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本物の森でポケモンを探す「ポケモンワンダー」。霧に包まれたイナギノモリで一足先に調査体験してみた!
2021年7月5日 12:51
- 2021年7月17日~2022年4月3日 開催
株式会社ポケモンは、東京・稲城市のよみうりランドで「Pokémon WONDER(ポケモンワンダー)」の発表会を開催した。
「Pokémon WONDER(ポケモンワンダー)」とは、自然のなかで大人も子供もポケットモンスター(ポケモン)を通じて、自然に触れ合う喜びを知ってほしいというコンセプトで誕生したネイチャーアドベンチャー。冒険の舞台は、よみうりランドで約20年ほど手付かずだった未公開エリア「イナギノモリ」。この森に住むポケモンたちをマップに記載されている謎解きや手がかかりをもとに見つけ出すというものだ。
本イベントは7月17日から2022年4月3日にかけて開催。チケットは「アソビュー」にて日付と時間指定で購入可能。料金は大人(中学生以上)4900円、小学生1800円。安全のため、未就学児は参加できない。なお、料金はよみうりランドの入園料を含んでいる。所要時間は90分で、1グループ最大6名まで参加が可能。
いざ「イナギノモリ」へ出発! 子供時代に戻って森を散策ポケモン探し
発表会後に一部アクティビティが報道向けに公開されたので、早速「イナギノモリ」を訪れてみた。とその前にしっかりと装備をチェック。本物の森での探索のため、長袖のアウターの持参や長ズボン、履き慣れたスニーカーは必須。虫除けスプレーや飲み物なども万全にしておきたい。
まず最初に到着したのは「リサーチャーロビー」。参加者はポケモンリサーチャーとなり、深い霧に包まれていた「イナギノモリ」を調査するクレソ博士の調査員の一員として派遣される。クレソ博士と助手のピカチュウによるオリエンテーション受講後の出発となるので、壁に掲げられた周辺マップや写真、メモなどを解読しながら始まりを待とう。
オリエンテーションが終了したら手渡されたマップとカメラ片手に「イナギノモリ」ヘ出発! 地図を頼りに周辺を探索していると、深い霧が立ち込めるエリアを発見。そちらへと進むことにした。進むごとに濃くなる霧は現実とポケモンの世界をつなぐ橋渡し的な存在のようで、霧が晴れたころには「イナギノモリ」へと到着していた。
コースは2種類「古代の石垣」と「ささやきの竹林」。ともに最初のエリアとして訪れるのが「ワンダーフィールド」。取材当日は豪雨のあとのため立ち入りができなかったが、実際はこちらで調査探索が楽しめるそう。なお、ぜひフィールドでチェックしてほしいのが環境音。ファンにはおなじみのあの曲を「イナギノモリ」で集めた音や住んでいるポケモンの鳴き声などを使ってアレンジしているのだ。各エリア、時間、天候により変化するため耳を澄ませて聞いてみてほしい。
調査完了後は次のエリアへ。なお、各エリアごとに制限時間があるが、その分1グループ独占状態で調査ができるのは非常にありがたいところ。自分が気になったエリアは躊躇することなく触れることができるので、楽しみも倍増する。マップに記載された調査情報(謎解き)を解読するともちろん発見率が高いが、あえて直感を頼りにフタを開けたり、水溜りに入ったり、足元を探ったり、空を見上げてみたりするのも非常におもしろかった。
フィールドには発表会でもあったように2コース合わせて50種類以上のポケモンたちが隠れている。実際に調査報告を頼りに探してみると、想像の斜め上の場所でのんびり過ごしていたり、静かに眠っていたり、すぐそばに佇んでいたりと、発見するたびに驚くことばかり。あまりにも森に溶け込んだ状態は、昔からここに住んでいると納得できるほど。
どちらかといえば陸でのバードウォッチングや植物観察、海でのシュノーケルやダイビングに近い感覚。ポケモンの住む森に「ちょっとおジャマさせていただく」という意識もプラスするとさらに楽しめると感じた。もちろん、おジャマしつつも宝探し的な要素満載のため、葉をこわごわめくって裏をチェックしたり、木を揺すったり、覗き込んだり、虫採りなどで培い体に染み込んだ自身のフィールド技術を思う存分駆使しながら探してほしい。
なお、各エリア付近や分かれ道などにはスタッフが常駐しているので安心。調査が完了すると次の調査エリア用のマップを手渡してくれる。こちらはゲームでいう新規エリア開放的なイベントのため、リアルでありながらほんのりバーチャルな気持ちにもなれる。
未探索エリアや見つけ出せていないポケモンがまだまだいるものの、紹介できるのはここまで。ここから先は調査員として自身で体験してほしい。
ポケモンのなかでも最も原始的な体験。25年前の虫採り少年、ポケモンの原点
