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「KEIKYU OPEN TOP BUS 横浜」に乗ってみた。屋根なしバスで約3.5mの高さから横浜観光

2019年4月20日 運行開始

4月20日から土日を中心に運行する「KEIKYU OPEN TOP BUS 横浜」

 京急(京浜急行電鉄)は、4月20日より横浜・みなとみらい地区の都心臨海部を周遊する2階建てのオープントップバス「KEIKYU OPEN TOP BUS 横浜」の運行を開始する。

 2017年度に横浜市が同地区において「まちを楽しむ多彩な交通」の導入を進めるべく、民間事業者に提案企画の公募を実施。そのなかで採択された企画の一つだ。京急としては、訪日観光客を含めた多くの来街者が都心臨海部を周遊しながら景観を楽しめる交通サービスの実現を目的としている。

 運行ルートは2種類で全4便。11時、13時、16時の3便は「パノラマコース(往復コース)」として、横浜駅(YCAT)発、みなとみらい、横浜ベイブリッジ、山下公園と巡る約80分。往路の「ホテルニューグランド付近」と「桜木町駅付近」で途中下車することも可能だ。

 18時30分出発の「きらめきコース(周遊コース)」は横浜駅(YCAT)発、みなとみらい、横浜ベイブリッジに工場夜景の約60分となる。価格はともに大人1800円、子供900円。定員は各回42名で座席は自由席。運行日は土日と特定日となる。事前予約は専用Webサイト、または電話にて京急高速バス座席センターにて受け付け。

 KEIKYU OPEN TOP BUS 横浜は約3.5mの高さから街並みや景色を眺められるのが特徴。さら2階席には屋根がないため、開放的な空間が広がっている。季節によっては間近に咲きほこる桜のアーチをくぐることも可能だ。

 4月18日には運行開始を記念し、記念式典が行なわれた。京急 取締役社長の原田一之氏が主催者あいさつで関係者らに感謝を伝えた。

京浜急行電鉄株式会社 取締役社長 原田一之氏があいさつ

「私ども京急電鉄は1905年に横浜と品川間を全線開通して以来、約110年以上横浜市と仕事をともにしてまいりました。また本社を2019年秋に横浜に移転予定で、前身である京浜電気鉄道と湘南電気鉄道の両者の鉄道がつながった場所が横浜であり記念すべき場所です。また、地域とともに歩む当社グループとしましても重要なエリアです。晴れて横浜の地に本社を移転するタイミングで新たな交通サービスを運行できることを大変うれしく思っております。

『KEIKYU OPEN TOP BUS 横浜』は、2階の屋根がなく開放的です。徒歩やクルマなど普段では味わえない景色が楽しめます。ふと海が見えたり、遠くの緑が見えるなど非常に臨海部の景色が堪能できるバスとなっています。

 車体には横浜市街を描いており、中央には扉があります。この扉から『どうぞ横浜にいらっしゃい!』ということで、バスに乗るときに横浜を訪れたことへの歓迎の意を表わしています。またナンバープレートも2019となっており、秋のラグビーワールドカップの記念プレートとなってまいます。ぜひ横浜を訪れる訪日観光客をはじめ多くの皆さまにこのバスで横浜の素晴しさを味わっていただきたいです。

 本社移転を契機として、これまで以上に横浜市とコラボレーションさせていただき、連携を深め、新しいにぎわいの創出や観光振興を行ない地域を盛り上げてまいりたいと思います」と話した。

KEIKYU OPEN TOP BUS 横浜の側面には横浜市街のイラストが描かれている
前面部分
ナンバープレートにもこだわりが満載
バックには前面と側面同様に大きく「KEIKYU OPEN TOP BUS」の文字
イラストと中央の扉は歓迎の意味を込めている
直接風や季節を感じられる2階席。定員42名

 続いて、横浜市市長 林文子氏が祝辞を述べた。「横浜市としてオープントップバスの運行は待望でございました。都心臨海部を魅力あふれる場所にしていくために多彩な交通サービスを実現しようと大きく政策が動きました。

