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藤和那須リゾート、那須の森に日本最大級の空中アスレチック「NOZARU(ノザル)」オープン

100m超えのジップラインや高さ10mの樹上アスレチックが全8コース

2017年4月29日 オープン

「那須の森の空中アスレチック NOZARU」

 藤和那須リゾートは4月27日、運営する遊園地「那須ハイランドパーク」や宿泊施設「TOWAピュアコテージ」に併設して、那須の森と地形を生かした自然共生型の新アドベンチャーパーク「那須の森の空中アスレチック NOZARU(ノザル)」をオープンした。4月27日のオープンに先駆け、4月23日には報道陣や関係者などに向けた体験会が開催された。

 NOZARUは、那須ハイランドパークのオフィシャルホテルである「TOWAピュアコテージ」敷地内の約2万5000m2の森林と傾斜地を利用して設置された。大人用5コース、子供用3コースの全8コースがあり、66エレメント(アイテム)という日本最大級の樹上アスレチックとなっている。

 樹木の間に張られたワイヤーロープなどに設置されたアクティビティを、安全器具を操作してクリアしていく。地上10mを超える高さの場所もあり、スリルとともに爽快感のある冒険体験を満喫できる。難易度の異なる複数のコースは順番が設定されているわけではなく、同じコースを何度もチャレンジするなど、自分のペースで自由に楽しめるのが特徴だ。

NOZARUコース

 身長130cm以上であればチャレンジできる大人用のコースで、地上からの高度もあり、難易度も高めに設定されている。5コース51エレメントで、100mを超えるジップラインなど、迫力あるアクティビティも楽しめる。身長130cm以上あれば子供でも利用することができ、小学生までの料金は3500円、大人(中学生以上)は4500円。7月14日まではオープン記念の特別料金となっており、大人3800円、小人2800円で楽しめる。小学生以下の利用には、大人の同伴が必要だ。

 受付で申し込みをすると、スタッフの指示のもと安全器具を装着する。安全器具の使い方や各コースのエレメントへのアプローチ法などのレクチャーがあり、アクティビティをスタートさせる。体験会では、小学生までを対象とした「KOZARU」コースと一部重なっている「NOZARU 1コース」を使った。レクチャーからNOZARU 1コースをクリアするのに必要な時間は、標準で1時間程度だという。

 体験会では時間の都合で「NOZARU 1コース」のみだったが、実際には難易度の違う全5コースを自分のペースで自由に楽しめるのがポイント。アクレチックにはスタッフが同行するなど、順番どおりに進めていく施設も多い。NOZARUは、気に入ったコースがあれば、何度でもチャレンジできるのがいい。

KOZARU(子ザル)コース

 身長110cm以上の子供用コースで、体を動かしてバランス感覚を鍛える3コース17エレメント。子供の体格や運動能力に応じて難易度の異なるコースを選び、チャレンジを進めることができる。所定の場所に戻るまで命綱が外れない構造のセーフローラーシステムを採用しており、小さな子供から安全に楽しめる。料金は1000円。

 KOZARUコースは3コースが1エリアに集約されていて、常に保護者の目の届く範囲にあるのがポイント。また体験している子供たちからも、常に保護者がいることが確認できるので安心できるだろう。エントリーコースとして高度も低く設定されており、場所によっては保護者と同じ目線で、大人がサポートしながらクリアしていくアクティビティもある。

