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JTBとスノーピーク、ハワイでワーケーションする「CAMPING OFFICE HAWAII」4月1日サービス開始

2019年4月1日 サービス開始

JTBとスノーピークビジネスソリューションズが、ハワイで行なう法人向けソリューションサービス「CAMPING OFFICE HAWAII」を4月1日から開始

 JTBとスノーピークビジネスソリューションズは3月18日、都内で会見を開き、共同で開発したハワイでの「ワーケーション」を推進する新サービス「CAMPING OFFICE HAWAII」を発表した。

 4月1日から順次施行される「働き方改革関連法」に先立ち、「働き方改革」や「休み方改革」を支援する法人向けソリューションとして展開するもので、「ハワイの大自然の中で休暇を取りながら快適に働く」という新しいワークスタイルを提案するもの。

 最初にJTB 執行役員 グローバル事業本部 グローバルDMC事業部長の治福司氏からJTBの現状などについて説明がされた。JTBは1912年に半官半民体制で創業し、国外の外国人を日本へ招くための斡旋から開始。高度成長期時代にはパッケージツアー「ルック」を開発し、現在まで数多くの旅行需要を生み出している。

 近年取り組んでいるものとしては「グローバル・デスティネーション・キャンペーン」を紹介。同社の総力を挙げて選定地を盛り上げていこうという施策であり、シンガポール、オーストラリアに続き、2019年はハワイを選定している。

 そのハワイでは、現地法人であるJTBハワイを1964年に設立しており、現在は事業関連会社5社と2つのNPO法人を持つ企業へと成長している。2018年12月まで同社の代表を務めていた治福氏だが、2014年には当時の州知事から10月1日を「JTBデイ」に設定するという表彰を受け、ハワイに根差した活動を続けていることが評価されていることも話した。最近の新しいトピックスとしては、電気バスを3台導入し、4月以降から順次運行させることが紹介された。

株式会社JTB 執行役員 グローバル事業本部 グローバルDMC事業部長 治福司氏
現在はグローバル・デスティネーション・キャンペーンを展開中であり、2019年はハワイに決定。対前年比で120%を目指す
現地法人であるJTBハワイは歴史も古く、持続性のある観光業を目指し、現地に溶け込みながら活動中

 スノーピークビジネスソリューションズからは、代表取締役の村瀬亮氏が事業内容などを説明した。同社はキャンプ用品やキャンプ場を運営する「スノーピーク」を母体とした会社であり、自然を上手に活用しながら人材問題をはじめとした企業の問題を解決するコンサルティング、キャンプ用品のレンタルや販売、キャンプを通じた研修などを事業にしている。

 一例として、テントを張ったオフィス「CAMPING OFFICE」を紹介。外資系企業が熱海で行なったキャンプの模様を上映し、上々の評価をいただいているとアピールした。

株式会社スノーピークビジネスソリューションズ 代表取締役 村瀬亮氏
スノーピークは新潟県三条市の約5万坪の広大なキャンプ場に本社がある。野遊びを通じて、人間性の回復を使命としている
キャンプを通じて行なう会議や研修が、普段とは違う効果があることを紹介

 今回、両社から発表された新サービスの「CAMPING OFFICE HAWAII」は、ハワイに強いJTBがロケーションを斡旋し、キャンプに関する部分はスノーピークビジネスソリューションズが担当する。

 発表会で使われた「ワーケーション」は、仕事の「ワーク」と休暇の「バケーション」の造語。旅を楽しみながらも仕事をするもので、そこから生まれるアイデアやモチベーションの向上が企業の生産性の向上につながっていくのではないかという提案だ。

環境のよい場所では社員同士の関係性の向上にもつながり、ひいては生産性の向上にもつながる。ハワイはワーケーションに最適な場所であると説明。こちらのサービスは国内90か所に拠点がある、JTBの法人営業部門が受け持つ
村瀬亮氏が挙げる「ワーケーション」7つのメリット

1. 「クリエイティブアイデア」は、会議室では出てこない、クリエイティブなアイデアの創出が可能。
2. 「チームビルディング」は、テントを立てる、料理を作る、片付ける。共同作業をともに行なうことでチームが1つとなり絆が深まる。
3. 「ビジョンシェアリング」は、自然の中での熱いトークは肩書きを越えて本音を出し合う絶好の機会。
4. 「クラウドリテラシー」は、テクノロジーの進化を認識し、それに対応できる人材に。
5.「モラルエデュケーション」は、次に使う人のために何をしておくべきかを考える機会が、普段の仕事のクオリティを上げる。
6. 「コストダウン」は、ホテルや研修施設を利用するよりも大幅にコストダウンが可能。
7. 「クライシスマネージメント」は、災害時に企業活動を行なうための備えになる。

 これらのメリットについては、実際に同社の成長過程でリアルに実感できた部分だとのこと。もともと村瀬氏が運営していたIT企業とスノーピークが合弁で運営する流れになり、そこでチームビルディングを行なううえで行なったキャンプが、現在の事業になっていったことも紹介された。

CAMPING OFFICEを行なうことで得られる7つのメリットを紹介したスライド

 CAMPING OFFICE HAWAIIでは、屋内と屋外の2タイプが用意されている。「キャンピングオフィス(室内)」は、ホノルルの中心ワイキキに位置するJTBハワイオフィス内のキャンピングオフィスの利用が可能。リフレッシュポイントが身近にあり、ハワイらしくオーシャンビューの会議室で働くことは、ワークライフバランスに気付きを与えてくれるとのことだ。

「キャンピングオフィス(屋外)」は、映画のロケ地としても有名な「クアロア牧場」や、オアフ島屈指の高級住宅地「アイナハイナ」の邸宅などにおいて、チームビルディングやアイデア会議ができる。非日常空間だからこそ、大事なビジョン共有やいつもと違った視点でアイデアを考えることができるそうだ。

 JTBの治福氏によると、同社の代表取締役社長である髙橋広行氏が実際にハワイで行なったそうで、「いつもと違う柔らかな笑顔が印象的でしたね(笑)」とコメント。ハワイという非常に開放的な空間は、いつもとは違った発想やコミュニケーションが生まれるような環境であることをアピールした。

 また、村瀬氏も「広大な自然と歴史、日本とのつながりがある場所であり、そのようなロケーションであれば効果は何倍にでもなるのではないか」と、JTBと協業を決めた理由も話した。

 今後の展開については、国内に「CAMPING OFFICE TAKANAWA」(グランドプリンス新高輪)を設置して同様のサービスを開始する。また、現在は法人向けのサービスであるが、個人向けサービスも検討中であるとのことだ。

JTBハワイのオフィス内で行なう屋内パターン
ハワイの有名なロケーションで行なう屋外パターン
屋外プランの一例。テントの設置から片づけまで、全員参加で行なうことがポイントであることも強調された
収容可能人数や会場費の目安を紹介したスライド
JTBの代表取締役社長である髙橋氏もハワイでワーケーションを実施