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成田空港、女子体操の元オリンピック代表 田中理恵さんを迎え東京2020大会の1年前イベント。「体操は誰が選ばれても強い」
2019年7月24日 16:45
- 2019年7月24日 開催
成田国際空港は7月24日、東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催1年前を記念した「成田国際空港 東京2020オリンピック競技大会の開会式1年前イベント」を、成田空港 第1旅客ターミナル 南ウイング 出発ロビー I・Jカウンター前で実施した。
このイベントは、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のオフィシャルパートナーとして、1年後の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた機運の醸成や、大会・競技への理解を深めるために実施したもの。2012年ロンドンオリンピック 体操女子日本代表で、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 理事の田中理恵氏を招いてのトークショーや、千葉県での開催競技であるフェンシングのデモンストレーション、観客参加型のフェンシング体験イベントが行なわれた。
「大会が大いに盛り上がって成功裏に閉幕できるように、我々もお手伝いをさせていただく」と田村社長
イベントで主催者あいさつに立った成田国際空港 代表取締役社長の田村明比古氏は「東京オリンピック・パラリンピックの誘致が決定したのが6年前ですが、そのころにはだいぶ先のことだなと思っていましたが、いよいよ開会式まで1年となりました。
なんと言っても、オリンピック・パラリンピックの開催期間中には、世界中から選手、大会関係者の方、そして観客の方々が日本にお越しになられます。成田国際空港の使命というのは、お客さまをできるだけ快適にスムーズに、そしてなによりも安全にお迎えすることだと思っています。今、快適に安全にお迎えする準備をさせていただいているところですが、特に選手の方はたいへん荷物が多いとうかがっています。その荷物を間違いなく上手く扱って行かなくてはいけないことや、この空港は以前はやや地味で少し暗めの空港でしたが、今、一生懸命に明るく快適に、そしてハンディキャップをお持ちのお客さまにも安心して使っていただける空港にするために、いろいろと改良を加えているところです。
もう一つの我々の役割は、(東京オリンピック・パラリンピック競技)大会の雰囲気を盛り上げていくことだと思っていまして、東京2020組織委員会とは今年(2019年)の2月にオフィシャルパートナー契約を結ばさせていただきました。これからこのようなイベントの開催や、館内の装飾やデコレーションなどを通じて、大会が大いに盛り上がって、成功裏に閉幕できるように、我々もお手伝いをさせていただきたく思っています」と話した。
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 田中理事を迎えてのトークショー
ゲストとして登壇した、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 理事の田中理恵氏は、2012年ロンドンオリンピックに兄の和仁氏、弟の佑典氏と3兄弟そろって出場したアスリートで、2010年のロッテルダム世界選手権ではもっとも美しい演技を披露した選手に贈られる「ロンジン・エレガンス賞」を日本人女子としてはじめて受賞するなど、日本の女子体操の発展に大きく貢献している。「東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開会式にあと1年という、素敵なイベントにお呼びいただきありがとうございます。自分自身もあと1年、ドキドキワクワクしていくんだろうなと……今もしているんですが、本当に素晴らしいオリンピック・パラリンピックになればいいなと、毎日を考えています」と最初にあいさつした。
続いて行なわれた司会者を交えてのトークショーで、成田空港の思い出について尋ねられると「現役(選手)時代は成田空港から海外の試合に出発していましたが、当時はうれしいという気持ちよりも“さぁ、出発だ”と、緊張するというかドキドキするというか、これから行くんだなという、やる気というか勇気というか、力が湧いてくる場所だと感じていました。日本を代表として出発するんだ、ここから離れるんだと、気持ちが引き締まる思い出があります」と答え、「今は成田空港に来ると、旅行に行きたいなという気持ちの方が大きいです。あと成田は海外の方が多いので、海外に来たような気持にもなれる、楽しい場所だと感じています」とも話していた。
