ハワイ現地発

【ハワイ現地発】滞在中に朝のワイキキ散歩でしたい12のこと

太陽の光の方向や湿度から、朝は虹を見られるチャンスが多い

 まもなく5月8日に新型コロナが季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行されることを受けて、ゴールデンウイークに日本からハワイへの旅行客が多少増えると予想されている。

 ハワイに来る知人や出張で来た方に「今のハワイでどこがお勧めか?」を聞かれることも多く、編集者という職業柄、最旬スポットもお伝えするが、個人的にイチ押しするのは朝のビーチ散歩。ちょっと早起きすれば気軽にできて、ワイキキでも十分ハワイの恵みを満喫できるから。

 ワイキキ朝散歩でしたいことを12個を挙げてみた。

1. 透明度の高い海を堪能する

 ハワイは、サンゴ礁を守るために日焼け止めの販売規制があるとはいえ、午後の海と朝の海とではまったく透明度が違う。朝一番の透き通る水を見ないなんてもったいない! これからの季節なら朝でもそれほど寒くはないので、ひと泳ぎするのもいい。人の少ない海のなかでホヌ(海亀)と遭遇することだってある。水着を着てジョギングして軽く汗をかいたら海へ。そのままホテルに戻ってシャワーを浴びて、出掛けるときの爽快さったらないから一度お試しを。

この原稿を書いている日の朝に撮ったワイキキの海

2. 空いているビーチの波打ち際を歩く

 波打ち際の散歩は、朝の特権。9時過ぎくらいからホテルのビーチパラソルがポツポツと設置され始め、日中から夕方にかけてはパラソルがぶつかりそうになるほど並び、砂浜を散歩するのは至難の業。にぎやかになる前に波の音を聞きながら裸足でビーチを歩いて、静かなワイキキの顔に触れてみよう。

雲が多い日はまた違う表情の景色に出会える

3. 雨上がりは虹を探す

 そろそろ乾季へと切り替わってきたハワイだが、朝晩はさっと雨が降ることも。地元ではこれを「シャワー」と呼び、祝福の雨だったりと縁起のよいものと捉えられる。シャワーが来たら、すぐに止むので木の下でしばし雨宿りを。そのあとは虹の贈り物があるはず。朝は虹を見られるチャンスが多い時間帯。ダブルレインボーに出会えることも多いのでよ~く見てみよう。

ハワイでは雨は気分を滅入らせることはない。雨のあとのお楽しみがあるのだから!

4. 波の音、風を感じながら深呼吸

 ワイキキの東と西にはカピオラニ公園やフォートデルッシー公園など緑豊かな公園がある。この公園とビーチのセットの朝散歩が最高にお勧めなのだが、公園かビーチで木陰を探してちょこんと座って深呼吸を。早朝ならほとんど人がいないし、公園もビーチも独り占め気分に浸れる。息を吐くときにマイナスなことも全部吐き出し、ハワイの新鮮な空気(マナ)を思いっきり吸い込もう。波の音、鳥のさえずり、肌を包み込む風を感じながら10回ほど繰り返せばスッキリするはず。

こんな景色を見ながらスーっと深呼吸。ついでにストレッチもしてみて!

5. ハワイ固有種の花や木を見る

 1年中花々が咲き、木々の緑が美しいハワイ。そんな植物をゆっくり見て歩くという、普段なかなかできない時間の過ごし方をお勧めしたい。そのとき、ハワイ固有種を知っておくとこれまでと違った視点で満喫できる。赤などカラフルなハイビスカス、プルメリア、ピカケ、ホワイトジンジャーなど見た目も香りもハワイらしい花は、実は外来種。このなかには繁殖力が強いものもあり、変化に弱いハワイ在来種に影響をおよぼしている。

ハワイの象徴のように美しいハイビスカスだが、外来種だという
見た目も香りも甘いプルメリアは人気の花の1つなのだが……

 では、ワイキキ周辺の散歩で見られるハワイ固有種の植物や伝統植物はというと、白いハイビスカス、ナウパカ、ティーリーフ、ミロの木、パンの木、ハラの木、パラパライなど。ちなみにどの公園にもある、そら豆のお化けのような豆がなる大きな木は外来種。ものすごく強い繁殖力を発揮している。

ハワイ固有種のハイビスカス
花の下の部分だけに花びらをつけるナウパカの花。海の近くに生息する
オーブンで焼くとパンのように香りさつまいものように甘いパンの実
レイにも使われるイリマの花。外来種を取り除く作業をしたときに撮影