 実際に車体を見まして、今の横浜の明るさと空の高さを表現していただき、私共もワクワクしています。いつもとは異なる視点で開港以来の歴史ある街並みやベイブリッジのきらびやかな景色など非常に強いインパクトを与え、横浜の魅力を改めて感じていただけるのではないでしょうか。

 横浜港にはCIQ設備をしっかり整えた新たな客船ターミナルが4月18日にオープンし、すでに全体で約190隻以上の予約も入っております。最大同時着岸7隻まで対応可能です。横浜港は非常に恵まれた天然港で水深も深く、物流関係にも信頼をいただきコンテナ取り扱い数約300TEU以上と、ほぼ最盛期の荷役まで回復しております。さまざまな会議やイベントも今後予定されており、KEIKYU OPEN TOP BUS 横浜も華を添えてくれるのは間違いないでしょう。

 今回のコラボレーションは市民の皆さんや観光で訪れる方々に楽しんでいただけるものができたと本当に感謝しております。中身も充実しておりますので、ぜひご愛好をお願いいたします」と感謝とともに新交通サービスに対し太鼓判を押した。

横浜市市長 林文子氏が祝辞

 記念式典ではテープカットを実施。横浜市市長 林文子氏、京浜急行電鉄株式会社 取締役社長 原田一之、京浜急行バス株式会社 取締役社長 平位武氏、横浜市会議長 松本研氏が行なった。

第一便の出発前にテープカット

 記念式典後には関係者向けの試乗会を特別ルートで開催。ランドマークタワー、さくら通りに横浜赤レンガ倉庫へ向かい、横浜ベイブリッジを渡り大黒埠頭で折り返し約45分の観光となった。20年横浜在住の周辺を熟知したガイド・木菱氏が横浜の歴史や見どころなどを紹介。爽やかな春の日差しを感じながら過ごすことができた。街中の観光客らがバスに向けて手を振ってくれるなど、あたたかな雰囲気も。有名観光地付近を巡り土地勘がつくため、乗車後に訪れる目安になるのもありがたいと感じた。

横浜赤レンガ倉庫で歴史に思いをはせながら通過
さくら通りを通過。満開のときに通ると絶景とのこと
大きな窓越しに横浜ベイブリッジが見えてきた
いつもは見えない角度から橋を堪能
新客船ターミナルは左側に座ると復路でよく見える(写真は右側席から撮影)
横浜中華街の東門もこの高さから鑑賞

 4月18日にはKEIKYU OPEN TOP BUS 横浜の運行に合わせて観光案内アプリ「京急街めぐりガイド(KEIKYU Tour Guide)」も配信開始(Android/iOS)。日本語、英語、中国語、韓国語の4言語に対応。訪日観光客向けに運行するコース周辺のスポットを紹介する。音声ガイドもあり、バス内のQRコードを読み取るとGPSの位置情報と連動し近くのスポットの音声ガイドが流れる仕組み。地図表記に切り替えでき、自分がどのスポット近くなのかも分かりやすい。

観光案内アプリ「京急街めぐりガイド(KEIKYU Tour Guide)」
「パノラマコース」「きらめきコース」のルート周辺の観光スポットを主にガイドする
間近に通る観光スポットをサクッと確認。車内ならば音声ガイドの利用も可能
地図表示もできるため、次に向かうスポットも分かりやすい

 なお、ガイドの木菱氏にKEIKYU OPEN TOP BUS 横浜の魅力を教えてもらった。「オープントップバスですので、普段見ることのできない角度と高さから景色を楽しみ、その違いを感じることができるのが一番の魅力です。目線が上だからこそ、あえて空を見上げていただいたりも楽しいですよ。風も心地よいですし、夏はときに少し暑かったりしますが、横浜そのものを見て肌で感じ、さらに横浜を好きになっていただきたいと思います」と笑顔で話してくれた。

ガイドの木菱氏と運転を担当する運転士の邉春氏
空を見上げると、新緑が目に飛び込んできた