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カアナパリビーチホテルで子供たちのフラコンペ「第30回 フラ・オ・ナー・ケイキ」が開催。3年ぶりに復活したステージを目の前で見てきた

毎年、カアナパリビーチホテルで開催されているフラの競技会「フラ・オ・ナー・ケイキ」。大会は子供たちへのハワイ文化の教育というコンセプトがあり、参加できるのは5歳~17歳までに限定されている

 カアナパリビーチホテルで毎年行なわれている伝統的なイベント「フラ・オ・ナー・ケイキ(Hula O Nā Keiki)」は、5歳~17歳までのジュニア世代を対象としたフラの競技会で、1990年から開催されている長い歴史もあってマウイ島で行なわれる重要なフラコンペとして知られている。

 本来なら2020年に記念すべき第30回のフラ・オ・ナー・ケイキが開催されるはずであったが、世界中を混乱に陥れた新型コロナウイルスはハワイでも猛威を振るい、その影響もあって2020年、2021年は中止になっていた。それが今年になって落ち着いてきたこともあり、ようやく開催する運びとなった。フラ・オ・ナー・ケイキには日本大会もあり、そこで総合優勝すれば本大会に出場することも可能だが、残念ながら今年は日本からの参加はなかった。

ホテルの多目的ホールで前夜祭も含め、3日間開催される

フラは古典と現代の2つのカテゴリに分けて競う

 フラ・オ・ナー・ケイキは11月10日の前夜祭から始まり、11日は「カヒコ(Kahiko)」と呼ばれる伝統的な古典フラを競い、12日は「アウアナ(ʻAuana)」と呼ばれる現代的なフラを審査員や観客に披露する。

 今年も著名なフラスクール(ハラウ)で腕を磨く5歳から17歳までの男女精鋭65人がハワイの島々から集い、元気いっぱいに踊りを披露した。コンペは個人戦と団体戦があり、それぞれ6分間のステージを全力で踊り切る。

 ちなみにハワイでもっとも権威がある最大のフラ競技会は、ハワイ島のヒロで4月に開催されている「メリー・モナーク・フェスティバル(Merrie Monarch Festival)」。こちらは「フラのオリンピック」とも呼ばれ、1000人ほどが競い合う、ハワイの一大イベントであるそうだ。

伝統的なフラの「カヒコ」
現代的フラの「アウアナ」

子供といえど精鋭が踊るカヒコは迫力満点

 フラはもともとハワイに渡ってきた古代の人々が自然や神々に捧げるものであり、文字がなかったころ、祈りの詠唱(チャント)と踊りで物事を伝えていたのが始まりだそうだ。その後は王族に披露したり、儀式において踊ったりなど大事に受け継がれてきた。カヒコはその伝統的なスタイルを伝えるものであり、衣装はティという植物の葉で作られたティーリーフスカートなどを履き、レイなど精霊の力を宿すと言われる自然の植物を足・手・首・頭にまとうスタイルが基本とのこと。

 伴奏に使われる楽器はヒョウタンから作ったイプヘケという太鼓や竹製のプーイリなど、リズムを取る打楽器だけで構成されているので、とてもシンプルではあるが厳かな雰囲気を演出しているのが特徴だ。

 筆者は目の前でカヒコを見るのは初めてだったが、その力強さと神秘的な舞いには驚きと感動を覚えた。ハワイ語や動きの意味は分からないが、独特なリズムと呼吸法で歌われるチャント(自然や神、王族を賛美するものが多いらしい)は耳から全身に伝わり、また出演する子供たちのキレのある動きは素晴らしく、見入っているうちにあっという間に6分が過ぎていた。海に囲まれた火山島に生きる人たちの自然を愛して敬う姿が大切であることを、子供たちから学んだ気がした。

カヒコは伝統的な打楽器と歌のみというシンプルな伴奏で踊る
ヒョウタンをくり抜いて作ったイプヘケ。側面を叩いたり、床へ打ち付けて音を鳴らす
団体戦ではピタリと息の合ったダンスを披露
ついつい見入ってしまう力強い動作にフラの真髄を見た気がする

現代フラは自由な発想と踊りが魅力的

 一方のアウアナは打って変わって、それぞれがさまざまな演出で自由に踊る姿が印象的だった。伴奏もウクレレやギターといったハワイアン音楽に使われる楽器も登場し、かなり自由な構成になっている。演目によって衣装もいろいろで、民族衣装を彷彿とさせるドレスから、カウボーイを意識してブーツを履いたウエスタンスタイルなど、それぞれが趣向を凝らした表現でフラを踊る。

 手の動きや足の運びなど、基本的な動作は同じではあるが、よりダイナミックに、より優雅に舞っていた。なかにはチアダンスのようにかなりアグレッシブなものもあり、技が決まるたびに客席から大歓声が飛ぶなど、カヒコとはまた違ったステージはとても興味深く、そしておもしろかった。

アウアナは動きはフラだが、伴奏に使われる音楽や演目、服装に個性が出ていておもしろい。カヒコではNGの化粧もOKだ
アウアナも団体戦と個人戦がある
子供たちの活き活きとした表情とスピード感のあるフラにただただ圧倒される

優勝は男子がNoahさん、女子がLennonさんに決定!

 今回の記念すべき第30回は、男子の優勝者はNoah Kazuo Piʻimaiwaʻa Andradeさんで、女子はLennon Aiko Kuʻualoha Nakadaさんが栄冠に輝いた。どちらも踊りの上手さはもちろんのこと、非常に表情豊かに舞う姿が印象的だった。そして、歓声の大きさもこの2人のステージが一番大きかったような気がする。グループ部門では、少年と少女ともに1位は「Hālau Hiʻiakaināmakalehua」が受賞した。個人優勝したNoah Kazuoさん、Lennon AikoさんもHālau Hiʻiakaināmakalehuaに所属しており、スクールのレベルの高さを証明した形となった。

表彰式であいさつをする総支配人のマイク・ホワイト氏
個人少年の部で優勝したNoah Kazuo Piʻimaiwaʻa Andradeさん
個人少女の部で優勝したLennon Aiko Kuʻualoha Nakadaさん
優勝した2人には奨学金も渡された。隣にいるクム(先生)はLono Padilla氏とRobert Keʻano Kaʻupu IV氏
少年の部グループ1位はHālau Hiʻiakaināmakalehua
少女の部グループ1位はHālau Hiʻiakaināmakalehua

大会期間中はハワイブースも登場し、著名ミュージシャンのライブも開催

 フラ・オ・ナー・ケイキが開催される日は、ホテルのロビーや中庭に臨時のショッピングブースも登場する。店には飲食物やハワイアンスタイルの服などが並び、多くの人が足を止めて買い物を楽しんでいた。

 そのなかにはハワイの文化を伝えるものもあり、古代に使われていた道具やハワイ語で書かれた本なども出品されていた。特にハワイ語の本は普通の本屋ではなかなか目にすることができないものが多く並んでいたようで、マウイ島在住の日本人の方も目を輝かせて何冊も購入していた。競技が終わったあとにはハワイで大人気のミュージシャンが登場して歌を披露。こちらも多くの人が耳を傾けていた。

ハワイ文化、アート、ファッションなどを取り扱うショップが臨時ブースを構える
人気ミュージシャンによる演奏も楽しみの一つ