週末駅弁

横浜駅「初夏のかながわ味わい弁当」

「初夏のかながわ味わい弁当」

 その土地の名物や地域性をふんだんに盛り込んだ駅弁は、それだけで楽しいものです。今回いただいた「初夏のかながわ味わい弁当」は、なんとシウマイでおなじみ横浜の崎陽軒と神奈川県のタイアップ企画。そのコンセプトは「かながわを、知り、味わうお弁当」というもの。

 横浜名物「シウマイ」はもちろん「三崎産マグロ」「三浦産芽ひじき」「小田原蒲鉾」「小田原産梅干」とまさに神奈川づくしのお弁当です。

崎陽軒と神奈川県が企画した神奈川づくしのお弁当

 まずは2種類のご飯。白米には塩だけで漬け込み天日干ししたという小田原産梅干がのっています。見た目も梅干しの味も昔懐かしい日の丸弁当です。もう1つは山菜ご飯。山菜の味わいを活かした淡くて上品な味わいはとても美味しくて、すべてのご飯をこちらにしてほしいくらい気に入りました。

塩だけで漬け込み天日干しした小田原産梅干がのっています
淡い味付けが美味しい山菜ご飯

 三浦産マグロの生姜煮は生姜味の効いたちょっぴり濃いめの味付けですが、マグロに厚みがあるので素材の味が損なわれていません。おなじく三浦産の芽ひじき、わらび、白滝の炒め煮。山の幸、海の幸それぞれの味や食感が楽しめますが、味の主役は芽ひじき、という印象でした。

 そして小田原の蒲鉾。掛け紙の裏では歯応えのよさを謳っていますが、単に弾力があるだけではなく練り物らしい柔らかさとほどよい弾力があります。蒲鉾は幕の内弁当など多くの駅弁でよく見かける食材ですが、今回の小田原蒲鉾は一枚上手という感じがします。

三浦産マグロの生姜煮や小田原の蒲鉾など神奈川づくし

 そして、個人的にはシウマイと並ぶ崎陽軒の代表選手「筍煮」。これがたっぷり入っているのがポイントです。となりのレンコンにうっすら味が移っていたのも筍煮好きにはうれしいポイントです。

崎陽軒の筍煮がたっぷり入っています

 甘めの味付けが特徴の「筍煮」に対し人参煮、椎茸煮、こんにゃく煮はかなり甘さを抑えた味です。同じ煮物ながらこの違いに味の幅を感じます。そして横濱名物「昔ながらのシウマイ」。もう説明はいらない美味しさ。掛け紙の説明書きに使われている「濱」の字にこだわりを感じたりします。

崎陽軒「昔ながらのシウマイ」と煮物、湘南ゴールド水まんじゅう
掛け紙の裏にはお弁当の説明がかいてあります

 デザートは「湘南ゴールド水まんじゅう」。湘南ゴールド……初めて耳にする名前だったので調べてみると神奈川県が12年かけて開発した新品種の柑橘だそうです。湘南ゴールドのピューレを練り込んだ白餡がフルーツ感たっぷりでくず生地の食感と相まってかなり爽やかです。

「湘南ゴールド水まんじゅう」は爽やかな味

 筆者の場合、今回のようにお弁当を通じて地域の名産を知る機会は少なくありません。今度は湘南ゴールドを果物として食べてみたい、と神奈川県の思惑にしっかりとハマってしまいました。

 オール神奈川のお弁当「初夏のかながわ味わい弁当」はその名のとおり神奈川の美味しさをしっかり発見できるお弁当でした。

「初夏のかながわ味わい弁当」

価格: 1030円
販売駅: 横浜駅
購入場所: 横浜駅 中央通路 崎陽軒横浜駅中央店
購入日: 2023年6月6日