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シンガポールのプラナカン・ファッションを象徴する「サロンクバヤ」展を開催
日本とシンガポール外交関係樹立50周年記念
2016年7月25日 22:36
- 2016年7月26日~9月25日 開催
東京都渋谷区の区立 松濤美術館において、展覧会「サロンクバヤ:シンガポール 麗しのスタイル つながりあう世界のプラナカン・ファッション」を7月26日から9月25日まで開催する。松涛美術館とシンガポール国立アジア文明博物館が主催、シンガポール政府観光局などが協賛する。
サロンクバヤとは、シンガポールに住む中国系やインド系などの移民の子孫「プラナカン」のファッションで、レースなどで装飾された「クバヤ」というブラウスと、「サロン」と呼ばれる色彩豊かなジャワ更紗の腰衣を組み合わせたもののこと。
展覧会は日本とシンガポールの外交関係樹立50周年を記念して開催。ゲスト・キュレーターにプラナカン文化の研究家で、今回の展覧会にコレクションを提供するリー家の一員であるピーター・リー氏を迎える。
26日からの公開に先駆けて、7月25日に開会式と報道関係者に展示内容を公開した。18世紀から20世紀までのサロンとクバヤ、インド更紗のローブ、ジュエリーやビーズのサンダルなど約140点が展示したほか、サロンクバヤをモチーフとしたシンガポール航空のキャビンアテンダントの制服も展示された。
一般公開時でも、一部は写真撮影自由、SNS等への投稿自由という計らいがなされるほか、一部の展示はケースを用いない露出展示となっており、サロンクバヤの繊細な柄や刺しゅうを間近で見ることができる。
開会式では、松濤美術館館長の西岡康宏氏が「シンガポールのファッショに焦点をあてたのは、おそらく初めて」とし、「いわば千載一遇の機会と言えるものだと思うので、多くの方に来館してほしい」と希望を述べた。
シンガポール大使館からは臨時代理大使のウィリアム・タン氏が出席、「今年はSJ50と呼ばれる50周年記念の年。本展覧会以外にもさまざまな活動が1年間をとおして企画されている」と話したほか、旅行会社のエイチ・アイ・エスにおいてプラナカンをテーマにしたシンガポールへのパッケージツアーがあることもウィリアム氏から紹介された。
ゲスト・キュレーターで、展覧会にコレクションを提供したピーター・リー氏は「サロンクバヤを紹介すること、シンガポールの文化をお披露目するもっともよい方法」とし、「国の文化は、その国の純粋な文化を強調されがちだが、この展覧会では、グローバルで複雑な現代。サロンクバヤのファッションのように、文化遺産、思想を共にしながら表現していくということは案外素敵なことなのかもしれない、という異なった視点を提示できたらと思う」と狙いを明かした。