旅レポ

ワイキキの青い海に映える“太平洋のピンクパレス”こと「ロイヤルハワイアン」

「ロイヤル ハワイアン ラグジュアリー コレクション リゾート」

 ハワイ オアフ島のワイキキといえば、美しいビーチ、ショッピングと超が付くほどの有名な観光スポットだ。このビーチ沿いには、ゆったりとした時間を過ごせるリゾートホテルが林立している。そのなかでも、とりわけ長い歴史を持つ高級ホテルが「ロイヤル ハワイアン ラグジュアリー コレクション リゾート」(ロイヤル ハワイアン)だ。その建物の色から「太平洋のピンクパレス」という呼び名もある。

 ロイヤル ハワイアンは今年2015年の4月には、本館となるヒストリック・ウイングに隣接するタワー館をリニューアルした「マイラニ・タワー」をオープンした。179室を持つマイラニ・タワー宿泊者には、朝食や夕食のサービス、専任のコンシェルジュサービスなど特別なサービスが提供される。このマイラニ・タワーに宿泊し、ロイヤル ハワイアンの施設を体験したレポートをお届けする。

宿泊者のみが利用可能なフロントデスクとラウンジ

マイラニ・タワー入り口にあるフロンドデスク

 ロイヤル ハワイアンのマイラニ・タワーに宿泊する場合は、タワー入り口に専用のフロントデスクが設けられており、ここで、チェックイン、チェックアウトの手続きを行なうことができる。また、その先のタワーへはルームキーがないと入れない仕組みとなっており、部屋に入る前から特別な気分を味わえてうれしい。

 ちなみに、筆者はこの専用フロントデスクことを知らず、一般のカウンターへ行ってしまったのだが、ここでもチェックインは行なえたので、仮に間違えてしまっても大丈夫のようだ。ただ、結局同じルートを通って専用フロントデスクの前を通ることになり、ここで気がついてガッカリしてしまった。せっかくなら専用デスクでチェックインして特別な気分を味わうことをお勧めしたい。

マイラニ・タワー宿泊者のみが利用できる専用のフロントデスク
こちらはロイヤル ハワイアン正面入り口に近い一般のフロントデスク
正面の入り口からは、中庭を囲む回廊を通ってマイラニ・タワーへ向かう

 フロントデスクの脇にある扉を入ったエリアはラウンジとなっている。言うまでもなく、ルームキーがないとここで過ごすことはできない。朝(6時30分~9時30分)にはコンチネンタル朝食「マイラニ・モーニング」、夕方から夜(17時~20時)には軽食「マイラニ・イブニング」、17時~18時にはカクテルやビールが提供される。

 昼間もドリンク類は用意されているので、開放的な空間のなか、ゆったりとしたソファでのんびりとした時間を過ごすことができる。

 また、このラウンジにはマイラニ・タワー宿泊者向け専用のコンシェルジュカウンターも設けられている。ここでは専任のコンシェルジュにより、滞在中の過ごし方のアドバイスやサポートを受けられる。日本語の話すスタッフが在席しているのも心強い。

マイラニ・タワー宿泊者専用のラウンジ
屋外にも席があり開放的な空間でくつろげる
専任のコンシェルジュによる旅のサポートも受けられる
コーヒーなどが終日用意されるほか、時間帯によって朝食や夕方の軽食、アルコールを含むドリンクも提供される

全部屋オーシャンビューの客室

 マイラニ・タワーの客室は179室で、全部屋が海を見渡せるオーシャンビューとなっている。ちなみに、本館となるヒストリカル・ウイングのオーシャンビューは半数程度だが、ビーチの喧噪から離れて静かに過ごしたい人には内側やガーデンビューの部屋も人気なのだという。

