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いつものマイカーで楽しむ車中泊・アウトドアのアイディアがたくさん! クルマ遊び特化イベント「アソモビ2022」に行ってみた

2022年8月6日~7日 開催

幕張メッセ 展示ホール8で開催された「アソモビ2022」

 クルマを利用したアソビ(遊び)をテーマにしたライフスタイル提案イベント「アソモビ2022」が8月6日と7日に幕張メッセ 展示ホール8にて開催された。

 クルマを利用した遊びといえば車中泊やオートキャンプに注目が集まっているが、一般家庭においてキャンピングカーなどレジャーに特化したクルマを所有するのは少々ハードルが高い。現実的には普段乗りのクルマに対して、その都度「アソビ」の道具を積んだりという活用法になるかと思う。

 今回のアソモビ2022はキャンピングカーの出展もあったが、普通のクルマにも使用できるアイテムが多数出展されていたのが特徴だ。キャンピングカーショーともカスタムカーショーとも違う新しい視点のカーイベントがどんなものだったか、イベントの模様をお伝えしていこう。

自動車メーカーの純正アクセサリで楽しむ車中泊

ホンダアクセスは新型STEP WGN e:HEV AIRと、N-VAN +STYLE FUNの車中泊仕様を展示

 まずはホンダ車用の純正アクセサリを扱う「ホンダアクセス」が展示していた新型STEP WGN e:HEV AIRと、N-VAN +STYLE FUNを紹介する。

 どちらの車両も「車中泊」を楽しむためのアクセサリが装備されているが、STEP WGNは手軽に快適な車中泊を楽しむ装備となっていたのに対して、N-VANはキャンプ地に腰を据えてアウトドアを楽しむような装備となっていた。

 自動車メーカー基準の品質を持つのが純正アクセサリ。アソビのアイテムであっても安全性や安心感を第一に考えるのであれば純正アクセサリからチェックしていくとよいだろう。

新型STEP WGN e:HEV AIRの純正アクセサリ装着車。外装色はフィヨルドミスト・パール。内装色はグレー
シートアレンジによりフラット化した上に市販のマットを敷く。もっとも手軽な車中泊スタイルだが、純正アクセサリを組み合わせることで快適さと楽しみが増えるようになる
車中泊時はフロントガラスや前席両サイドのガラスに目隠し&遮光用のシェードを付けるのが一般的だが、ホンダアクセスは前席と後席の間にセパレートカーテンを用意。ウインドにシェードを付けるより簡単に目隠しができる
後席ガラス用のプライバシーシェードと組み合わせると外の明るさはかなり遮光できる。15.6インチ リア席モニターも装備するとくつろいだ姿勢で動画視聴が楽しめる
N-VAN +STYLE FUN。純正アクセサリは車中泊をテーマとした構成。ボディカラーはプレミアムイエロー・パールII。白いフロントグリルとミラーカバーは純正アクセサリ
低床であり左側がこのように開くのでレジャーでの使い勝手がよいN-VAN。マルチボード(ラゲッジ用、リア用)を使用することで2名就寝可能なスペースが作れる
テールゲート下にプライバシースペースを作るテールゲートカーテンを装着。展示車はカーテンをロールアップさせた状態。さらにテールゲートメッシュも装着。これはゲートを開いた状態で車内に虫などが侵入しないようにするためのアイテム
電源付きのキャンプサイト利用時に便利なのが外部電源入力キット。左リアバンパー部に電源コードを挿すソケットが付き、ラゲッジスペース内に1500Wまで使えるAC100Vのコンセントが付く
車中泊時の必需品、プライバシーシェード。N-VAN用はフロントウインド、両サイドウインドのシェードがつながっているのが特徴。運転席側のシェードは画像のように一部開けることもできる
窓枠にウインドメッシュを付けることで窓を少し開けて風を取り込むこともできる。N-VAN用のシェードは窓に固定しないので窓開けの状態でしっかり遮光ができるのが利点

 続いては自動車メーカー以外からの出展車。新車や中古車をベースに架装して完成車として販売していたり、パーツでの販売だったりとさまざまだが、アソビ向きになっていても「1つの用途に特化させていない」普段使いのできるクルマである。

大阪のPROBOスタイルが出展していたトヨタの商用バン、プロボックスのカスタム仕様。新車、中古車、車両持ち込みで製作可能とのこと。基本仕様はリフトアップ、塗装、ライトまわりカバー装着で発展オプションを設定。架装のセット価格は73万9200円~
シートカバーや木製のアームレストなどを装備して、レジャーシーンが似合う楽しげなインテリアとしている
後席を前倒しすると車中泊ができるスペースが作れる。早朝から活動する登山などでは機材の運搬から前乗の仮眠などこなせる。車両本体価格が手頃なのも魅力
京都のカージョイント(本業はクルマ買い取り)が出展していたダイハツ ハイゼットカーゴ デッキバンをベースにした「アクティブパッケージカスタム」。価格は238万円~。ボディカラーやリフトアップ、帆布製シートカバーなど追加。遊びの要素を取り入れながら普段使いもできる仕様
デッキバンの特徴である後席スペース。普通のバンより狭いが、その狭さは釣りなどの道具が比較的小型の趣味では、道具をしまうのにスペース的にも雰囲気的にもあう気がする
デッキ部分のフロアは傷が付きにくいチッピング塗装を施している。さらにトノカバーを装着することで「箱」として使用できるようになっている

