ニュース

ドイツの新たな世界遺産。8つの温泉保養地、ヨーロッパでのユダヤ発祥の地、ローマ帝国との境界線

2021年8月4日 発表

ダルムシュタットの芸術家村マティルデンヘーエ

 ドイツ観光局は、ドイツの8か所の温泉保養地が「ヨーロッパ温泉保養地」として新たにユネスコ世界遺産に登録されたことを発表した。

 さらに、ユダヤ連合の町であるマインツとヴォルムス、シュパイヤーがヨーロッパでのユダヤ発祥の地として、低地ゲルマンリーメスとドナウのリーメス西部がローマ帝国との境界線として世界遺産に認定された。

バーデン・バーデン トリンクハレ
シュパイヤー 古代のミクワー
ローマ帝国との境界線もユネスコ世界遺産として認定された

ヨーロッパ温泉保養地

 温泉をベースとした保養地は、ヨーロッパでは医療施設というカテゴリを超えた重要な役割を担う。浴療法という医療措置と文化の融合は1700年から1930年にかけて醸成され、休養やリフレッシュのための施設に加え、文化や社交を楽しめる場が作られた。今回、ヨーロッパ7か国にある11か所の保養地がユネスコ世界遺産の認定を受ける。

SchUM都市

 マインツ、シュパイヤー、ヴォルムスのヘブライ語の頭文字を組み合わせ「SchUM都市」と呼ばれる町は、ヨーロッパでのユダヤ教の発祥地と言われている。今回世界遺産に登録されたSchUM都市には、シュパイヤーのユダヤハウス、ヴォルムスのシナゴーグ地区、ヴォルムスとマインツの旧ユダヤ人墓地が位置する。キリスト教社会との平和的共存から、迫害や破壊を経て、今日も守り続けられる信仰とユダヤコミュニティの伝統が反映された町となっている。

低地ゲルマン境界線

 ローマ帝国との境界線となっていた「低地ゲルマン境界線」も世界遺産として認定された。ライン川に沿った古代ローマとの境界線の一部は400kmにも及び、ラインラント・ファルツ州のラインブロールからノルトライン・ヴェストファーレン州を経て北海に面するオランダのカトヴァイクまで続いている。境界線の大部分は地下に眠る遺跡として保護されており、発掘調査の結果や出土品も博物館展示されている。

ドナウ境界線(西部)

 約600kmにおよぶ西部の境界線は、現在のバイエルン州のバート・ゲッギンからオーストリアを経て、スロバキアまでドナウ川の流れに沿って作られた。同境界線は乗り越えられない壁ではなく、軍事的な要塞と市民の建物とを結びつけるもので、国境交通をコントロールする役割を果たしていた。かつての要塞の一部は、現在も見ることができる。