NOZARUの受付。ここで申し込みや安全器具などを受け取る
NOZARU、KOZARUのコースマップ。NOZARUは広範囲にわたってコースが設置されている
NOZARU用の安全器具。ハードなコースのため、堅牢な装備だ
装備の装着方法をレクチャーするスタッフ
レクチャー用のコースに移動し、安全器具の使い方などを教わる
重要な命綱の説明では、聞く側も教える側も真剣な表情になる
NOZARUの命綱には2つのフックがあり、どちらか片方が開いているともう片方はロックされる安全な仕組み
地上では平気で飛び越えられるすき間も、高い位置ではかなり勇気が必要
コースに出るためには、スタートする場所までまず登っていかなくてはならない
下から見てもかなり高く感じる。高さなどはコースによっても異なる
利用するには、運動靴と動きやすい服装が必要だ
ロープをバランスよく渡っていってもいいし、滑空していってもいい
両手両足をしっかり使わないと、バランスを取ることさえ難しい
足場となるロープが動かないように、仲間に助けてもらうことも重要
NOZARUコースは、身長130cm以上であれば子供でもチャレンジできる
一度コースに出たら戻ることできず、自力で何とかゴールまでたどり着くしかない
各コースの終わりは、ジップラインで爽快に滑り降りる
ほかのNOZARUコースも、基本はまず登ってからスタートする
頭上に設置されたたくさんのアクティビティ
トラップのように突然不安定に変わる足場など、難易度も高く設定されている
NOZARU 4コース、5コースのゴール地点
森の中からの長いジップラインが特徴
着地地点の足場にはウッドチップが敷き詰められている
すぐ隣には那須ハイランドパークのアトラクションも見える
頭上のNOZARUコースよりも低い高さでチャレンジできるKOZARUコース
KOZARUは、高さも低く樹木間も比較的短いエントリーコースとなっている
足場がしっかりして安定した部分も多いので安心できる
KOZARUは身長110cm以上ならチャレンジ可能
KOZARUコースは、スタートからゴールまでそれぞれ1本のワイヤーでつながっている
所定の場所でないと命綱が外れない構造のセーフローラーシステムを採用している
KOZARUはロープなどの持ち手が多いので、体を安定させやすい
体を動かしたり、バランス感覚を鍛えたりといったアクティビティが多い
座った状態で滑空するなど、KOZARUにも勇気を試されるアクティビティもある
KOZARUの最後にもジップラインがあり、がんばったご褒美として気持ちよく滑り降りる
那須の森の空中アスレチック「NOZARU」

所在地:栃木県那須郡那須町高久乙3375 TOWAピュアコテージ内
アクセス:東北自動車道路 那須IC(インターチェンジ)からクルマで約20分、黒磯板室ICからクルマで約30分
営業時間:9時30分~17時、最終受付15時(季節により変動)
料金:
・NOZARUコース 大人(中学生以上)4500円、小人(130cm~小学生)3500円
※7月14日までオープニング特別料金として、大人(中学生以上)3800円、小人(130cm~小学生)2800円
・KOZARUコース 小人(110cm~小学生)1000円
TEL:0287-78-2900
Webサイト:那須の森の空中アスレチック NOZARU

NOZARUオープニングセレモニー

「那須エリアの新たな目玉としたい」と挨拶する藤和那須リゾート 代表取締役の雪本智史氏

 体験会当日は、関係者らを招いてのNOZARUオープニングセレモニーが開催された。登壇した藤和那須リゾート 代表取締役の雪本智史氏は、「那須をお客さまに体感してしてもらうには、アスレチックが非常にマッチするのではないかと考えて、昨年より準備を進めてきた。NOZARUは、遊園地のアトラクションの1つではなく、那須エリアで新たな目玉としてオープンできればと考えている。規模的に日本では最大級。この大きさをPRできればと考えている」と挨拶した。

那須町 副町長の山田正美氏は祝辞で「体験型の観光が求められている」と述べた

 セレモニーでは多くの来賓、関係者が参列しており、那須町 副町長の山田正美氏は「那須町は、観光振興が基幹産業の1つ。震災の風評被害で、那須の観光も大きな影響を受けた。震災前に500万人いた観光客が、2011年に390万人まで落ち込み、宿泊も16万人から12万人まで落ち込んだ。

 那須町の観光事業者の皆さんが力を合わせて観光振興に尽力していただき、今では誘客で485万人、宿泊も17万人まで回復し、震災前の数字までもう一息というところまで来た。観光は見て楽しむだけのものから、体験型が求められている。自然を売りにしている那須町で、自然と共生した新しい形のNOZARUというアトラクションは、新たな那須町の観光誘客の施設として大いに期待している」と祝辞を述べた。

「一過性ではなく、継続した誘客に感謝したい」と祝辞を述べる栃木県議会議員の齋藤剛郎氏

 続いて登壇した栃木県議会議員の齋藤剛郎氏は「県では、デスティネーションキャンペーンが行なわれ、環境省の『国立公園満喫プロジェクト』では日光国立公園が選ばれ、8月11日の『山の日』では那須町で全国大会が開催される。全国から大勢が訪れるとともに、全国にこの那須町の名前が知れ渡るということで、誘客・集客に期待している。山盛りの1年間だが、こういったイベントや事業はあくまでも一過性であると思っている。一過性ではなく、継続して誘客、集客を行なう、まさにNOZARUのようなアトラクションが那須町にできたということに感謝したい」と祝辞を述べた。

