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山口県、「サイクル県やまぐち」の取り組みを説明
「秋吉台カルストロードレース」などを主軸に、イベントや施設を充実
2017年2月28日 20:34
- 2017年2月27日 開催
山口県は2月27日、東京・日本橋にある山口県東京営業本部において、メディア向けに懇話会を開催。「サイクル県やまぐち」の取り組みについて説明を行なった。
冒頭挨拶に立った山口県 東京営業本部 副本部長の伊藤健氏は、「山口は全国で6番目に長い、1500kmの海岸線を持つ県で、三方を海に囲まれており、瀬戸内海と日本海のまったく違う景色が楽しめるうえ、内陸部にはカルスト台地の秋吉台など、自然が作り出した絶景がある。この雄大な自然環境をじっくりと楽しむにはサイクリングが適している」と背景を交えつつ、山口県が「サイクル県やまぐち」と題したサイクルスポーツ振興を行なっていることを説明した。
誰もがサイクルスポーツを快適に楽しめる山口県に
山口県 観光スポーツ文化部スポーツ推進課 総合サイクルイベント実行委員会事務局 森重信博氏は、「サイクル県やまぐち」の取り組みについて、山口県を子供から大人、初心者から上級者まで、幅広い年齢とレベルの人々が、あらゆる場所でサイクルスポーツを楽しめる県にすることを目標としていると語る。
そのために県は、気軽に風景を楽しめるコースの設定やサイクリストのための施設の充実、プロも参加するレースの開催など、今後、サイクルスポーツ振興に関するさまざまな取り組みを積極的に行なっていく考えであるという。
プロジェクトが開始された2016年度には、「サイクル県やまぐち」を広くアピールするために「All Yamaguchi Ride Festa 2016」と題したレースを実施。さらに県を訪れるサイクリスト向けには、全12のサイクルルートを設定し、そのルート内に休憩所となるサイクルエイド、レンタサイクル機能を有するサイクルステーションなどの設置を行なうとしている。
また、現在は新山口駅のみであるが、2017年度中には、自転車を組み立てるスペース「サイクルピット」を装備した駅が4駅用意される予定。自転車をそのまま載せることができるサイクルトレインの運行など、JRと協力した取り組みも積極的に行なわれている。
サイクリスト誘致に向けた取り組みを充実させていく
山口県は今後、「シンボルイベントの開催」「サイクルスポーツ環境の整備」「効果的な情報発信」を3本の柱として、サイクリスト誘致に向けた取り組みを充実させていく考えだ。
2017年度のシンボルイベントの開催としては、観光イベントやファミリーイベントを併催する観光地でのレースや、情報発信力のある海外ライダーを招聘したレースなどを予定。現状、秋吉台カルストロードレース(9月16日開催)、維新やまぐちクリテリウム(9月17日開催)、やまぐち十種ヶ峰ダウンヒル(10月8日開催)の3つのレースの開催が決定している。
「サイクルスポーツ環境の整備」としては、2016年度に続き、サイクルエイド、サイクルステーションの設置、サイクルピッドの整備などを継続。2017年度の新たな取り組みとしては、主要観光スポットへの路面表示(距離、方向など)、サイクリストに配慮した設備を持つサイクルモデル宿泊施設の設定などが予定されている。
また、明治維新から150年となる2018年に向けて、明治150年シンボルルート整備事業を開始。新山口駅を起点として、「秋吉台」「湯田温泉」「山口きらら博記念公園(2018年山口ゆめ花博会場)」へサイクリストを誘導するルートをシンボルルートとして、走行環境整備(路面補修、標識設置など)やサービス施設整備(サイクルエイドやサイクルステーションなどの設置)を行なっていくという。
「効果的な情報発信」としては、国内外の雑誌への記事掲載、サイクルエクスポへの出展、全国JRグループと連携したデスティネーションキャンペーンを活用したPRなどを行なっていく予定であるという。県では今後、明治維新から150年となる2018年までにサイクル交流人口が3万人に達することを目標に、「サイクル県やまぐち」を国内だけでなく東南アジアなどの近隣諸国を含め幅広くアピールしていきたい考えだ。