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香川県、ミラノ万博で讃岐うどんのうどん打ち実演や試食などのPRイベントを実施

県産食材や伝統工芸品などをアピール

2015年8月29日(現地時間)実施

ミラノ国際博覧会の日本館

 香川県は、イタリア・ミラノで開催中の「2015年ミラノ国際博覧会」の日本館イベント広場において、8月29日~9月1日(現地時間)の4日間の日程で「『うどん県。それだけじゃない香川県』の魅力 ~ Buono! UDON festa」と題し、香川県の魅力を紹介するイベントを実施した。

 日本館イベント広場では、日本の47都道府県が持ちまわりでイベントを実施しており、今回の香川県のイベントもその1つだ。イベントでは、讃岐うどんの職人による讃岐うどん打ちの実演や讃岐うどんの試食、香川県の盆栽職人による盆栽のせん定技術の実演、香川県とイタリアの共通項などをベースとしたクイズイベントなどを実施。また、イベント広場には香川県の伝統工芸品や、特徴的な県産食材なども展示された。そして、初日となる8月29日には、会場オープン直後にオープニングセレモニーが行なわれた。

日本館は人気を集めており、開場直後から長い列ができていた
イベント開催中の日本館イベント広場の様子。日本館はパビリオンでもトップクラスの人気を集めており、イベント広場でのイベントも常に大盛況とのこと
香川県は、日本館イベント広場で「『うどん県。それだけじゃない香川県』の魅力 ~Buono! UDON festa」と題したイベントを実施
香川県のイベント初日となる8月29日に行なわれた、香川県知事の浜田恵造氏などが参加したオープニングセレモニー
オープニングセレモニーで挨拶を行なう、香川県知事の浜田恵造氏

 オープニングセレモニーの冒頭、香川県知事の浜田恵造氏が登壇し、香川県の概要や、さまざま々な食の特産品などを紹介しつつ、イベント開催の挨拶を行なった。

 「香川県は、日本の四国にある、日本でいちばん面積の小さな県ですが、多島美を誇る瀬戸内海、緑豊かな山並みなど、自然に恵まれ温暖な気候のもと、季節ごとにさまざまな美しいものを味わえる、日本でいちばん素晴らしい県です。そして、イタリアではパスタがソウルフードであるように、香川県では同じ麺類の讃岐うどんがソウルフードであり、小麦の食文化であること、オリーブが特産であることなど、イタリアと香川県がよく似た関係にあるのではないかと思います。

 讃岐うどんのほか、オリーブの絞りかすを与えて育てた高品質の脂や柔らかい肉質が特徴の“オリーブ牛”、糖度の高いフルーツ、すばらしい水と米で作った酒、伝統的技法で作られたまろやかな甘さの“和三盆糖”や、最新の技術で自然界から生成したゼロカロリーの“希少糖”など、特徴のある高品質なおいしい食べ物がたくさんあります。香川県の食は、必ずやイタリアをはじめ世界中の皆様にも喜んでいただけるものと確信しております。この会場には、旬のおいしいものをたくさんお持ちしておりますので、香川県のおいしいものを見て、食べて、体感して楽しんでください」

香川県の見る魅力を紹介する、香川県議会議長の辻村修氏

 続いて、香川県議会議長の辻村修氏が登壇し、香川県の自然や史跡、現代アートといった、香川県の“見る”魅力を、次のように紹介した。

 「香川県には、地中海のような瀬戸内海をはじめとした美しい自然や、“ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン”で最高評価の3つ星に選ばれた“栗林公園”、海の守り神として信仰を集める“金刀比羅宮”、世界から注目を集めている直島の“地中美術館”をはじめとする現代アートの美術館があり、魅力にあふれています。

 また、香川県のある四国には、1200年の歴史を刻んできた“善通寺”をはじめとする88カ所のお寺を巡る、1400kmに及ぶ遍路の文化があります。そして、巡礼する人に食べ物や飲み物をサービスする“お接待”の心遣いが息づいています。会場ではさまざまな試食でおもてなしをしていますので、ぜひお立ち寄りください。

 来年(2016年)3月からは、瀬戸内海の島々などを会場に、現代アートの祭典“瀬戸内国際芸術祭2016”が開催されます。世界中からお招きしたアーティストの作品が展示されるほか、新たに食にまつわるプロジェクトを進め、地域の食材や食文化に根ざした味わうアートも提供する予定ですので、ぜひご来県いただき、本県の魅力を十分にご堪能いただければ幸いです」

