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「ジェットスターで行く くまもと応援親子ツアー」台風で延期された見学を行なった2日目

成田山新勝寺や空港内ランプコントロールタワーを見学

2016年8月22日~23日 実施

 ジェットスターグループ、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント、NAA(成田国際空港株式会社)による課外学習ツアー「ジェットスターで行く くまもと応援親子ツアー」の2日目(最終日)。台風9号の影響により出発時刻に大幅な遅れが生じ、1日目は宿泊先のホテルに直行となったが、一転して2日目の内容の充実度は高く、参加者も大満足し帰路についた。そんな2日目の模様をレポートする。

2日目のスタートは和菓子の老舗でお菓子づくり体験

宿泊先となったのは成田ビューホテル(千葉県成田市)。朝9時ちょうどに最初のポイントに出発

 ツアー2日目は、成田市内をめぐるコースからスタート。朝9時には、宿泊先となった成田ビューホテルのロビーに参加者が集合し、ほどなく出発。目指す最初の見学ポイントは「なごみの米屋」という1899年(明治32年)創業の老舗和菓子店。ツアー参加者には、ここで和菓子づくりを体験してもらうという内容が用意されていた。

和菓子づくり体験を行なった、和菓子の老舗「なごみの米屋」の總本店(千葉県成田市上町500)。創業117年の歴史がある

「なごみの米屋」に一行が到着すると、成田市観光キャラクターの「うなりくん」がお出迎え。参加者との記念写真に応じた。

 その後、一行は身支度を整え、お菓子教室に入室。“練り切り”という種類の餡を使った「朝顔」という夏向けの和菓子づくりにチャレンジした。3色の餡が混じり合い、繊細なグラデーションから朝顔のつぼみの形に変化していく様子が、自分の手の中で見られるということもあり、職人の見本を見ていた一行からは、感嘆の声があがっていた。

 完成した“作品”は、販売用と同じ化粧箱に収められ、熊本で待つ家族へのお土産となった。ちなみに、この和菓子づくり体験は季節に合わせた内容に随時変更されるので、時候を感じながらお菓子づくりを楽しめる。全国から希望者が訪れる予約困難の体験メニューとなっているとのこと。

成田市観光キャラクターの「うなりくん」がお出迎え
店内の様子。和菓子づくり体験は2階のお菓子教室に移動して行なわれた
お菓子教室の前で、スリッパに履き替えてエプロンを着用し入室
和菓子づくり体験で作るのは、“練り切り”という餡を使用した「朝顔」のつぼみ
最初に職人のデモンストレーション。あっという間にカタチを変えて出来上がる和菓子に驚きの声があがる
3つのテーブルにわかれてお菓子づくりがスタート。練り切り餡の塊を規定の量に切り出すところなど、シンプルながら気を遣う作業に親たちも苦心していた
親子共作によって出来上がった“朝顔”は、販売用の容器に入れて持ち帰り

表参道〜成田山新勝寺

成田山新勝寺の総門

 和菓子づくりの次は成田山新勝寺を参拝するコース。通り道である表参道では自由時間が与えられ、新勝寺の総門前に辿り着くまでの間、立ち並ぶ店舗でショッピングを楽しんだ。10時45分には、参加者が総門前の駐車場に集合し、ボランティアガイドの案内で大本堂までの道のりを進んでいく。

 16万5000m2と、広大な敷地面積を誇る成田山だが、見学コースに設定されていた総門から大本堂までは、ほんの一部。「今日は短い時間ですが、またゆっくりとジェットスターを利用して遊びに来てくださいね」とガイドから挨拶があり、内部の見学がスタートした。

 仁王門では、成田山の門を守る密迹金剛、那羅延金剛の二尊、裏仏といわれている広目天、多聞天の二天の説明を受けた。さらに大本堂前の三重塔、香閣での煙が身体の痛い場所によい、といった成田山のご利益も学習し、大本堂へ進んだ。

 ツアー参加者一行が大本堂で合掌したあと、「お賽銭の音に何か感じませんでしたか? 実は硬貨が落ちていく場所は2.5mも下にありますので、落ちるまで時間がかかるんです」と成田山トリビアも飛び出した。

ガイドから説明を受ける
今回は総門から大本堂までという短いルートだが、途中にある仁王門や三重塔の説明を受けながら移動
成田山新勝寺につながる表参道で自由時間。参加者はこの時間を利用してお土産を購入していた

成田空港へ向かう前に若松本店で昼食

成田山新勝寺総門の目の前にある若松本店

 成田山新勝寺を見学したあとは、総門の前の前にある旅館「若松本店」(千葉県成田市本町355)で昼食の時間となった。当初の予定では、初日の夕方に成田山の見学を予定していたため、若松本店はコースに入っていなかったが、急遽こちらが設定された。

 朝から駆け足気味で見学を続けてきた一行が、ようやくホッとできるタイミング。山菜と地元のコシヒカリをつかった炊き込みごはんを中心として提供されたランチメニューは、特に大人の舌を唸らせており、そのせいか親同士がリラックスして談笑していたのが印象的だった。まだ通常どおりとはいかず、不便を強いられている熊本での生活を一瞬でも忘れることができていたのかもしれない。

