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新日本海フェリーの大型フェリー「それいゆ」の無人運航実証に成功。最速26ノット

2022年1月17日 発表

日本財団、三菱造船、新日本海フェリーは、大型フェリーの無人運航実証を実施した

 日本財団、三菱造船、新日本海フェリーは1月17日、大型フェリーによる無人運航の実証実験を実施したことを発表した。

 無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」の一環で、海運における安全性向上。乗員負荷や運用コスト低減に貢献するものとして技術開発を進めている。1月11日には神奈川県横須賀市において、小型観光船の無人運航も実施している。

 今回の大型フェリーの実証実験では、2021年7月に就航した新日本海フェリーの「それいゆ」(全長222m)を用い、北九州市新門司から伊予灘の海域において約240km、約7時間の航路を最速26ノット(約50km/h)で自動操船による無人運航実証を行なった。

 大型フェリーのために開発された、赤外線カメラによる他船検出が可能な物標画像解析システムや、自動避航機能を含む自動操船システム「SUPER BRIDGE-X」、自動化が難しい回頭や後進を伴う自動離着岸操船システムなどを開発・搭載。さらに、故障予測の技術として、機関部の監視強化技術も開発し、効果検証を進めているという。

 日本財団の海野光行常務理事は今回の実証実験成功を受け、「今回の200mを超える大型船、かつ26ノットという高速での無人運航は世界初であり、今後の実用化に向けたさらなる発展を期待します。まだ、解決すべき課題はたくさんあるかと思いますが、今回の成果も踏まえて、国際ルール作りを主導していきたいと考えています。また、無人運航船の普及を通じて日本に物流革命を起こし、海事産業全体の活性化につなげていきたい所存です」とコメントしている。

左から、三菱造船株式会社 常務執行役員 上田直樹氏、日本財団常務理事 海野光行氏、新日本海フェリー株式会社 代表取締役常務取締役 佐々木正美氏
離着岸自動操船システムモニターと操船状況モニター
障害物や他船を監視する赤外線カメラ