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JR東日本と東京メトロ、オリンピック・パラリンピックのオフィシャルパートナー 発表会見

「移動をスムーズにする交通カードを検討」と森喜朗組織委員長

2016年6月7日 発表

JR東日本、東京メトロ、組織委員会、JOC、JPCの代表が集まった

 JR東日本(東日本旅客鉄道)および東京メトロ(東京地下鉄)は6月7日、共同で発表会を開催し、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のオフィシャルパートナーに決定したことを発表した。

 発表会では両社の社長、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(以下、組織委員会)委員長の森喜朗氏、JOC(日本オリンピック委員会)副会長の青木剛氏、JPC(日本パラリンピック委員会)会長の鳥原光憲氏が出席、調印書にサインも行なわれた。

旅客鉄道輸送サービスで2社が同時にパートナー

 両社が契約した「東京2020オフィシャルパートナー(旅客鉄道輸送サービス)」は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を含む、2020年12月31日までの日本代表選手団に関するパートナーシップ。呼称やマーク、関連素材の使用権、関連事業協賛券、商品・サービスのサプライ機械、マーケティングサポートなどが可能となる。

 6月7日にパートナーシップがスタートしたあとは、オリンピック・パラリンピックムーブメントの盛り上げや、日本代表選手の支援、東京2020大会の成功に貢献していく。

 また、オリンピック・パラリンピックのスポンサーシップは通常、「一業種一社」が原則。今回は「旅客鉄道輸送サービス」に同時に2社とパートナーシップを結ぶことになったが、これはIOCと協議したうえの特例となっているという。

JR東日本と東京メトロが連携して鉄道の信頼を高める取り組み

 発表会ではパートナーシップを結んだ2社がまず挨拶した。JR東日本 代表取締役社長の冨田哲郎氏は「東京2020オリンピック・パラリンピックという国家的なオフィシャルパートナーとして参加して、大会運営に貢献できることをたいへん光栄に思っている。関係の皆さまの期待に応えられるように、全社一丸となって東京2020大会の成功に貢献したい」と述べ、具体的にはバリアフリーや訪日外国人の安心と安全の向上などに取り組むとした。

 また、「同一カテゴリーの東京地下鉄と連携して行なう、日本の鉄道への信頼を高める取り組みが、2020年以降も地域社会に持続的な効果をもたらす“レガシー”となるように努める」と抱負を語った。

 東京メトロ 代表取締役社長の奥義光氏は、過去の1964年東京大会には銀座線、丸の内線と開催直前に全線開通した日比谷線があり「大会を訪れた多くのお客さまの足として、活躍した」ことや、東京マラソンの第1回目からパートナーとして応援していることなどを挙げ、「オフィシャルパートナーとして、スポーツの力を核として、東京、日本、世界が一つに結ばれていく、その瞬間をお手伝いできることをたいへん光栄に思う」と述べた。

東日本日本旅客鉄道株式会社 代表取締役社長 冨田哲郎氏
東京地下鉄株式会社 代表取締役社長の奥義光氏

組織委員会、JOC、JPCから2社に期待

東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 委員長の森喜朗氏

 続いて、来賓として、組織委員会、JOC、JPCから代表者が登壇して挨拶。組織委員会の森委員長は「2社をオフィシャルパートナーとしてお迎えすることができた、光栄でありがたい。被災地復興を開催目的のひとつとして掲げる東京2020大会としては、観光の活性化を含めてJR東日本の協業は不可欠。東京メトロはまさに首都東京を支える事業者として、東京の案内役、つなぎ役という重要な役割を持つ」と2社を歓迎した。

 森氏は、新国立競技場の周囲にJR東日本、東京メトロの駅が集中していることを挙げ、「世界のオリンピックの会場を見ているが、近くに駅があるところはほかの国にない」競技場の周囲が駅で囲まれていることを指摘、「大きな負担をかけるが、日本の鉄道の大きな力を見せていく、大事なところだと考えている」とし、2社に期待を寄せた。

 具体的な協力体制にも言及し、「移動に便利なカードがどうしたらできるのか。セキュリティーの関係でうるさいところもあるが、スムーズに通れるにはどうするか。2社に利便性を向上してもらうことも委員会で検討したい」とし、大会期間中の移動をスムーズにするため、交通パスも含まれたようなIDカードの実現なども考えていることを明らかにした。

 さらに、JOCとJPCの代表も挨拶、JOCの青木氏は「リオが終わると世界中の視線が集まる、選手や観客たちが安心して滞在できるよう、オフィシャルパートナーの2社の協力のもと、全力で成功へまい進する」と述べた。

 JPCの鳥原氏は「満員の観客で大会を盛り上げるのが最重要課題。アクセシビリティの向上や、ファンづくりに取り組むが、この点からも、2社のオフィシャルパートナーとして参画はうれしく、心強い」と歓迎した。

JOC(日本オリンピック委員会)副会長 青木剛氏
JPC(日本パラリンピック委員会)会長 鳥原光憲氏

契約書に両社と組織委員長がサイン

 発表会では、檀上で契約書にサインが行なわれた。「Tokyo 2020 Official Partnership agreement」がJR東日本、東京メトロの2枚が用意され、両社の社長と組織委員長の森氏がサインした。

その場でサインを行なった
サインされた契約書を掲げる両社社長と森氏