普段使いもアウトドアも。クルマをキャンプ仕様にするアイテム

 次に「普段使いクルマ」をキャンピング仕様にするアイテムとして注目度が高まっているアイテムを紹介する。

 代表的なものはルーフテント。これは名前のとおりクルマのルーフにキャリアなどを介して装着。使用時は上ぶた(ケース)をポップアップさせることで就寝スペースが現われるというもの。一般的なサイズはソロから2名程度のスペースだが、大人4人が寝られる大型のものもある。ルーフ上を就寝スペースとするのでレジャー時もクルマの車内スペースが普段どおり使えるのも利点だ。

フレックス・ドリームが出展していたトヨタランドクルーザーベースの「FD-classic」。海外のアウトドアレジャーでは道なき道を進んだ先でキャンプをするスタイルがあるそうで、それをイメージした展示。ルーフテントを装備している
インテリアは基本的にノーマルだがシートの一部にアメリカの織物メーカーペンドルトンの生地を採用してオリジナリティを出している
車中泊も可能な作り。旅に必要な着替えや各種ギアを収納するスペースもある。フレックス・ドリームのFD-classicはアウトドア系アスリートが愛車として乗っているケースも多いそうだ
iKAMPERルーフテントを紹介するエムクライムのブース。荷台部分にFRP製キャノピーではなくスチールのキャリアを使うことで荷台上部にルーフテントを搭載できるようにしている
強度のあるスチールキャリア。収納力もたっぷりある
ルーフテントの内部。広さもあるし高いところになるので視界がよい。また、就寝中、野生動物が寄ってこないかという不安に対しても安心感がある
株式会社マッツ ルーフテント事業部のブース。こちらのルーフテントは日本で企画しているので日本のクルマ&キャンプ事情にあう製品となっている。画像は「イージーキャンパー シェルフィッシュ」というモデル。軽自動車やコンパクトカーを想定した軽量モデル
フレームをアルミ製としつつ、さらにできる限り継ぎ手をなくして重量を抑えたという日本メーカーらしい作り。重量はルーフテントとしてトップレベルの軽さである38.5kgで収まっている。サイズは200×128×23cm(全長×全幅×折りたたみ時全高)。スペースはセミダブルクラス
軽量なのでキャリアやルーフへの負担も少ない。それでいて風に対しては一般的なルーフテントと同等の耐久性という
兵庫県のヴァクストゥンが展開するシュピーラーというブランドは、軽トラックの荷台にセットする「ラクトラ」というフレームキットを展示。ラクトラは1トン以上の耐荷重を持つ剛性がありつつ、フレーム部分の肉抜き加工により軽量化も実現しているという
1枚の平板を折り込んだ強度のある作り。フレームの「端」を折り込むことで尖った部分がないようにしている。作業時にケガをしないための工夫だ
鍵付きのボックス。引き出し式になっている。背面のメッシュプレートはデザイン性を高めると同時にアウトドアアイテムをフックなど利用して一時的に引っかけておくための作り
ラクトラフレームにテントシートをかぶせた仕様。現在テスト中で細かな使い勝手を修正したあと発売されるという。サイドタープは別売り
テント内の様子。ソロでの利用が基本だと思うが広さ的には十分。テントとは違い地面から離れているので冬の底冷えもなさそう
着替えなど置くスペースもある。自分でフライシートを用意すれば雨の日の軽トラキャンプも可能だろう
こちらはトレーラーハウスだがなんと木造。シャーシはスチールだが上屋は杉の木で作ってある。メーカーはタイニーハウスジャパン
建築用の木材としてポピュラーな杉だが、このトレーラーでは杉の木中心部にある赤身材という稀少材料のみで作っている。赤身材は堅くて丈夫、そして防虫効果も高いという。全長は3382mm、全幅は1500mmと1800mmがある
タイニーハウスジャパンの代表は元大工さん。職人が手作業で作るトレーラーハウスだ。ベースモデルの価格はなんと240万円。シンクやキャビネット、ベンチ、電源設備など付くキャンピング仕様で340万円。物の価値を考えると安価な設定と言ってよいだろう

そのほか会場で見つけたおもしろアイテム

 クルマを利用したレジャーにおいて大事なのは車種ではなく、「クルマで出かけてナニを楽しむか」だろう。これは大層なことでなくてもよい。例えば海辺や山といったのんびりできるところに行ってイスを出してボーッとするだけでもよい。ようは自分が気持ちようなれたり満足できたりすればよいのだ。

