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AIR DO、減収増益となる2016年3月期決算を発表

今期は将来の増収につながる投資を集中的に行なう

2016年5月30日 発表

決算発表に臨む株式会社AIRDO 代表取締役副社長 草野晋氏(中央)、執行役員の浦澤英史氏(右)、企画部長の高津直人氏(左)

 AIR DOは5月30日、2016年3月期決算を発表した。一部路線の廃止と新規開設まで間が空いたことなどから営業収入は前期比マイナスとなり全体では減収増益。2017年3月期は反対に増収減益を見込み、将来の増収につながるような投資を集中的に行なっていくという。

 2016年3月期の営業収入は前年同期比3.6%減少の473億3400万円となった一方で、原油価格の下落等により事業費が減少し、営業費用は454億2900万円と同3.1%減少した。営業利益は19億500万円で14.4%減少。機材更新など営業外費用が増加したことなどにより経常利益は13億4000万円と27.4%減少したが、当期純利益は8億3900万円となり同31.0%増加となった。

 営業収入の主なマイナスは2015年3月に新千歳から新潟、福島、富山、小松までの4路線を2015年3月に廃止したこと。新千歳~中部、新千歳~広島、函館~中部の新たな3路線の開設が2015年10月だったこともあり新路線効果がマイナス分をカバーできなかった。

 営業面では、特定便割引運賃の「AIRDO スペシャル 75」を新設、法人向けインターネット予約システム「AIRDO Biz」の開始による法人セールス強化、宿泊などと組み合わせた「AIRDOダイナミックパッケージ」の取り扱いを開始した。

 運航面では新千歳空港の深夜早朝時間帯の発着枠を利用して新千歳~羽田線で計77便を増便したほか、シルバーウィーク期間に新千歳~熊本間でチャーター便の運航、11月に女満別・釧路~台湾・高雄の国際チャーター便を運航。機材ではボーイング 737-500型機3機を退役させ、ボーイング 737-700型機3機を導入し、小型機全9機の機材更新が完了した。

株式会社AIRDO 代表取締役副社長 草野晋氏

 決算発表では、代表取締役副社長の草野晋氏が今年3月に発表した中期経営計画に触れ、「今まで以上に北海道に徹底的にこだわったサービスを提供し、弊社のファンになっていただくお客様を増やしたい」との方針を示し、「北海道に関わりのある方、北海道が好きな方が我々を利用してくださる、そういうような飛行機会社になることが一番のポイント」と述べた。

株式会社AIRDO 執行役員 浦澤英史氏

 また、執行役員の浦澤英史氏は、今期となる2017年3月期は営業収入が492億円で、前年同期比18億6500万円増加を見込むと発表した。2015年10月に新規開設した路線収入があることに加え、北海道新幹線開業後の相乗効果で今期の羽田~函館線は5%増加。さらに4月の全社利用実績も前年比2桁の増加となり、増収基調となっていることを挙げた。

 一方で2017年3月期は営業利益、経常利益、純利益ともに減少を見込んでいる。中期経営計画の最初の年として投資を行なうためとし、持続的な成長への投資、将来の増収につながるような営業システムの構築や広告宣伝などに費用を投じ、「表面的にはマイナス」になるとした。

 また、施策としては、法人向けの販促や仕組みづくりを展開するほか、これまで十分取り込めていなかったインバウンド需要への対応も進める。草野氏は時間がかかるとしたものWebサイトの多言語化などを行ない、「将来はインバウンドの方にも切符を買っていただけるようにしたい」と述べた。