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京奈和自動車道 紀の川IC~岩出根来IC間が開通(走行動画あり)

第二阪和国道 大谷ランプ~平井ランプ間、市道中平井線も同日に

2015年9月12日14時 開通

京奈和自動車道 紀の川IC~岩出根来IC間が9月12日14時に開通した

 国土交通省 近畿地方整備局は9月12日、京奈和自動車道 紀の川IC(インターチェンジ)~岩出根来IC間、延長5.7kmを14時に開通した。料金は無料。

 京奈和自動車道は文字通り「京」都、「奈」良、「和」歌山を結ぶ、総延長約120㎞の自動車専用道路。和歌山県内では3区間に分かれており、橋本道路(11.3km)、紀北東道路(16.9km)はすでに開通済み。残るは紀北西道路 紀の川IC~仮称 和歌山JCT(ジャンクション)の12.2kmのみとなっていたが、今回の開通により未開通区間は6.5kmとなった。こちらは2016年度の開通が予定されている。

9月12日の開通区間(京奈和道 紀の川IC~岩出根来IC)

 京奈和道路の開通に伴う効果は、産業振興面では橋本道路の開通以降、新規企業立地件数が累計99件と増加したことに伴い新規求人倍率もアップ。観光面においても沿線に点在する「JA紀の里」直売所では訪問客数が7万人あまり増加したほか、和歌山市および高野山のある高野町では観光客数が約10%増加するなど、部分開通にもかかわらず効果が現れている。また、平行する国道24号の交通混雑が緩和されたことに伴い、死傷事故件数は6割以上も減少するなど、交通安全面での寄与も大きい。

開通式が行われた岩出根来IC。画面奥が和歌山側になる
残る区間は2016年度中の開通を目指して工事が進む。写真奥に見える安上岩出トンネルは掘削を終え内部工事が進められている
式典開始前の開場。奥が紀の川IC方面

 岩出根来ICで行われた開通式には国土交通省 近畿地方整備局長 山田邦博氏をはじめ、国土交通省道路局 国道事業調査官 伊藤高氏、和歌山県知事 仁坂吉伸氏、岩出市長 中芝正幸氏、紀の川市長 中村愼司氏が主催者として出席。来賓として衆議院議員 二階敏博氏、衆議院議員 石田真敏氏、参議院議員 世耕弘成氏、参議院議員 鶴保庸介氏、衆議院議員 岸本周平氏、衆議院議員 門博文氏、紀の川市議会 議長 高田英亮氏、衆議院議員 浮島とも子氏代理 秘書 木野十三氏が列席した。

国土交通省 近畿地方整備局長 山田邦博氏

 主催者として登壇した国土交通省 近畿地方整備局長 山田邦博氏は「京奈和自動車道は京都市から奈良市を経由して和歌山市へ至ります、延長約120kmの規格幹線道路であります」と前置き。今回の開通により拠点都市の連携強化をはじめ、国道24号の代替機能の確保に代表される和歌山県内の交通促進、産業の活性化、観光の振興に大きく貢献するとした。同時に「26日から始まる“紀の国わかやま国体”開催期間中の交通集中を緩和して大会の円滑な運営に寄するものと確信している」と述べた。また、「国土交通省としては平成28年度(2016年度)中に京奈和自動車道と阪和自動車道を直結させ、当地一帯の経済成長に寄与する必要な道路整備を推進していく」とした。

和歌山県知事 仁坂吉伸氏

 和歌山県知事 仁坂吉伸氏は京奈和道路は関西外環を形成する大変重要な道路であるとし、政権交代により紆余曲折があったものの、2016年度には当初の構想通りの道路が末端を除けば完全に完成すると説明。ただし、完成までの1年間は当初想定していなかった岩出根来ICで全車が降りることになるため、交通集中により混雑する可能性があるが、周辺道路の整備や交差点などの改良で対処したいと述べた。

衆議院議員 二階敏博氏「これから一層発展できますように努力を重ねていかなければならない」
衆議院議員 石田真敏氏「大きな効果が見込まれるが地元の我々がどういう取り組みをしていくかが大事」
参議院議員 世耕弘成氏「根来寺が観光の出発点となって高野山まで繋がっていく観光周遊ルートが完成した」
参議院議員 鶴保庸介氏「一刻も早く和歌山県一周道路の残り区間を」
衆議院議員 岸本周平氏「第2阪和道路につなげることを党派を超えて頑張っていく」
衆議院議員 門博文氏「開通後は自分たちの努力でどこまでできるか真価が問われる」