 マイラニ・タワーの客室は、1階にある「マイラニ・タワー・ロフト・スイート」、2~7階の「マイラニ・タワー・オーシャンフロント」、8~17階の「マイラニ・タワー・プレミア・オーシャン」、最上階の「マイラニ・タワー・オーシャン・スイート」の4タイプが基本。オーシャンフロントとプレミア・オーシャンは下層階か上層階かの違いだけで部屋の施設は同じ。同部屋をベースにした角部屋「マイラニ・タワー・オーシャン・コーナー」はベランダ(ラナイ)がやや広い。

マイラニ・タワー・オーシャンフロント

 今回宿泊したのは、マイラニ・タワー・オーシャンフロント。割り当てられた部屋はキングベッド1台だったが、ダブルベッド×2台の部屋も用意されている。設備としては、ワーキングデスクにもなるチェストに、足を伸ばしてくつろげるソファ、バスタブ付きのシャワールーム、ウォシュレット付きトイレなどが特徴。

 アメニティは「Malie Organics(マリエ・オーガニクス)」を採用。Malie Organicsはハワイの植物を使ったスパブランドで、マイラニ・タワーではコケエの香りのアメニティが使われていた。

 ちょっと面白かったのはiPadが置かれていたこと。これはホテルのサービス、レストランなどを調べるためのものだ。インターネットはWi-Fi(無線LAN)が用意されている。筆者と同行カメラマンの部屋の2部屋で試した限り、電波の強度も十分で、速度にもストレスは感じなかった。

 また、各部屋にウェルカムスイーツとして、かわいいピンクの袋に入ったバナナブレッドもプレゼントされる。コーヒーや紅茶も用意されており、これらを味わいながらビーチを眺めてのんびりするのもよいだろう。ちなみに、このバナナブレッドのレシピも添えられているので、同じ味を自宅で再現してみるのも面白いかもしれない。

夜は電灯による柔らかい間接光に包まれて落ち着く空間に
キングサイズのベッド
ワーキングデスクにもなるチェスト
チェストは衣類などを収納できる3段の引き出しのほか、脇にフリーのコンセントが4口用意されている。ドアのなかにはセキュリティボックスも備えていた
ホテルのサービスやレストランなどを調べられるiPadを備えている
ミネラルウォーターのペットボトルのほか、コーヒー、紅茶も用意されている
“ピンクパレス”らしいピンクの袋に入ったバナナブレッド。レシピが書かれた紙も添えられている
洗面台。メイクミラーも備える
いわゆるユニットバスになっており、バスタブも備える
トイレはウォシュレットが付いていた
ハワイ産の植物を使ったMalie Organicsのスパ・アメニティを用意。コケエのよい香りが印象に残る
バスローブやスリッパも用意されている。ピンクパレスらしいピンクのローブで、館内のショップでも販売している

 さて、オーシャンビューというからには当然オーシャンが見えるわけだが、下の写真で一端が伝わるかと思うが、この眺めは言葉で表現できないほどに素晴らしいものだった。また、24時間聞こえてくる波の音にも心が安まるのを覚える。今回は7階の部屋に宿泊したが、上層階に行けば、この眺めをさらに広く見渡せるかと思うと、払う価値はあるだろうと思う。

 冒頭でも少し触れたが、ワイキキ周辺だけでも美しいビーチにショッピングも楽しめ、バスに乗って少し足を伸ばせば、さまざまなアクティビティも体験できる。加えて、このような部屋でビーチの眺めと音に包まれて1日を過ごすというのも、ハワイの楽しみ方の1つだ。

海を眺めながらのアクティビティやレストランも

 ロイヤル ハワイアンのアクティビティやレストランについても紹介しておこう。

 ビーチを望める「マルラニ・プール」は、プールを取り囲むようにデッキチェアが置かれるほか、プライベート空間のカバナ(有料)も用意される。プールは温水なので、体を休めたい人によさそうだ。予約が必要で、時期によっては大変混むそうなので、利用したい人は早めの申し込みがお勧め。また、ビーチでもパラソルやチェアの貸し出しを有料で行なっている。