海外で印象深かった国について尋ねられると「やはりロンドン、ロンドンオリンピック。基本的に選手は観光はできないんですね。現地に着いたらホテルと会場の間をバスで移動して、そこから景色を観て楽しむんですが、ロンドンオリンピックは、街全体がお祭りなんだというような、すごく盛り上がっているイメージがあったので、強く印象に残っています」と話し、日本に戻ったときの印象を尋ねられると「帰ってきたら、日本の明るさというか、ほっとする瞬間というのは毎回あります。匂いというのか、何かほっとするものがあります。”帰ってきたぁー”という気持ちになります」と語った。
2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会まで、ちょうど1年となったことに対する思いについて問われると「あと1年で開会式になりますが、オリンピックを目指せる現役選手の子たちは、すごく羨ましいなという気持ちです。東京オリンピック・パラリンピックを目指せるっていうのは羨ましいなと、(開催地が)東京に決まってから6年、ずっと思い続けていました。
実際、支える側になって、あと1年かと。今年も半分過ぎてますので、1年なんてあっという間に来るなという気持ちがあります。現役選手たちは、1日1日を大切に、よい準備をして、1つ1つの試合を乗り越えて行かなくてはいけない緊張感だったり、不安だったりあると思うんですけど、そうではない私たちも、一瞬でオリンピックが来るんだなっていうのはドキドキ、ワクワクします。いろんな体育館などが建ちはじめてますし、選手村も形にはなってきているので、そこを観てもワクワクします」と話した。
ロンドンオリンピックでの一番の思い出について問われると「やはり3兄弟でオリンピックに出場できたのが最高の思い出です。あの瞬間、あの舞台で演技をしている瞬間は一生忘れない。あと会場に家族全員が来たのも思い出というか、幸せだということと、いろいろな方々が応援してくれたことに対する感謝の気持ちや、いろいろな思い出があります。
自分自身はロンドンオリンピックで100%を出し切れなかったので、そこは悔しい思い出です。そこで100%を出し切って金メダルを獲得してる選手は、本当にすごいと感じます」と答え、プレッシャーに対する打ち勝つ方法について尋ねられると「3兄弟で出場するオリンピックというプレッシャーもありました。でも皆さんからのあたたかい“がんばってね”とか“応援してるね”の声が、選手にとってはすごいパワーになるんです。プレッシャーというよりは、恩返しがしたい、応援してくれている方々に楽しそうに演技してたなとか。結果がすべてですが、観ていて感動したな、楽しかったな、素敵だったなと思ってもらえるような演技をしたいなという思いで舞台に立ってました」と返答した。
また、田中氏にとってのオリンピックは何かと尋ねられると「叶えたい場所。最終目的、最終目標と決めていたので、叶えたい場所というのが一番の思いでした。ただ叶えたあとは、燃え尽き症候群みたいなのはありました。この先どうしたらいいんだろうとか、オリンピックが終わったあとは苦しみましたけど、オリンピックの舞台に立てたのは幸せでした」と話した。
東京2020大会の体操競技については、「体操ニッポンは、どの選手が選ばれても強いチームでもありますし、特に男子は層が厚いので、本当に誰が選ばれても勝つんじゃないかと思いますし、いろんな夢のある選手が出て来ています。体操は2020年の4月、5月、6月に日本代表が決まるので、本当に最後まで誰になるのか分からない状況です。女子も強くなってきています。本当に東京2020ではいいところまで行けるんじゃないかと思うくらいに、夢や力があるので期待したいです。
東京2020は日本、生活リズムが変わらないので選手にとってよい環境でもありますし、応援が日本語で“がんばれ”とか“行け!”とか、日本語で聞こえる安心感も選手にはあると思います。そこを重くプレッシャーとして捉えるのではなくて、“観てください”とプラスにとってもらえたらうれしいです」とコメント。
千葉県内で観られる競技については「どの競技も、そのなかにスターがいて、見どころ満載だと思います。サーフィンなどを東京2020大会ではじめて観られるのは素敵なことなので、私自身も観てみたいという思いがあります」と話した。