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AIR DO、特別塗装機「ベア・ドゥ北海道JET」の塗装作業を公開

真っ白な機体でドック入り

2016年7月29日 就航

 AIR DOは7月29日就航予定の特別塗装機「ベア・ドゥ北海道JET」の塗装作業を公開した。真っ白の状態のボーイング 767型機が伊丹空港に隣接するMRO Japanにドックインして塗装が実施された。ドックアウトは7月12日となる。

真っ白な機体が伊丹に着陸

 ベア・ドゥ北海道JETは、ボーイング 767型機。AIR DOで就航するにあたり、海外での整備を終えて真っ白な機体で伊丹空港B滑走路に着陸した。伊丹への到着は7月2日18時頃で、ANA(全日本空輸)のターミナルの南側にあるエプロン NR1に入ったあと、すぐに隣接のMRO Japanへトーイングカーによって移動した。

 真っ白な機体には機体記号など必要なものだけ記載されている状態。この白い大きなキャンバスに北海道の四季とAIR DOのマスコットキャラクターの「ベア・ドゥ」が描かれた。

伊丹空港に近づいてきた
無事、伊丹空港に着陸
誘導路を通る真っ白なボーイング 767型機
ANA側にあるエプロン NR1に向かう
ANAのトーイングカーによって移動してきた
格納庫前のスペースまで来ると、ここでANAのトーイングカーは切り離し、伊丹空港へ戻っていった

 MRO Japanの格納庫前スペースで1時間ほどかけて燃料を抜き、燃料を抜き終わった20時頃にはすっかり真っ暗になっていた。そのあと、あらためてMRO Japanのトーイングカーで格納庫にドックイン。

 機体が所定の位置に収まったあとは、ドック内の移動式の足場が機体ぎりぎりに寄せられ、ノーズ側にも移動式の足場が収まった。

格納庫正面
MRO Japanの作業車が到着
燃料を抜き取るタンク車も到着
燃料を抜き取り中
作業車が機体から離れる
MRO Japanのトーイングカーが
ゆっくりと格納庫に押し込む
規定の場所まで移動を終えた
続いて天井から吊ってある移動式の足場がゆっくりと移動
ノーズ部分のための移動式の足場が動き出す
左側の足場も機体に寄せられた
特別塗装機の型紙が格納庫内に置かれていた

 ドック内には塗装のための準備が進められ、塗装のための型紙となるシートがフロアに置かれ、専用の塗料がずらりと並んでいたほか、綿密な色の指示書も置かれていた。

 MRO Japanは空港隣接のため、特にA滑走路を飛び立つ際のエンジン音が激しく聞こえる場所であるが、燃料抜き作業と、機体に傷を付けないように慎重に足場を設置していったため、作業が終わるころにはすでに伊丹空港の21時の門限を過ぎ、あたりはひっそりと静まり返っていた。

塗料は色別に並べられ、奥までたくさんの種類があることから色の多さが分かる
尾翼のところにある濃い水色は「AIR DO ブルー」という特別色だそうだ

デザイナー自らが型紙合わせ

 ベア・ドゥ北海道JETのドックインの翌日、7月3日からは塗装に向けて作業が開始された。この日は特別塗装機のデザインを行なった3KGの佐々木信氏が訪れ、型紙の合わせ作業に立ち会った。

 機体の円筒部分であれば、設計図どおりであまり問題は生じないが、後方の徐々に絞られていくところでは、型紙の位置合わせが難しく、デザイナーの意図どおりにデザインを仕上げるためには現場で調整作業が必要だという。もちろん後方部分だけでなく、全体的なバランスの確認も綿密に行なわれた。

足場が機体を囲み、機体がほとんど見えない
型紙をこれから機体に当てていく
スタッフが型紙を徐々に機体に当てていく。尾翼に仮付けがはじまった
尾翼の左側
型紙を仮付けしていく
機体側面の大きなデザイン。美瑛の丘の部分だろうか
AIR DOのロゴと桜
機体右後方の冬の雪山
コクピット周辺は白いままとなる
機内の様子が少し見える。型紙はAIR DOロゴのほかに「北海道の翼」という文字もある
北海道の翼
特別塗装機のデザインを行なった3KGの佐々木信氏
機体後方の部分は難しい部分だけにデザイナーの佐々木氏が確認しながら進めていく

塗装も大詰めに、札幌市時計台が出現

 7月2日にベア・ドゥ北海道JETがMRO Japanにドック入りしてから、毎日が塗装作業。北海道の四季は思いのほか複雑で色数も多い。並べられていた塗料の数から見ても工程の多さが分かる。最近の塗料は乾きが早く、以前のように重ね塗りのための硬化時間は必要ないそうだが、それでも色数が多くなればそれだけ時間がかかるようになる。

 塗装作業を取材した7月9日は、尾翼部分のラダーの取り付けが行なわれた。ラダーは一度取り外し、塗装をしたうえで再び取り付ける。取り付ける前にバランスを取り、慎重に機体に取り付けられた。

 塗装作業では、「AIR DO」のロゴをはじめ主に黒い部分を塗装したほか、すでに塗装されていた赤い塗装のマスキングを剥がすと札幌市時計台が姿を現し、完成に近づいていることがうかがえた。

 なお、塗装の完成図はAIR DO、北海道の四季をコンセプトにした特別塗装機「ベア・ドゥ北海道JET」を参考してほしい。

マスキングや養生だらけのベア・ドゥ北海道JET
機体下の緑色の部分が塗装されていた
鮮やかなグリーンだ
マスキングを剥がすとラベンダーを意味する紫色が見えた
これだけ見れば何か分かりにくいが、札幌市時計台の赤
キタキツネ
オレンジ色をこれから塗るため、食いつきがよくなるよう、ツヤが落とされていた
ふくろうの鼻の部分
最前部のドアのところにはベア・ドゥや「北海道の翼」がある
ドアの横のベア・ドゥも塗装で表現する
すでにマスキングが終わり、黒の塗装を待っている状態
尾翼のラダー部分は取り外されて、別に塗装された
これから重量バランスを取り、機体に取り付ける作業を行なう
大勢のスタッフの手により、ラダーに傷をつけないよう、そっと持ち上げて重量計の上に乗せる
ラダーが取り外された垂直尾翼
取り付け部分が露出している
尾翼の両側の足場には塗料がかかっている。濃いブルーが多く付いているのは、MRO JapanではANAの機体の尾翼を塗っているため
左側のパネルを取り外し、結合作業を待つ
機体後方にラダーが到着
慎重にクレーンに引っ掛ける
機体に絶対に当てないよう少しずつ吊り上げていく
ラダーは軽量化されているとはいえ、重量は400kg以上あるとのことだ
時間をかけてここまで吊り上げた
徐々に定位置に移動させる。横の移動式足場とクレーンごと移動していく
足場を少しずつ尾翼に近づけ、スタッフが慎重に位置を合わせていく
かなり近づいた
最後の微調整をして結合する
塗装と並行して、すでに塗装が終わった部分のマスキングを剥がしていく。札幌市時計台が少しずつ姿を現す
札幌市時計台。ちなみにAIR DO本社は札幌市時計台のすぐ裏にある
塗装を前に最後の脱脂とホコリ取りを行なっている
いよいよ、黒の吹き付けが始まった。足場の上と下で同時に吹き付けが進んでいる
黒をエアブラシで吹いていく
塗装中はコクピットもガラス部分は二重に養生されていた
吹き付けの終わったところ
キタキツネのオレンジ色を塗装中
まもなく塗装が完成する、特別塗装機「ベア・ドゥ北海道JET」