 このほか、提携のスパや、隣接の系列ホテルであるシェラトン・ワイキキとの間にあるウォータースライダー付きプール、イルカと触れあえるプログラムなどのアクティビティプランを用意している。

ビーチを望むこともできる温水プール「マルラニ・プール」。プライベート・カバナも予約できる

 ビーチと青い海を眺めながらお酒や料理を楽しめるレストランも充実。本稿での訪問時は、約50年の歴史を持つというビーチサイドバーの「マイタイ バー」、その日の朝に獲れた魚を専用のオーブンで調理することが特徴の「アズーア レストラン」を訪れた。

 マイタイ バーは、その名のとおり「マイタイ」を楽しめるバー。マイタイとはラムをベースとしたカクテルの一種で、なかでも「スクラッチ・マイタイ」はロイヤル ハワイアン伝統の広く知られたマイタイなのだという。見るからにトロピカルな雰囲気に仕上げられたカクテルは目でも楽しめ、太陽の下で開放的に味わえるのは格別の気分だった。

 さらにマイタイ バーでは、火曜日~日曜日の18時30分~21時30分にはライブ演奏やダンスショーを開催(プライベートイベントが予定されている日は除く)。300ドル以上のオーダーで予約する必要があるが、プライベート・カバナも用意されているので、仲間内でノンビリ、楽しくお酒の時間を過ごしたい人にもお勧めだ。

オーシャンフロントの「マイタイ バー」は、南国の開放的な雰囲気が漂うバー。1959年オープンと歴史は長く、当時と変わらないレシピで愛されているという

 その日のディナーをいただいた「アズーア レストラン」もオーシャンフロントの席を設けたレストランで、その日の朝5時30分に“せり”が始まる「Pier 38」の市場へ出かけて、新鮮な旬の魚を仕入れてくるシーフードが売りのレストランだ。その日に仕入れられた品質のよい魚を提供するスタイルのため、調理方法はある程度決まっているものの、どの魚が提供されるかは日によって異なる。料金も“時価”となるが、料金はその日のメニューに手書きで書き込まれているので、そこは安心してよい。

 料理は氷に載せられたお刺身から、専用のオーブンを用いて香草でローストした料理まで幅広い。オーブンでローストする魚料理はハワイの伝統的調理法に則っているそうで、まるで肉料理のような仕上がりだ。魚というとヘルシーなイメージもあるが、量のわりに食べ応えのある料理だった。

 お店の雰囲気もよく、ディナーであれば、ぜひオーシャンフロントのテラス席をお勧めしたい。日が暮れて少しずつ変わっていく空の色は、ディナーにさらにひと味を加えてくれる。

アズーア風海鮮盛り合わせ。生ガキやハマチ、カウアイ島で獲れたロブスターなど
いわゆる“本日のお魚”を用いたローストフィッシュ料理。この日は「オパ」という魚をチョイス。マンボウの一種だ
これはフィレ肉とフォアグラで、ケアヴェの木のスモークで香り付けをしている
紫イモとタロイモのピューレで、ご飯代わりに注文できる。クセになる味だ

“太平洋のピンクパレス”という何となく大げさに感じるニックネームも、実際に滞在してみて、妙に納得できてしまう優雅な一時を過ごすことができた。特にマイラニ・タワーはホスピタリティ、眺めともに素晴らしく、言葉で表現するのは難しいが、このホテルが長い歴史のなかで愛されてきた理由を肌で感じられるかのようだった。

 ちなみに、マイラニ・タワーはオープン記念として12月25日まで特別料金プランを設定しており、オーシャンフロントで約半額、1階のロフト・スイートが1/3以下の料金で宿泊できる。一度は泊まってみる価値があるとお勧めしたいホテルでもあり、ぜひ、このチャンスを活かしてみてほしい。

編集部:多和田新也

Photo:高橋 学