香川県の伝統工芸品を紹介する、高松市長の大西秀人氏

 次に、高松市長の大西秀人氏が登壇し、香川県が誇るさまざまな伝統工芸品を紹介した。

 「香川県には、世界に誇れる“香川漆器”や、“丸亀うちわ”“手袋”“庵治石”、そして世界的に人気の高い“盆栽”など、職人の技が光る沢山の工芸品があり、その技は先人たちの努力の賜物として蓄積されています。例えば、私たちのソウルフード“うどん”にはうどん打ちの技、観光にはその土地の資源を守り楽しさを伝える技があるように、伝統工芸品の香川漆器には日本でも珍しい“3つの彫りと2つの塗り”という技が、庵治石製品には石の価値をさらに高める研磨や細かな技巧の技があります。そして、高松市が主な生産地である“生きる芸術”盆栽には、植物として育てる技や造形する技があり、その卓越した技によって、できたもの、空間すべてが多くの人たちを魅了しております。本日から4日間、香川県の魅力がたくさん詰まった展示やステージイベントをご堪能頂き、香川県の技と心を体感していただきたいと思います」

 このほかに、香川県と交流協定を締結したイタリア・パルマ市長のフェデリコ・ピザロッティ氏や、香川県高松市出身で、イタリアでKAGAWAアンバサダーを務めている、フィレンツェ国立歌劇場団員の声楽家、山田吟子さんなど、香川県にゆかりのある現地イタリア在住の方々によるイベント開催の祝辞も寄せられた。

 その後、会場に集まった来場者に、香川県産牛肉“オリーブ牛”を使ったうどん「オリーブ牛肉うどん」の試食が配られ、浜田香川県知事の「うどんでボナペティート!」という掛け声により、うどんで“乾杯”を行ない、セレモニーは終了となった。

イベント開催の祝辞を行なう、イタリア・パルマ市長。前日の8月28日に香川県と交流協定を締結した縁で参加
イタリア在住で、香川県の魅力を伝える“KAGAWAアンバサダー”で、フィレンツェ国立歌劇場団員の声楽家、山田吟子さん
オープニングセレモニー後、浜田県知事をはじめとした関係者一行は日本館を視察した
“ツルきゃら”の「うどん脳」もセレモニーに参加
うどん脳との記念撮影も行なえ、イタリアの子供達にも人気となっていた
セレモニー終盤、「オリーブ牛肉うどん」の試食が来場者に配られた
浜田県知事の「うどんでボナペティート!」という掛け声で、うどんで乾杯
讃岐うどんは、パスタ好きのイタリア人の口にも合うようだった

 ミラノ国際博覧会の日本館は、パビリオンの中でもトップクラスの人気を集めており、連日非常に大勢の来場者が詰めかけているという(実際に、取材した8月29日は会場オープン直後から4時間待ちの行列となっていた)。

 そういったこともあり、日本館イベント広場での香川県のイベントにも来場者が大勢詰めかけ、各イベントもかなりの盛り上がりを見せていた。今回の香川県以外のイベントも、同様に常に盛況とのことで、日本各地の食文化を中心とした魅力を世界に伝える、貴重な機会になっているようだ。

 ミラノ国際博覧会は、10月31日まで開催されているので、会期内にミラノを訪れる機会があるならぜひとも足を運んでみてもらいたい。

イベント広場に展示された香川県の伝統工芸品や県産食材
盆栽
庵治石を使った工芸品
香川漆器
手袋
丸亀うちわ
うどん脳の高松張子
オリーブ牛やオリーブはまち、オリーブオイル、県産フルーツ
香川県の地酒、和三盆糖、希少糖など
イベント広場で開催されたイベントの様子
香川県の盆栽職人による、盆栽育成の技を実演で紹介する「Bonsai LIVEショー」
来場者をステージに上げ、盆栽せん定の技などを伝えた
讃岐うどんの職人による、讃岐うどん打ち実演「Buono! UDON LIVEショー」
うどん打ちの工程を詳しく説明しながら実演
試食の讃岐うどんも配られた
讃岐うどんは、来場者からの評判も非常に高かった
お遍路さんの顔はめパネルも人気を集めていた

(平澤寿康)