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京奈和自動車道 紀の川IC~岩出根来IC間が開通(走行動画あり)
第二阪和国道 大谷ランプ~平井ランプ間、市道中平井線も同日に
(2015/9/14 12:09)
- 2015年9月12日14時 開通
国土交通省 近畿地方整備局は9月12日、京奈和自動車道 紀の川IC(インターチェンジ)~岩出根来IC間、延長5.7kmを14時に開通した。料金は無料。
京奈和自動車道は文字通り「京」都、「奈」良、「和」歌山を結ぶ、総延長約120㎞の自動車専用道路。和歌山県内では3区間に分かれており、橋本道路(11.3km)、紀北東道路(16.9km)はすでに開通済み。残るは紀北西道路 紀の川IC~仮称 和歌山JCT(ジャンクション)の12.2kmのみとなっていたが、今回の開通により未開通区間は6.5kmとなった。こちらは2016年度の開通が予定されている。
京奈和道路の開通に伴う効果は、産業振興面では橋本道路の開通以降、新規企業立地件数が累計99件と増加したことに伴い新規求人倍率もアップ。観光面においても沿線に点在する「JA紀の里」直売所では訪問客数が7万人あまり増加したほか、和歌山市および高野山のある高野町では観光客数が約10%増加するなど、部分開通にもかかわらず効果が現れている。また、平行する国道24号の交通混雑が緩和されたことに伴い、死傷事故件数は6割以上も減少するなど、交通安全面での寄与も大きい。
岩出根来ICで行われた開通式には国土交通省 近畿地方整備局長 山田邦博氏をはじめ、国土交通省道路局 国道事業調査官 伊藤高氏、和歌山県知事 仁坂吉伸氏、岩出市長 中芝正幸氏、紀の川市長 中村愼司氏が主催者として出席。来賓として衆議院議員 二階敏博氏、衆議院議員 石田真敏氏、参議院議員 世耕弘成氏、参議院議員 鶴保庸介氏、衆議院議員 岸本周平氏、衆議院議員 門博文氏、紀の川市議会 議長 高田英亮氏、衆議院議員 浮島とも子氏代理 秘書 木野十三氏が列席した。
主催者として登壇した国土交通省 近畿地方整備局長 山田邦博氏は「京奈和自動車道は京都市から奈良市を経由して和歌山市へ至ります、延長約120kmの規格幹線道路であります」と前置き。今回の開通により拠点都市の連携強化をはじめ、国道24号の代替機能の確保に代表される和歌山県内の交通促進、産業の活性化、観光の振興に大きく貢献するとした。同時に「26日から始まる“紀の国わかやま国体”開催期間中の交通集中を緩和して大会の円滑な運営に寄するものと確信している」と述べた。また、「国土交通省としては平成28年度(2016年度)中に京奈和自動車道と阪和自動車道を直結させ、当地一帯の経済成長に寄与する必要な道路整備を推進していく」とした。
和歌山県知事 仁坂吉伸氏は京奈和道路は関西外環を形成する大変重要な道路であるとし、政権交代により紆余曲折があったものの、2016年度には当初の構想通りの道路が末端を除けば完全に完成すると説明。ただし、完成までの1年間は当初想定していなかった岩出根来ICで全車が降りることになるため、交通集中により混雑する可能性があるが、周辺道路の整備や交差点などの改良で対処したいと述べた。
来賓からの祝辞の後、テープカットおよびくす玉開披、関係者による通り初めを実施。14時に開通した。
第二阪和国道 大谷ランプ~平井ランプ間、市道中平井線
国土交通省 近畿地方整備局は9月12日、第二阪和国道 大谷ランプ~平井ランプ間(延長1.8km)を、また、南海本線和歌山大学駅や大型ショッピングセンターのあるふじと台地区と平井ランプを繋ぐ市道中平井線(延長1.6km)を16時に開通した。
第二阪和国道は国道26号線の渋滞解消などを主な目的とした、大阪と和歌山を結ぶ約53kmの幹線道路。堺市翁橋町から阪南市自然田間の約33kmは1983年までに開通済みで、その後、交通量の増加に伴い阪南市自然田~和歌山市元寺町間20.6km、本線4車線での事業化が進行中となっている。2003年から2011年にかけて大阪府内の阪南市自然田~淡輪ランプ間(9km)が、2車線での暫定供用ではあるものの開通している。
今回開通したのは和歌山県側の大谷ランプ~平井ランプ間で、2003年に開通した和歌山市元寺町~大谷ランプ(和歌山北バイパス)から続く部分。延長距離は1.8kmと短いものの、2011年に開通した箱の浦ランプ~淡輪ランプ間では国道26号線の渋滞が解消されていることから、「和歌山大学入口」「梅原」「延時」「御膳松」といった慢性的な渋滞が起きている交差点の混雑緩和が期待されている。また、大規模分譲住宅地であるふじと台地区の定住促進など地域活性化にも期待がもたれている。
残る淡輪ランプ~平井ランプ間は2016年度中の開通を目指して工事が進められている。