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ユナイテッド航空、快適な睡眠にこだわった新ビジネスクラス「ユナイテッド・ポラリス」を公開
180度のフラットベッドシート、成田産野菜を使った機内食、3種類ずつ楽しめるワイン
2017年6月16日 19:36
- 2017年6月15日 導入
ユナイテッド航空は、成田国際空港~サンフランシスコ国際空港線において6月15日からボーイング 777-300ER型機を導入した。
ボーイング 777-300ER型機の導入は日本における同社運航便では初となり、座席数はビジネスクラスの「ユナイテッド・ポラリス」が60席、足下の広い「エコノミープラス」が102席、エコノミークラスの「ユナイテッド・エコノミー」が204席の合計366席となる。
ユナイテッド航空は同日、東京・渋谷ヒカリエで発表会を開き、ビジネスクラス「ユナイテッド・ポラリス」のサービス内容について説明を行なった。
ボーイング 777-300ER型機を導入した
ユナイテッド航空の成田国際空港~サンフランシスコ国際空港線
UA838便:成田(16時55分)発~サンフランシスコ(10時40分)着
UA837便:サンフランシスコ(11時45分)発~成田(翌14時35分)着
※いずれもデイリー運航
747型機の退役は悲しいが、「ユナイテッド・ポラリス」を紹介できることがとても喜ばしい
発表会の冒頭、ユナイテッド航空 アジア太平洋・大西洋地区 営業担当副社長のマセル・フークス氏が登壇し、出席者への感謝を述べたあと、前日6月14日のフライトで成田~サンフランシスコ線から退役したボーイング 747型機について触れ、「私も昨日成田からサンフランシスコへ飛び立つ様子を見ていたのですが、胸に迫るものがありました。747型機は空の女王であり、お別れするのは悲しいものでした。しかしそれに代わる、より素晴らしいサービスを今日はご紹介させていただきます」と挨拶。
現在同社の成田~サンフランシスコ線は常に90%以上の搭乗率で推移しており、そこに新しいビジネスクラス「ユナイテッド・ポラリス」を備えたボーイング 777-300ER型機を導入し、こうして紹介できることはとても喜ばしいと話した。
「ユナイテッド・ポラリス」の体験は「Lounge:出発」から「Landing:到着」まで
続いてユナイテッド航空 アジア・太平洋地区 広報統括本部長の永田浩二氏からビジネスクラス「ユナイテッド・ポラリス」についてのプレゼンテーションが行なわれた。
「ユナイテッド・ポラリス」は、新コンセプトの長距離国際線向けビジネスクラス・サービス。2016年6月にコンセプトが発表され、12月1日から導入開始。そして6月15日に日本発着路線へも導入された。
「昔から旅人を導いてきた『北極星』を意味する『ポラリス』を冠し、真の快適さと心地よい睡眠環境を提供する輝かしいビジネスクラスの新星」であると、命名の意図を説明。開発にあたっては、1万2000時間以上の調査、地上と機内でのシミュレーションが行なわれており、「ユナイテッド・ポラリス」はシートはもちろん「『Lounge:出発』から『Landing:到着』までの一貫した旅行体験の総称」であるという。
「ユナイテッド・ポラリス」専用ラウンジは2018年までに9カ所の空港で開設
「ユナイテッド・ポラリス」の体験が始まる「Lounge:出発」は、米国の航空会社としては初めて乗客の利用クラスを限定したラウンジとなり、特注のイスや、「スリーピングポッド」と呼ばれる半個室タイプのデイベッド、シャワー設備などを備えている。
プレミアムなスパークリングワインや各種ドリンク類、温製・冷製の多彩なアラカルトメニューを用意するほか、希望すればフルコースの食事をラウンジでとることも可能となっている。
新ラウンジは2016年12月1日にシカゴ・オヘア国際空港に開設され、2018年までにロサンゼルス国際空港、サンフランシスコ国際空港、ジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル空港(ヒューストン)、ニューアーク・リバティー国際空港(ニューヨーク)、ロンドン・ヒースロー空港、ワシントン・ダレス国際空港、成田国際空港、香港国際空港で順次オープン予定とのこと。「ユナイテッド・ポラリス」の乗客のほか、スターアライアンス加盟航空会社の国際線ファーストクラス、ビジネスクラスの乗客も利用できる。