発表会の冒頭では、株式会社ポケモン 代表取締役社長の石原恒和氏があいさつ。「ネイチャーアドベンチャー『ポケモンワンダー』は、いろいろな手がかりをもとに自然のなかに隠れているポケモンを探し出す遊びです。デジタルデバイスではなく、マップと調査ノートの情報を頼りに進めていきます。
ポケモンを見つけるにはひらめきだけでなく、直感力も必要で、自然をかき分けてさまざまなフィールドを歩く必要があります。東京近郊のよみうりランドの自然のなかで体を使って、頭をひねって仲間や家族と力を合わせ、忘れられないポケモンを探しを楽しんでください。そして遊びを通じて自然の魅力を感じていただけますと幸いです」と話した。
また、なぜ大自然が舞台に選ばれたのかも説明。「ポケモンワンダーはポケモンのなかで最も原始的な、原初的な体験。25年前に『ポケットモンスター赤・緑』が生まれましたが、そのなかに虫取り少年・ポケモントレーナーが登場しました。虫採り網と虫かごを持ったグラフィックスを覚えている方もいると思いますが、あの虫採り少年の体験に近いのがポケモンワンダー。
このよみうりランドの『イナギノモリ』から約10kmの場所にポケモンの生みの親・田尻智くんが少年時代を過ごしたの町田市があり、イナギノモリのような森のなかで昆虫採集した体験がポケモンの原点です。ポケモンを生み出した発想の原点、それに最も近いものを体験していただくのがポケモンワンダーだと思っています。ですから、非常にワイルドですし、まったくデジタルではありません。汗もかきますし、確実に手足がドロドロになりますので、ぜひ覚悟を決めて皆さまに体験していただけたら」と語った。
続いては、同企画で設計から空間デザイン、フィールドに美術などをはじめ、アクティビティのデザインと制作を担当したSIX INC. クリエイティブディレクターの本山敬一氏が登壇。「本企画のゴールは子供に体を目一杯動かして遊んでもらうこと」とし、自身の7歳の娘とアゲハ蝶のサナギの例を挙げながら「自然への興味は強い、けれど飛び込むことに躊躇する姿を目のあたりにし、そのような子供たちがどうやったら自然に飛び込めるかが課題だった。解決ポイントとして一番重視したのがポケモンをどう隠すか。結果的に草木をかき分け、手をガッとなかに入れないと見つけられない。何がなんでも自然に飛び込まないと見つからない場所にあえて隠すことにした」と話してくれた。
さらに発表会では、RIDDLER 代表取締役の松丸亮吾氏がマップ上での謎解きの立ち位置を解説。氏は今回の企画に参加する際、今までの謎解きに対して「どうしても僕たち出題者の存在があり、子供たちにこの答えはなんでしょう?と投げかける必要がありました。そこで初めて子供たちが考え始める。これは本当に自発的な体験と言えるだろうかと」と疑問を持ったとのこと。
そこで今回は「もっと高次元のより自分たちで考えて楽しめるもの」を目指したという。そうしてたどり着いたのは「脇役的立ち位置」。「今回は謎解きを出題し、ここにポケモンがいるから探して!ではなく、マップに描かれた情報を見きわめ自発的に行動することで初めてポケモンに出会えます。なんでだろう・どうしてだろうの考える力を育むものになりました。子供たちが自分で考え、行動し躊躇なく自分の意見を尊重する、そんな体験作りを同企画を通じて手伝いたい」と話した。
なお、発表会の後半は株式会社ポケモンでポケモンワンダー担当の津田明子氏が企画概要を説明。今回の企画コンセプトは「子供から大人までポケモンを通じて自然の豊かさを感じてほしい」であり、広大な自然のなかで夢中になって「Sense of Wonder」を感じてほしいという思いから企画がスタートしたとのこと。
登場するのは自然のなかで隠れるのが上手なポケモンたちであること、自然環境に調和するために可能な限り自然素材を活用しポケモンたちを作り出したことにも言及した。棕櫚の葉を織り込みグミの葉を目に使ったトランセルや楠を木彫し椿の葉を蝶ネクタイにしたモクローなどを例に、植物・太陽光を含め自然との調和を意識しながら1匹1匹どのよのうに制作するか、どこに隠すとなじむのかを熟考。また、50種類以上のポケモンが森に隠れている2コースから選択できることや、約20年近く手付かずだった森でのアクティビティであることも紹介した。
発表会の最後にはスペシャルなコスチュームに身を包んだピカチュウが駆けつけ会場はほんわかしたムードに包まれた。「ポケモンワンダー」に登場するクレソ博士の助手スタイルで双眼鏡やカメラを装着。そのあまりのキュートさに会場にいる全員が笑顔になっていた。
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