ハワイ現地発

【ハワイ現地発】ハワイの美景 2022年編! 奇跡のような自然美を振り返る

空から見るハワイのダイナミックな表情

 世界最大級の活火山とされるハワイ島のマウナロア火山が38年ぶりに噴火したのが11月27日。ハワイのローカルニュース中継で毎日映し出される真っ赤な溶岩流は、地球のエネルギーのとてつもないパワーを感じさせる。

 ハワイは海底火山が隆起してできた島。その自然は圧倒的な力強さと静寂さを併せ持っている。今回は2022年に撮ったハワイの多彩な自然の姿を集めてみた。

ダイヤモンドヘッド

 ダイヤモンドヘッドは30万年以上前の噴火によって形成され、オアフ島のシンボルの一つとしてローカルに愛されてきた。季節によって装いを変えるので、その姿を見て「あぁもう冬だねぇ」とか「お、夏が来たね!」などと話したりする。

 この1年のダイヤモンドヘッドを振り返ると……

 雨季のまっただなかの2022年1月。たっぷり降り注ぐ雨によって、山肌には緑が生い茂り、ベルベットグリーンに覆われている。

雨の恵みを受けるこの時期しか見られない姿

 5月になると、まだうっすら緑に包まれているが、木々が枯れはじめ茶色い部分も増えてきた。

季節的に5月は完全に乾季に変わっている

 7月は空の色みも夏色に変わる。抜けるような青空の下、茶色のダイヤモンドヘッドが堂々と鎮座している。

一般的なイメージどおりの茶色いダイヤモンドヘッドに

 10月は徐々に雨季へと季節が変わるタイミング。茶色から緑へと変わりはじめる直前の姿がこちら。

ハワイ語では「レアヒ(マグロの額)」と呼ばれていた

 眺めるだけでも心が満たされるダイヤモンドヘッドだが、登ってみるとこれもまたいい。狙っていた元日は閉鎖されていたため、1月のある晴れた日の午後に行ってきた。

(1)クレーターの内側から登り始める。標高約232m、山頂まで約1.1km
(2)海を一望できるスポットがあり1900年代には沿岸防衛として軍事施設に
(3)頂上まで40分くらいなので毎日トレーニングで往復するローカルも
(4)狭い道をてくてくと登りながら、ふと振り返るとこんな景色が!
(5)この階段を登りきれば頂上。狭くて急なので油断は禁物
(6)ゴールのご褒美。世界有数のリゾート地ワイキキを一望!

 頂上から360度を見回してみると……

巨大なクレーターを見下ろせる。19世紀に、この火口付近でイギリスの船乗りたちが見つけた石をダイヤモンドと間違えたことが名前の由来という説もある
小さく見えるヤシの木と地球の表面を覆う海は、地球が丸いことを体感させてくれる。11月から3月ごろまではザトウクジラを見ることを忘れずに!
いつもと違う視点から見るワイキキ。手前にカピオラニ公園、ワイキキビーチと密集するホテル・ビル群、パールハーバー、ワイアナエ山脈が見える

 なお、ダイヤモンドヘッドのハイキングは、混雑緩和のために州外からの訪問者はオンラインによる事前予約が必要になっている。1人5ドル。駐車料金は1台10ドル。30日前から予約可能。

サンライズ ~朝日~

 ワイキキ方面から見ると太陽は山の方向から昇るので、ビーチに行けばダイヤモンドヘッドから朝日を拝むことができる。

 つい1か月ほど前に日の出直後にビーチを散歩していたら、ダイヤモンドヘッドに虹のように太陽の光がかかっていた。

朝の散歩をしている人たちも幻想的な光景に見入っていた

 10月の朝9時前。フォートデルッシービーチでは、海の彼方の1か所から噴き出たかのような雲が青空に散っていた。

壮大な空の下、人間(左下)があまりにも小さく感じる

 雨のあとには虹の贈り物がある。雨季へと季節が変わるころ、早朝にザッと雨が降ったこの日、海と陸をつなぐ虹がかかっていた。

日本では虹は7色。ハワイでは6色とされている

 まだまだ雨季の2月。朝のカイマナビーチに太陽が顔を出すと雨が止み、ダブルレインボーが現われた。

海から始まる大きなダブルレインボー
上り始めたばかりの太陽がヤシの木の長い影を作っている

マジックアワー ~夕日~

 夕日は寂しい印象があり苦手だったが、ハワイでオレンジ色や紫に染め上げられていく空を毎日見ているうちに、とても好きな時間帯になった。特に冬の間は島の西の海に太陽が沈むのでお見逃しなく!

 1月、サンセットタイムの6時直前のカイマナビーチ。雲一つないこの日は大きな太陽がゆっくり沈んでいった。

ビーチが大好きな地元の人たちが惜しむようにとどまっている

 11月にワイキキビーチを望むホテル、アロヒラニリゾートワイキキビーチを取材中に太陽を見送ることができた。

波がなくドレープのような海に静かに消えていく太陽

 秋の夕空。煙突から煙が出るように、ビルの上からもくもくと雲が広がり、夕焼けに染められていた。

365日1日として同じ夕空にならない。自然の奇跡!

 夏の終わり、マウイ島ラハイナで眺めたサンセット。左に見えるラナイ島と海と空の境界線に陽が沈んだ。

ビーチ

 2022年の年明けは、ハワイではめずらしく大雨が降り続いた。2日の夕方になんとか雨が止んだのでマカプウ岬へいそいそと出掛けてみた。

雨上がりで雲に覆われていて幻想的な光景だった

 週末はノースショアへドライブして旅行気分を味わうことにしている。エフカイビーチは、冬になるとチューブ状の波が押し寄せ、有名なサーフィン大会「パイプラインマスターズ」が毎年開催される。夏は一転して穏やかな波に。とはいえ、いつでも壮大なパワーを感じるビーチ。写真は今年5月に撮ったもので、夏が近い日差しのなかで海と空の青が輝いていた。

砂の粒が粗く、赤みがかっているのがこのビーチの特徴。カエナ岬が遠くに見える

 最後はマウイ島へ。北西部にあるシュノーケルポイント、ホノルアベイへ抜ける道で出会った巨大な木は、その崇高な姿に圧倒された。

ヤシの木を覆えるほど大きく、神々しい佇まいだった

 ホノルアベイの景観。海底まで見えるほど海水の透明度が高かった。

もぐるまでもなく足のまわりに色とりどりの魚たちが泳いでいた

 こうしてみると、ハワイのなかでも場所によってそれぞれ個性があるけれど、生活圏のワイキキ周辺であっても毎日のようにハッとする美しい光景を目にする。365日感動させてくれるハワイは奇跡の島だと思う。