6. プルメリアを耳に飾る&持ち帰って飾る

 外来種の話をしておいてお勧めするのもなんですが……。とはいえ、すでに公園やビーチの近くで春から咲き始め、いい香りをもたらしているプルメリア、それなら楽しく活用したい。朝は木の下にたくさんきれいな状態の花が落ちているので、それを一つ耳に飾って散歩を続けよう。地元の人は(男性もごくたまに)、自分の庭に咲くプルメリアをサッと耳に飾ったりする。気を付けたいのは、既婚者は左耳に、フリーの方は右耳に挿すということ。もう一輪は、持ち帰ってグラスに水を入れて浮かべれば部屋のなかがパッと明るくなりほのかに香る。ぜひお試しを。

耳に飾っても水を入れたグラスに入れてもハッピーな気分に

7. 鳥のさえずりを聞き、マヌオクーを探す

 ハワイは鳥たちも元気で、特に静かな朝の時間はいろいろな鳴き声が空から響いてくる。せっかくなら「マヌオクー」を探そう。ハワイのなかではオアフ島しかもホノルルにしか生息しないとされる白アシザシで、ホノルル市の鳥に指定されている。真っ白の体に丸くて黒い目が愛らしく、にぎやかなホノルルの上空や海の上を自由にカッコよくなめらかに飛び回る。ほとんどの場合2羽が一緒に飛んでいて、航空ショーのように同じ動きで空にループを描いたりするので見ていて飽きることがない。カピオラニ公園やフォートデルッシー公園で見ることができる。

分かりづらいが、マヌオクーのヒナと親鳥
この青いテープはマヌオクー(英語名:White Terns)が卵を産み、ヒナがいる木のサイン

 散歩中、木に青いテープが巻かれていたら、「この木にマヌオクーのヒナがいる」のサイン。巣を作らずに木に直接卵を産んで育てるので、住民たちはヒナを大切に見守っている。

8. すれ違う人に笑顔であいさつをする

 朝の散歩を楽しむ人たちには、ぜひ笑顔で「Hi」とか「Good Morning」とあいさつをしたい。犬の散歩をしたり、歩いたり、地元の人や観光客が入り混じってビーチや公園の近くを歩いている。笑顔であいさつが戻ってくるとうれしくなる。

目を見てニコッとしてあいさつを!

9. 1つでOK! ビーチと公園でゴミを拾う

 日中は多くの人でにぎわうワイキキのビーチと公園。残念なことに朝、ゴミが落ちているのも目にする。本格的なビーチクリーンアップは一大事になるが目の前にある目立つゴミを一つだけでも拾ってみよう。いたるところにゴミ箱があるので(だったらゴミはゴミ箱に捨ててほしいといつも思うのだが)、そこへポイっとすると、いいことをした気分になる。不思議なことに、そのあとにいいことがあったりする。

犬だけでなく豚を散歩している人も。拾い食いしないようにゴミを除去

10. 午前中ならではの写真が撮れる

 ワイキキビーチは午後は逆光になる季節が多い。午前中はダイヤモンドヘッドから太陽が昇るのでその光で海の写真を撮ると抜けるような青空と海を写真に収めることができる。

朝8時過ぎに撮影。朝なら海に突き出た突堤の先端までスイスイと行ける

11. ファーマーズマーケットに立ち寄る

 カピオラニ公園を散歩するなら、水曜の午前10時にモンサラット通りとパキ通りの交差点にある駐車場でファーマーズマーケットへ。地元向けの小さなマーケットだが、アップルバナナとパパイヤ、これからの季節はマンゴーも絶品!

日本よりは手頃な価格で、甘みが強くジューシーなマンゴーを食べられる

12. コーヒーとペイストリーを買う

 健康的に歩いて小腹が減ってきたら、帰りにコーヒーとスコーンを買ってみよう。カイマナビーチの散歩帰りなら、カイマナビーチホテルのレストラン「ハウツリー」へ。ここはカフェも併設されていて、コーヒーとパティシエによるスコーンを購入できる。フォートデルッシービーチ側なら、「高橋果実店」のサンドイッチやアイスクリーム、「ビーチウォークカフェ」のペイストリーやバインミー、ヒルトンまで海沿いを歩いてあえてヒルトン内のスタバに行くのも新鮮だ。ワイキキのど真ん中、クヒオビーチ辺りなら、アウトリガーワイキキビーチリゾートの「PAI's DELI」でフレッシュなサンドイッチとスムージーがお勧め。

カイマナビーチホテル。このすぐ海側にハウツリーのカフェがある
ハウツリーのスコーンとコーヒー。奥はショットグラスに挿したプルメリア

 滞在中、同じ時間帯に同じビーチに行ってみると地元の人と顔見知りになることも。朝、庭で摘んだ花をくれる人もいる。

軽く言葉を交わしてみんなが気持ちよく1日をスタートしようとするのを感じられる
カイマナビーチではモンクシールが砂浜にいるときも(現在出産後でビーチは閉鎖中)

 朝の散歩は、毎日感動がありハワイをもっと好きになる。だからやはりみんなに勧めたい。