祝辞で那須町観光協会 会長の廣川琢哉氏は「那須に最大級のものが増えて注目度が上がる」と述べた

 那須町観光協会 会長の廣川琢哉氏は、「日本最大級のアスレチックということで、那須に最大級のものがどんどん増えてくれればますます注目度が上がり、集客に結び付くと思っている。また、日頃から東和那須リゾートさんには那須ハイランドパーク、TOWAピュアコテージと、那須観光発展のために大変尽力いただいている。我々、観光協会としても、この新しい施設を一生懸命PRして、那須観光のために繋げていきたいと思っている」と祝った。

「新しい施設ができると元気が出てくる」と祝辞を述べる那須町商工会 会長の薄井正明氏

 那須町商工会 会長の薄井正明氏は、「新しい施設ができると元気が出てくる。いつもそう思っている。商工会としても、店舗や飲食店においても、これによってプラスの力があるのでないかと思っている。これからも東和那須リゾートさんと連携をしながら、この那須を進化、発展させていきたい」と祝辞を述べた。

NOZARUの企画段階から携わってきたプロジェクト アドベンチャー ジャパンの代表取締役 林壽夫氏

 続いて、このNOZARUの企画段階から携わり、設計、施工までを監修したプロジェクト アドベンチャー ジャパンの代表取締役 林壽夫氏が登壇した。最初に、アメリカのプロジェクト アドベンチャーという組織について、「アドベンチャーが大好きな学校の先生たちが、アドベンチャーをもっと身近に持ってくると、子供たちの成長に生かせるのではないかという思いで、40年ほど前に公立の学校で始まった活動」と説明した。

 なぜアドベンチャーなのかということについては、「ほかのいろいろな動物に比べて弱い人間がこの歴史のなかで生きてこられたのは、お互いが助け合うという性質が本能に刻まれていたからだと思う。ところが、今は人と協力をしなくても何とか生きていける社会になって、人の本能が休んでいるという気がしている。アドベンチャーの施設というのは、そういう本能を揺さぶる働きがあり、お互いが協力し合えるようになってくると信頼関係が生まれる。その信頼関係が、人が成長するうえでものすごく大事な部分。そういう本能を揺さぶるということを、このアドベンチャーで実現していきたいと思っている」と語った。

東和那須リゾートがスポンサーをする自転車プロチーム「那須ブラーゼン」代表の若杉厚仁氏

 続いて登壇したのは、自転車プロチーム「那須ブラーゼン」代表の若杉厚仁氏。那須ブラーゼンは、日本初の観光地における地域密着型プロロードレースチームとして2012年に発足。今シーズンからは東和那須リゾートもオフィシャルメインスポンサーとして那須ブラーゼンの活動をサポートしている。

 若杉氏は、藤和那須リゾート代表取締役の雪本氏や専務取締役の矢澤氏から「今この那須高原に来ている500万人のお客さんを1000万人する」という言葉が一番心に残っているという。「聞いたときは実感できなかったが、地域と一緒になって盛り上げようという姿勢を拝見して、本当にこの思いがあれば実現できるのではないかと感じた。那須ブラーゼンも一緒になって前進していき、那須高原にたくさんの人に来てもらいたいと思っている」と語った。

 その後会場で上映されたNOZARUオリジナル動画では、その名のとおり猿がNOZARUに挑戦している様子が映し出された。この動画は、那須ワールドモンキーパークの協力で制作された。会場には主役のウーリーモンキー「つよしくん」も登場。ウーリーモンキーは日本では珍しい猿で、十数頭しかいないという。つよしくんは来賓や関係者の肩に乗るなど、会場を和ませた。

那須ワールドモンキーパークの協力で制作されたNOZARUオリジナル動画が上映された
動画で主役を務めたウーリーモンキーのつよしくん
来賓や関係者の肩に乗ったり、指をなめたりと、会場を賑わせた
那須町役場がある黒田原のマスコットキャラクター クロロとゆめなも登場

 さらに特別ゲストとして、那須町役場がある黒田原のマスコットキャラクター クロロとゆめなが登場。「昨年度は黒田原を中心に那須町のPRをがんばっていた。今年は那須町の上から下まで全部をPRしてがんばりたい」と元気よくアピールした。

「那須町が非常に大好きです」とセレモニーを締めくくる藤和那須リゾート 専務取締役の矢澤剛士氏

 閉会にあたって藤和那須リゾート 専務取締役の矢澤剛士氏が登壇し、「那須町が非常に大好きです。那須町には大自然があって、御用邸があって、温泉があって、観光施設やレジャー施設、さまざまなすばらしい資産がある。なにより、みなさんすばらしい人がたくさんいる。那須、那須の人、みんな大好きです。大好きな方々とともに、微力ながら全力で1000万人にチャレンジしていきたい」と今後の意気込みを語った。