週末駅弁

台北駅(台北車站)「懐かしの排骨野菜ご飯弁当」

豚あばら肉のから揚げが乗った台湾の定番駅弁

「懐かしの排骨野菜ご飯弁当(臺鐵懷舊排骨菜飯圓木片盒便當)」
弁当名「懐かしの排骨野菜ご飯弁当(臺鐵懷舊排骨菜飯圓木片盒便當)」
価格100台湾ドル(約410円)
販売駅台鉄(臺灣鐵路管理局) 台北駅(台北車站)
購入場所台鉄(臺灣鐵路管理局) 台北駅(台北車站)
購入日2015年5月30日

 駅弁は、日本特有の文化というイメージが強いかもしれませんが、海外でも日本同様に駅弁が根付いている国があります。それが台湾です。そこで今回は、台湾の台北駅(台北車站)で売っている「懐かしの排骨野菜ご飯弁当(臺鐵懷舊排骨菜飯圓木片盒便當)」を紹介します。

 台湾の駅弁では、「排骨(パイコー)弁当(排骨便當)」が定番中の定番となっています。ご飯を敷き詰めて、その上に骨付き豚あばら肉のから揚げ「排骨」と味付けゆで卵、からし菜の煮物などを乗せた弁当で、台湾で駅弁と言えば、この排骨弁当を指すと言っても過言ではありません。台北駅で販売されている駅弁には、排骨弁当以外にもいくつか種類がありますが、ほとんどの人が排骨弁当を買い求めるようです。

 台北駅で売られている排骨弁当には、おかずやご飯の種類が異なる3種類があります。今回購入した「懐かしの排骨野菜ご飯弁当」は3種類のうち最も値段の高いものですが、それでも販売価格は100台湾ドル(約410円)です。最も定番なのは、「台鉄排骨弁当(臺鐵傳統排骨便當)」で、そちらの販売価格は60台湾ドル(約246円)です。

台鉄(臺灣鐵路管理局)の台北駅(台北車站)です。台鉄や高鉄(台灣高速鐵路)、台北地下鉄などが乗り入れる、台湾最大のターミナル駅です
台北駅の1階フロアにある駅弁販売店。お昼時には行列になるそうです

 一般的な排骨弁当では白いご飯が敷き詰められていますが、懐かしの排骨野菜ご飯弁当では炊き込みご飯が敷き詰められています。この炊き込みご飯は、白菜やネギ、干しエビ、豆腐などと一緒に炊き込んだもののようで、日本の炊き込みご飯と比べてやや薄味であっさりとしています。ただ、その上に乗せられている、大ぶりの排骨や味付けゆで卵、からし菜の煮物、きゅうりの漬け物などは比較的濃いめの味付けなので、あっさりとした味付けの炊き込みご飯との相性は抜群です。排骨や味付けゆで卵は、しょう油ベースで日本人の口に合う味付けなのもうれしいところです。ただ、排骨は揚げたあとにたれで煮込んだものなので、揚げたてのようにカリッとはしておらず、しなっとした食感だったのは、個人的に少々残念でした。

 ところで、台湾では、冷めたご飯を食べる習慣がほとんどありません。そのため、駅弁も作り置きで冷めた状態ではなく、作ってからあまり時間の経っていない、温かい状態で売られていることがほとんどです。また、陳列棚も保温庫を兼ねています。実際に買ったものも、今作ったばかりかのような温かさで、非常に美味しく食べられました。そして、台湾の人たちは、駅弁も温かいうちに食べたいと考える人が多いようで、買った駅弁を列車に乗って食べるのではなく、買ってすぐ駅のベンチで食べる人がほとんどです。実際に、台北駅の待合所のベンチでも、買ったばかり駅弁を食べている人を大勢見かけました。

炊き込みご飯の上に、たれに漬け込んだ排骨、味付けゆで卵、からし菜の煮物などがのせられています
排骨は、揚げたあとにたれにつけ込んでいるので、ややしなっとした触感ですが、やや濃いめの醤油味で日本人の口にもよく合います
炊き込みご飯は、薄味であっさりとした印象ですが、野菜や干しエビの味が染みていて、こちらもかなり美味しいです。味の濃い排骨や味付けゆで卵との相性も抜群です
台湾では駅弁は温かい状態で売られています。台北駅の駅弁販売店でも、保温庫に入れられた温かい弁当が売られていました

 ちなみに、台北の地下鉄では、ホームや車内での飲食は禁止となっていますが、“台湾新幹線”こと「台灣高速鐵路」や、台鉄が運行する列車内での飲食は問題ありませんので、もし台湾旅行で鉄道に乗る機会があったら、ぜひ駅弁も試してみてはいかがでしょうか。