 ということでここからは会場で見かけた、クルマ遊びで使ってみたいおもしろいアイテムを紹介していこう。

 まずは車中泊動画を見る人にはおなじみのアウトドア炊飯器「タケルくん」だ。製造販売はジェーピーエヌという埼玉の企業。こちらは車中泊や防災に役立つアイテムを自社で企画、設計しているところ。

 タケルくんもその1つだが、開発のきっかけは東日本大震災の発災。停電が続き日々の食べ物にも困る人の姿を報道で見たジェーピーエヌの代表取締役 飯井 武氏は「クルマの電源は使えるのでそれで炊きたてのごはんを食べられるようできないか」と考えた。それを受け従業員がアイデアを出し合いクルマのバッテリの電気だけで炊飯ができるタケルくんを開発した。

 その後、アウトドア湯沸かし器の「ワクヨさん」などクルマのDC電源を使う電気製品を多くリリースしているが「クルマのバッテリの電気だけを使う」ことを原則としているので、どの製品も過剰な能力を持たせていないのが特徴。充電系を含めてバッテリへの負担が少ないのだ。

 旅先には食べてみたくなる地元食材や銘産品もあるので、出先でまずはその手のものを入手。そしてどこか景色のよい駐車場にクルマを駐め、タケルくんで炊いた炊きたてごはんとあわせて食べる。そんなことを目的とするクルマ遊びはきっとに楽しいだろう。

株式会社ジェーピーエヌの常務取締役 増田信之氏。タケルくんから始まったクルマのバッテリの電気を使う電化製品シリーズは充実。気になる人はジェーピーエヌのWebサイトを見てほしい
タケルくんを購入して旅先でご当地の名物を買い、そこに炊きたてのごはんをあわせるというレジャーは楽しいと思う
ジェーピーエヌでは2021年12月以降のダイハツアトレー・ハイゼット、スズキ エブリィ用に「クルキャビ」というボルトオンのキャビネットキットも発売。これを付ければキャンピングカー並みの装備になるが、価格はなんと29万8000円(税別、アトレー用、外部シャワー付き)
グレーの木目材を使用。左後方にはシャワーも付く。電球色から白色に変化するリモコン照明も標準装備
右側にはタケルくんやワクヨさんがセットできる棚がある。センターにテーブルを通すこともできる
右下には換気扇も装備。食事の匂いなどが車内外に排出できる。この価格で換気扇まであるとは驚き
岩谷産業(Iwatani)のアウトドア向けブランド「FORE WINDS(フォアウィンズ)」もブース出展。カセットガスコンロとシンプルな調理器具だけ持っていくデイキャンプも楽しい
新作のマイクログリルプレート。本体サイズは144×123×25mm(幅×奥行き×高さ)。価格は2200円
こちらも新作のミニダッチオーブン。本体サイズは205×163×100mm(幅×奥行き×高さ)。フタは裏がえすと調理パンとして使用できる。価格は6600円
航空機のパーツを製造する大紀産業株式会社が新たにスタートさせた「PICNICAR」というレジャー用品部門が出展。海外生産のアウトドアギアがベースだが、大型旅客機や宇宙ロケットなどのパーツ(翼など主要パーツを含む)を生産していた従業員による検品や補強を中心とした手直しなど行なったあと販売するというこれまでにない商品展開をしている
こちらのカートもホイール取り付け部に強度的な不安があったので航空機にも使う中空リベットなど使用して手直ししている
ロータイプのフォールディングチェアも追加フレームを入れることで対応体重を100kgとしている。販売しているアイテム数はまだ種類少ないが、PICNICARのアプローチはおもしろいので人気ブランドになっていくだろう
最後は会場で見かけたクルマを紹介。こちらはユーンコーポレーションが出展していたイギリスの古いバス。1960年代のクルマで排気量は1500cc。実動車でナンバー取得も可能
内装はキャンピング仕様になっていた
こちらは軍用車両だったとのこと。人員輸送用で1列目、2列目は前向きシート、最後席は横向きのベンチシートが付いていた
KABE JAPANが展示していたメルセデスベンツ アクトロスをベースにした豪華キャンピングカー。全長が12mある。内部は見られなかったが一流ホテル並みの装備という
背面にまわるとなんとフィアット500が積んである。この車両は小型車の収納スペースも持っているので、泊地での移動は「持参した自家用車」で行なう
スウェーデンのキャンピングカーメーカー「KABE」が制作したプレミアムキャンピングカーの「トラベルマスターインペリアル i910 QB」。ベースはメルセデスベンツ スプリンターで、全長は9320mmもある。価格は3000万円
「トラベルマスターインペリアル i910 QB」のリビング
「トラベルマスターインペリアル i910 QB」の後方にあるベッドルーム。リビングとの間には独立タイプのシャワーにトイレ、シンクやキャビネットがある