 来賓からの祝辞の後、テープカットおよびくす玉開披、関係者による通り初めを実施。14時に開通した。

万歳三唱で式典が終了
式典では岩出中学校および岩出第二中学校吹奏楽部による演奏が行われた
関係者によるテープカットおよびくす玉開披
テープカットでは根来保育所の児童が風船をリリースして華を添えた
ゆるキャラが見守る中、パトカーを先頭に通り初めが始まる
トラックや消防車、救急車などが続く
国土交通省パトロールカーの後ろに来賓のクルマが続く
紀の川IC方面に向かう通り初めの車列
来場者を迎えるゆるキャラ達
岩出根来IC近くの道の駅「根来さくらの里」は地元農産物をPR
これからは柿が美味しい季節ということもあり「柿でハロウィン」をアピール。専用サイトでは柿などが当るキャンペーンを実施中
岩出特産の「ねごろ大唐」
農産物の直売所がメインとなる道の駅「根来さくらの里」
炭酸好きにオススメなのがJAわかやまの「生姜丸しぼりジンジャエール(180円)」。和歌山産の新生姜を使うことで辛さ控えめ&さわやかな風味と喉ごしが楽しめる
こちらはさんま寿司。めはり寿司や柿の葉寿司など種類が豊富で製造者の異なる商品も並べられている。味比べも楽しそうだ
京奈和自動車道 岩出根来IC~紀の川IC間の走行動画

第二阪和国道 大谷ランプ~平井ランプ間、市道中平井線

 国土交通省 近畿地方整備局は9月12日、第二阪和国道 大谷ランプ~平井ランプ間(延長1.8km)を、また、南海本線和歌山大学駅や大型ショッピングセンターのあるふじと台地区と平井ランプを繋ぐ市道中平井線(延長1.6km)を16時に開通した。

警察車両を先頭にした通り初め

 第二阪和国道は国道26号線の渋滞解消などを主な目的とした、大阪と和歌山を結ぶ約53kmの幹線道路。堺市翁橋町から阪南市自然田間の約33kmは1983年までに開通済みで、その後、交通量の増加に伴い阪南市自然田~和歌山市元寺町間20.6km、本線4車線での事業化が進行中となっている。2003年から2011年にかけて大阪府内の阪南市自然田~淡輪ランプ間(9km)が、2車線での暫定供用ではあるものの開通している。

 今回開通したのは和歌山県側の大谷ランプ~平井ランプ間で、2003年に開通した和歌山市元寺町~大谷ランプ(和歌山北バイパス)から続く部分。延長距離は1.8kmと短いものの、2011年に開通した箱の浦ランプ~淡輪ランプ間では国道26号線の渋滞が解消されていることから、「和歌山大学入口」「梅原」「延時」「御膳松」といった慢性的な渋滞が起きている交差点の混雑緩和が期待されている。また、大規模分譲住宅地であるふじと台地区の定住促進など地域活性化にも期待がもたれている。

 残る淡輪ランプ~平井ランプ間は2016年度中の開通を目指して工事が進められている。

開通式典が行われたふじと台地区の交差点
記念式典には和歌山県知事 仁坂吉伸氏、和歌山市長 尾花正啓氏、国土交通省 近畿地方整備局長 山田邦博氏、衆議院議員 二階敏博氏らが出席
京奈和道路の開通式と同じく万歳三唱で式典が終了
主催者および来賓による餅まきが実施された
子供達には紀の国わかやま国体のマスコット、紀州犬をモチーフにした「きいちゃん」がプリントされた紀州銘菓「和歌浦せんべい」が配られた
和歌山市ごみ減量推進キャラクター「リリクル」も登場
関係者によるテープカット
同時にくす玉開披も実施
紀州雑賀鉄砲衆による火縄銃の実演
警察車両を先頭にした通り初め
ふじとトンネルを抜けると平井ランプがある
式典後にはフリーウォークを実施
夏を思わせる汗ばむ陽気の中、多くの市民が参加
思い思いにフリーウォークを楽しんでいた
フリーウォークを見守るリリクル

(安田 剛)