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JAL、第2四半期は純損失1049億円。国内線は年度末にコロナ前の92%まで回復見通し
2021年11月2日 22:25
- 2021年11月2日 発表
JAL(日本航空)は11月2日、2021年度第2四半期決算を発表した。説明を担当したのは、代表取締役専務執行役員 財務・経理本部長の菊山英樹氏。
10月に緊急事態宣言が全面解除されたものの、第2四半期中の新型コロナウイルスの影響は依然大きく、国際線/国内線ともに需要は低迷。一方、貨物便は国際貨物を中心に好調が続き、その結果、売上高は2906億円、前年同期比で+49.2%の増収(958億円増)となった。ただし、コロナ前の2019年同期比では4割程度(61.2%減、4582億円減)にとどまっている。
なお、EBIT(利払前税引前利益。以前の指標でいう営業利益)は1518億円の損失(前年同期比721億円増)、純損益は1049億円の損失(同562億円増)で、第1四半期に引き続き大きく改善傾向にある。
事業別に見ると、国際線は日本を含む各国の出入国規制が依然厳しいものの、赴任・帰国需要や東京2020大会関係者の輸送などがあり、旅客収入は298億円(同206億円増)。国内線は7月にいったん回復の兆しが見られたものの、緊急事態宣言の延長が響いて899億円(同202億円増)となっている。
グループの連結財政状況は、有利子負債が7012億円、1年以内の返済額は662億円で、総資産は2兆1542億円。自己資本比率は39.3%、ネットD/Eレシオは0.4倍で「世界的に見ても航空会社としては健全な状態」という。
コロナ禍で同社が取り組んでいる営業費用の抑制は、実質固定費(機材費や人件費)を前年同期から186億円削減して2309億円としており、営業費用の内訳では59%から52%へ縮小している。中期経営計画では「年間5000億円規模に抑える」としており、引き続き年間5000億円ペースを維持している。
なお、今回は発表を見送っていた通期の業績予測を明らかにしている。
10月の緊急事態宣言の解除に伴って特に国内線の予約が急速に回復しており、第3四半期の需要予測は2019年度比で約65%、第4四半期は約90%を見込み、2022年3月には92%という数字を立てている。これには修学旅行やリベンジ消費、夏場に減退した地方から東京への需要の戻りを加味しているが、再開の決まっていないGo To トラベルなど、未確定の要素は含んでいないという。
国際線の需要は、第3四半期に約10%、第4四半期に約20%、2022年3月時点で23%と予測しており、これには入国制限が段階的に緩和されるであろうことを含んでいるものの、国内線とは対照的にかなり厳しい見通しのままになっている。
以上から、通期の売上高は7660億円、EBITは1980円の損失、純損益は1460億円の損失という予想を発表した。2年連続で赤字の見通しになったことについて菊山氏は、「きわめて大きな経営の責任を感じている」としたが、前述の需要回復見込みや貨物事業の状況から、第4四半期中には月次EBITの黒字化を視野に入れている。
なお、株主への中間配当は業績を鑑みて見送りとしているが、期末および年間配当については現時点で未定としている。