ歩くことをイメージしたネーミングです。バスターミナルという機能だけでなく、外国人が来ても対応できる観光案内機能、ツアー販売など旅行センター機能も持たせ、城崎温泉のすべてが分かる情報センターになっています。但馬地域は、春は桜やコブシの花が咲き競い、夏は日本海の海が楽しめ、秋は紅葉が渓谷を彩り、冬は銀世界が見られる、自然豊かな観光地です。但馬を満喫できる快適な旅を提供していきます。全但バスは大正6年(1917年)に創業し、2017年には創立100周年を迎えます。豊岡版DMOに関わるにあたって、但馬地域内のバス交通の整備や強化をしていくのはもちろん、精一杯取り組んでいきます」とコメントした。

WILLER ALLIANCE株式会社 代表取締役 村瀨茂高氏

 最後に、WILLER ALLIANCE 代表取締役 村瀨茂高氏より、WILLER CORPORATIONの設立と豊岡版DMO機構への参画についての説明があった。

 WILLERグループは、運輸事業として、全国20路線を持つ高速バス「WILLER EXPRESS JAPAN」と、京都丹後鉄道の電車運行を行なう「WILLER TRAINS」、ITマーケティング事業として、会員数320万人の予約サイト「WILLER TRAVEL」を擁する。

 新たに設立されるWILLER CORPORATIONは、地方創生に向けた地域商社。WILLER CORPORATIONの代表取締役には、WILLER ALLIANCEと同じ村瀨茂高氏が就任。「地域資産の商品化と販売」「地域産品の海外輸出の仕組み作りと販売支援」「販売データに基づくマーケティング&コンサルティング」「人の移動に基づくマーケティング」を主な事業内容としている。豊岡市から新たな取り組みを開始し、さまざまな地域にも広げていく。

 このなかで村瀬氏は「WILLERが考える地方創生は、世界とつながり継続的に街を元気にすることです。そういったなかで、もちろん経済も生まれてきますし、同時にそこで働く人たちも元気になることを目指していきたいと考えています。地方創生の3本の柱は、商売が継続的に生まれ世界とつながる活発な経済活動、安定した利便性の高い交通インフラが街にあること、人やコミュニティの積極的な交流です。20~30年後にどういった街になるかをイメージしながら、しっかりと取り組んでいきたい。これらを実現するために、WILLER ALLIANCEが100%出資して、地域商社WILLER CORPORATIONを3月に設立します。DMOにしっかり関わることを考え、本社は豊岡市に作ります。WILLERグループが持つあらゆるノウハウを集結させて、日本だけでなく世界マーケットをとらえ地方創生を実現していきたいと思っています」と意気込みを語った。

WILLER CORPORATIONの主な事業内容
豊岡版DMO機構とWILLER CORPORATIONの関わり

(村上俊一)