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国交省、道東道 白糠IC~阿寒IC間を無料区間として開通

釧路外環状道路 釧路西IC~釧路東ICも同日開通し、道東がより便利に

2016年3月12日 開通

 国土交通省北海道開発局は3月12日、道東自動車道(北海道横断自動車道) 白糠IC(インターチェンジ)~阿寒IC間(14km)および、一般国道 38号・44号 釧路外環状道路 釧路西IC~釧路東IC間(約9.9km)を同時に開通した。開通時間は釧路西IC~釧路東ICが14時30分、白糠IC~阿寒ICが16時。

 白糠IC~阿寒IC間は、道東道の一部として計画されている本別~釧路を結ぶ総延長65kmに渡る高速道路の一部。昨年3月29日に、浦幌IC~白糠IC区間(26km)が開通していたのに続き、今回は白糠IC~阿寒ICが新たに開通した。

 道東道は、建設費用を国と地方自治体が負担する新直轄方式により建設される道路であるため、利用料金は無料。元々料金所などを設置する必要がないため構造も単純化され、建設コストそのものも低く抑えられるとしている。

 釧路外環状道路 釧路西IC~釧路東ICは、一般国道38号と44号をつなぐバイパス道路。滝川からつながる38号と根室までをつなぐ44号が直結することで、釧路市内の渋滞解消、定時制の確保、安全性の向上が図られるという。

 将来的には阿寒ICから釧路西ICを結ぶ17kmの区間も接続され、釧路市街地と直結する予定だが開通年度は未定。

 全線が開通する以前の所要時間は、釧路市~札幌市までの夏季が6時間48分、冬季が9時間31分であった。開通によってこれが、白糠ICまで夏季4時間42分/冬季5時間38分へ短縮、さらに阿寒IC開通後は夏季4時間27分/冬季5時間20分に短縮される。将来的に全線が開通すると夏季4時間23分/冬季5時間6分まで短縮されることになるという(すべて時速70kmで算出)。

阿寒IC。料金所はなくシンプルな構造
阿寒ICからすぐそばにある阿寒トンネル入り口
阿寒IC入り口
阿寒IC出口
開通前、釧路から阿寒ICに向かう途上にあった道路標識

 開通前に行なわれた開通式では、釧路市長の蝦名大地氏が挨拶し、「ここ1年で念願の道路が50kmに渡って開通したことは大きな喜び。昨年度、浦幌から白糠までの開通で移動時間が大幅に短縮されたことで、サンマなど海産物の流通が大幅に増加し、観光振興にも顕著に効果が表れた。本日開通する区間も合わせ、これらの効果がいっそう大きくなり、地域経済にも大きく寄与するだろう」などと述べ、「釧路、根室、十勝など東北海道全体が大きな経済圏として成長することを期待し、残りの道路の早期完成を目指したい」とした。

開通式の様子
開通式で挨拶した釧路市長 蝦名大地氏
今回開通した区間

 開通式後に行なわれた阿寒ICでの通り初め式典会場では、蝦夷太鼓の演奏や、釧路を拠点に活動しているフォークデュオ「ヒートボイス」によるミニライブも開催。地元の見学者とともに開通を祝った。走り初めは予定より20分ほど早まった13時10分頃から開始され、警察や消防を始め釧根地区バス協会や釧根地区トラック協会、市民の見学ツアーバスなど50台の車両が参加した。

地元で活動するフォークデュオ「ヒートボイス」によるミニコンサート
通り初め式に備えて待機中の車両
通り初め式典会場で挨拶した高橋はるみ北海道知事
開通式のくす玉割り
通り初め式の様子
市民を乗せた見学ツアーバスも参加
開通後の阿寒IC
阿寒ICから白糠ICまでの間にある「庶路IC」
白糠IC付近の様子
白糠IC入り口付近の様子。料金所などはないのでシンプルだ
阿寒ICより先は釧路西ICと接続される予定だが、完成年度は未定

(ミヤハラシンジ)