報道陣もツアー参加者と同じ部屋で食事。我が子の好き嫌いを憂いている親たちの微笑ましい場面や、自宅エリアの復旧具合などの情報交換をしている姿も多く見受けられた

成田空港に移動しランプコントロールタワー内を見学

成田空港の敷地内にあるランプコントロールタワー。管制塔とは違い着陸機をランプまで誘導する役割をもつ施設とのこと

 食事が終わり、一行は最終見学地である成田空港へバス移動。主に着陸機をスポットまで誘導するランプコントロールタワーの役割を学習していくところからスタート。

 ランプコントロールタワーへは、空港管理ビルの正面入口から入場し、エレベーターで13階まで昇る。このフロアは社員の研修用に使用されており、16階の業務フロアと同様の通信機材が並んでいる。隣にそびえ立つ管制塔を背にして、空港の全体を見渡せるシチュエーションは、なかなか体験できるものではない。

見学は地上13階の研修ルーム。実際の業務は16階で行なわれているが、この階では同じ機材を使用してスタッフの育成が行なわれているとのこと
前日の会食時に乾杯の音頭をとったNAAの西浦文吾氏が、ランプコントロールタワーの役割や、滑走路の数字の意味などクイズを織り交ぜながら説明
機材の電源をオンにして、リアルタイムで交信しているところを披露しつつ、業務内容を子供たちに説明
第1ターミナル側
管制塔(写真左)と第2ターミナル
無線の内容を聞いて「英語がしゃべれないから無理~」とコメント
「こんなにたくさんの飛行機を見たことがないです」と興奮ぎみ。今回のツアーの様子を放映するという熊本のテレビ局も同行していた
ランプコントロールタワーを地上から見上げたところ

ツアーの最終見学ポイント「空港消防西分遣所」

空港消防西分遣所への移動途中、貨物機専用の巨大なヤードが現われ、注記している貨物機を間近に見ながらバスが進んでいく。このあと、滑走路下のトンネルをくぐる形で空港消防西分遣所に到着
空港消防西分遣所の前では、すでに隊員が整列しており敬礼でお出迎え。車内からは拍手が起こる

 ランプコントロールタワーの見学が終了した次の目的地である空港消防西分遣所は、第1ターミナル側A滑走路の外側にある。HRETや化学消防車といった特殊車両が配備されており、4000mを誇るA滑走路で火災が発生しても3分以内に駆けつけて消火活動を開始することが可能だ。

 ここでは、制服や防護服の着用体験や、HRETの機内の火災に対応するノズルの見学や、各種消防車の放水デモンストレーションが行なわれた。

「航空機事故が起こった場合は3分以内に駆けつけて放水を開始できるように訓練しています」と、消防隊員の仕事内容の説明があった
本物の素材を使用した制服や防護服の着用体験や、HRETや化学消防車の運転席に座る体験も行なわれた
放水のデモンストレーションは化学消防車からスタート
続いてHRETの放水。ブームは15mの高さからの放水や、翼や機体の下部に適したローアングルの両方に対応している
ノズルからの放水により画面左半分は水でほとんど見えない
機内の火災に対応するノズル。直接機体に突き刺して、機内火災を鎮火させることが可能だ
最後に敬礼!

すべての見学を終了し第3ターミナルへ移動

 すべての見学プログラムが終了し、一行は帰路につくため第3ターミナルへと向かう。チェックインカウンター前に集合したあと、ジェットスターのスタッフより熊本行きGK615便のチケットを受け取る。保安検査場を通過したツアー参加者は、国内線出発ゲートラウンジに移動。搭乗時刻まで思い思いに過ごしていた。

 場内アナウンスで告知された16時10分に予定どおり搭乗開始。一行はジェットスタースタッフの見送りに促され機内へ進んだ。

 熊本行きのGK615便は、往路でも搭乗した特別塗装機“ハッピージェット”で、ツアー参加者たちは、熊本空港に帰りつくまでツアーが続いていることを実感することができた。

保安検査場へ向かう途中、熊本・大分両県の震災復興チャリティーフェアが開催
この日は遅れもなく、定刻運航を予定
搭乗ゲートは161番
使用機材は往路と同じ特別塗装機の「ハッピージェット」エアバス A320-200型機(JA01JJ)
搭乗ゲート近くにはジェットスターショップがあり、ツアー参加者たちは最後のお土産を購入していた
16時10分、搭乗を開始。同行スタッフに見送られて機内へ
阿蘇くまもと空港には、ほぼ定刻どおり着陸。「ハッピージェット」はこのあとGK618便として成田空港に向かった

 今回のツアーは、平成28年熊本地震の震源からも近いエリア在住の小学校高学年が対象となった。通常であれば、まだ夏休みの期間中だったが、地震の影響により始業式を早める学校がほとんどで、まさにこのツアー出発日が始業式、であることを参加者から教えてもらい、ジェットスター関係者も想定していない状況だった。しかし、参加者の多くがまたとないチャンスということで全組が参加し貴重な体験を得ることができた。

 ツアー開始時は、飛行機に興味のなかった子供も、ランプコントロールタワーを見学する頃には、離発着する航空機のカラーやマークに興味を示すほどになっており、また空港に従事する職種の多さも、子供たちそれぞれの興味をひく結果となった。

 兄弟のいる家庭からの参加者も多かったが、親子1名ずつという条件に「逆に、普段じっくり接する時間がもてていなかったので、とてもよい機会になった」と語る保護者も多くいた。

 今回のツアーは、将来、エアライン関連の仕事に憧れる子供が出てくるほど充実した内容だったといえる。悪天候により予定変更されたハードスケジュールも、強烈な夏休みの思い出として、記憶に残ることは間違いない。