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貴重な車両に会いに行ける、年に1度の電車まつり! JR西日本が吹田総合車両所を一般公開
2016年10月31日 21:04
- 2016年10月29日 開催
JR西日本(西日本旅客鉄道)は10月29日、吹田総合車両所(大阪府吹田市)を一般公開した。同所は車両基地・車両工場であり、電車の整備だけでなく改造なども手掛ける大規模な施設だ。一般公開は毎年1度この時期に開催されているもので、2016年は来場者の出足が早かったことから午前10時の予定を早め、午前9時45分ごろにオープン。すがすがしい秋晴れの陽気のなか、親子連れや鉄道ファンなど約1万5000名(主催者発表)が、普段見られない車両整備の様子を見学したり運転士体験コーナーなどの催しを楽しんだりと、思い思いの時間を過ごした。
車両展示の目玉は、2015年3月まで大阪~札幌間を走っていた「トワイライトエクスプレス」の客車。オリエント急行をイメージしてシックなグリーンに塗られた車両は、1号車(スロネフ25形500番台)、9号車(オハネフ25形500番台)が観客側に配置され、1号車の手前にはすでに解体された車両の側面から切り出されたと思われるエンブレムが置かれていた。今回展示された車両は保存される予定はないとのことで、別れを惜しむファンらが次々にシャッターを切っていた。そのほかの展示車両も、ここでしか見られない貴重な車両が大半だった。
もちろん、車両工場らしい整備の現場を紹介する催しも充実していた。なかでも、敷地の限られた工場で車両を横方向に移動させる「トラバーサー車両入換実演」、大型クレーンで車両を持ち上げ移動させる「車体上げ下ろし作業実演」、車輪を真円に削り、車軸に固定する「車輪削正・圧入作業実演」といった実際の車両整備を行なう場面の展示は、鉄道博物館などでも見ることができないとあって大人も子供も興味津々の様子だった。
また、「221系体質改善車両展示」では、リニューアル工事中の先頭車両が展示された。JR西日本の発足後、新しい時代の新快速車両としてデビューした221系も誕生から25年以上が経過しているため、安全性、快適性を向上させる改造が、ここ吹田総合車両所で進められている。この展示は改造中の電車の様子が分かるよう、塗装がはがされ内装なども取り外された状態で車内外を観察することができた。
子供たちに人気だったのが、「軌道自転車」「ミニSL」「ミニ新幹線」の体験乗車。軌道自転車は120ccの単気筒ガソリンエンジンで線路上を走行できるもので、主に保線の現場で活躍しているという。
ミニSLは実際に石炭を燃やし蒸気を作り出して走る。煙を出して走る機関車の存在や、石炭の燃える匂いをはじめて知ったという子供も多かったようで、蒸気を噴きだし機関車が動き出すと歓声が上がっていた。
ミニ新幹線は「ドクターイエロー」と北陸新幹線「かがやき」のいずれかに乗車できる。これらのアトラクションはいずれも常時30分以上待つ長い列ができていた。
また、本物の電車の運転台を使用した「運転台体験」も抽選により実施。画面はゲームのものだが、例年大好評のため今年は2カ所に増設されたという。運転体験の前にはレバーなどの操作方法がレクチャーされ、子供たちも本物の運転士から電車の運転方法を真剣に聞き入っていた。
ほかにも、ネジのゆるみなどを金づちで叩くことで聞き分ける「打音検査体験」コーナーや、計測器具を用いて車輪の直径を測定するコーナー、台車のねじをトルクレンチを使って締める体験ができるコーナー、鉄道に関する問題にチャレンジする「ちびっこ電車塾」、子供たちが綱を引いて列車を動かす「車両と綱引き」などが各所で随時催され、どのコーナーも終日親子連れで賑わった。