快適な眠りを実現するフラットベッドシート
「ユナイテッド・ポラリス」の最大のこだわりは「睡眠」。Acumen Design AssociatesとPriestmanGoodeが共同デザイン、Zodiac Seats UKが製造したシートは180度フルフラットになり、198cmのベッドスペースを実現。後述する寝具類と合わせて、快適な睡眠を提供する。座席幅は58.4cm。すべての座席から通路に出られる「オールアイルアクセス」となっている。
シートは1-2-1のレイアウトで、中央2席の間には電動式のプライバシーディバイダーが設けられており、ボタン操作で上下できる。このパーティションの運用ルールは、多くの航空会社の場合離着陸時は開けられていて、シートベルトサイン消灯時は開けても閉じても自由というものに対し、「ユナイテッド・ポラリス」はその逆で、閉じた(仕切られた)状態が基本。中央2席が他人同士の場合の“ちょっとした気まずさ”を味わわなくていい配慮だ。
モニターは16インチでオンデマンド型のエンタテイメントシステムを搭載。モニターの下には小物入れがあり、その下にテーブルが収納されている。テーブルは折り畳み式で、引き出して開くとかなりの広さ。13インチのノートPCを置いてもまだまだ余裕があった。
また、テーブルにはタブレットスタンドがあり、タブレットを立てかけられるようになっている。モニターの下には給電用のUSBポートが1基あるので、タブレットを立てかけて動画を楽しみながら充電もできる。ちなみにシートサイドにも広めのテーブルがあるので、食事の時間にはノートPCをこのサイドテーブルに避難させられる。
シートサイドには機内エンタテイメントシステムのコントローラやイヤフォンジャックのほかにユニバーサルAC電源と、給電用のUSBポートがここにも1基用意されている。シートの角度の調整や照明のスイッチなどは1カ所に集約されており、そこに「月」のマークのスイッチがある。このスイッチをオンにすると、通路側に「Do not disturb」と表示されるのはおもしろい仕掛けだ。睡眠へのこだわりがここにも表われている。
この「ユナイテッド・ポラリス」のシートは今後、ボーイング 787-10型機、エアバス A350-1000型機、ボーイング 767-300型機、777-200型機へと、順次導入されていく予定だ。
成田近郊で収獲された野菜を機内食に使用
機内食は有名シェフと共同開発した、各路線の地域色と季節感にあふれるものを提供するという。成田~サンフランシスコ線では「ファーム・トゥ・テーブル」ならぬ「ファーム・トゥ・エア」と題し、北総ベジタブルファームと提携。成田近郊の農家で収獲された新鮮な野菜をメニューに使用している。
さらに注文すればシグニチャーデザートの特製アイスクリームサンデーや、さまざまなプチデザートを楽しめるデザートカートを用意。また、8時間を超える昼間のフライト、12時間を超えるすべてのフライトでは、和風チキンカレーやグリルチーズサンドイッチ、スナック類などを提供している。
ドリンク類で特徴的なのが、3種のワインを試飲できる特製のグラスセット。「ユナイテッド・ポラリス」ではマスターソムリエが選定した赤ワイン3種、白ワイン3種を用意しているが、まず3つのグラスで3種類を試飲。それから気に入ったものを選んで楽しめるようになっている。
寝具やアメニティは、米国の高級デパートや英国の自然派ブランドと共同開発
「ユナイテッド・ポラリス」では 米国の高級デパート「サックス・フィフス・アベニュー」の協力で開発した羽毛布団やブランケットなどの寝具類、英国の自然派ブランド「ソーホーハウス & Co.」のスパサロン向け「カウシェット」製品によるアメニティキットを用意している。
枕は2種類あり、ジェル入りの冷涼感のある低反発枕もリクエスト可能。12時間を超えるフライトでは「ユナイテッド・ポラリス」オリジナルの100%コットンのパジャマも利用できる。180度のシートの上にマットレスを敷けば段差はなくなり、これらの寝具類で快適に眠ることができる。