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JR西日本、新型車両「227系1000番台」を公開。ICカードが使える車内収受対応ワンマン機器を装備
2018年9月10日 15:43
- 2018年9月8日 公開
JR西日本(西日本旅客鉄道)は9月8日、吹田総合車両所(大阪府吹田市)にて、新型車両の「227系1000番台」を公開した。
227系1000番台は、和歌山線と桜井線、紀勢本線の一部を走る105系と117系を置き換える形で導入される。105系と117系はいずれも国鉄時代に導入された車両。今回導入される車両数は2両編成が28本で56両。2019年春から順次投入し、2020年春に全車両の置き換えを完了する予定としている。
全車両の置き換え完了後には、搭載している「車載型IC改札機」を使用ができるようになる。なお227系は、すでに2015年3月に広島地区で導入されているが、近畿地区では初めて登場される。
車体は、これまでの近畿エリア車両を継承しつつ、グリーンを基調にしたデザインとなっていて、このグリーンは走行する奈良、和歌山エリアに共通する文化、歴史、自然の奥深さを表現するもの。ベースはステンレス構体でグリーンのラインが映える。両端にある先頭車間転落防止ホロが目立ち、ここにもグリーンが配色されている。
行先表示板は、カラーLEDの「セレクトカラー表示器」で、文字以外にアイコンを表示させることもできる。デモンストレーションでは、シカや犬、パンダのアイコンが表示されていた。前照灯、尾灯ともにLEDを採用している。
シートは、ドア間10席(3+4+3)のロングシートを採用している。車端部シートは4席。優先席は車端部ではなく、ロングシートの3席分を使っている。ロングシートの1人あたりの座席幅は470mm(車端部は440mm)と余裕のある作りで、クッション裏がSバネ構造になっていてクッション性が高い。
客室内照明は、LEDの間接照明を採用していて、直接光にプラスして柔らかな光が回る仕組みになっている。貫通扉のレバーは、225系2次車から採用された軽い力で開閉ができる「アシストレバー」付き。ほか、多機能トイレと車いす、ベビーカースペースが1か所用意されている。
車内収受対応ワンマン機器が装備されていて、運転台後方に現金収受のできる「車載型IC改札機」が、各ドアには乗車時にICカードをタッチする「IC車載機」を備える。運転台後方の乗車用IC車載機の横には、現金での利用者向けに整理券発行機もある。
安全対策などとして、車両異常挙動検知装置や先頭車間転落防止ホロ、戸挟み検知装置、運転士異常時列車停止装置(EB-N装置)、掴まりやすい形状でオレンジ色の吊手と手スリの採用、客室状況確認カメラなどを備えている。客室状況確認カメラは、各車両に運転台後方と中間の2台で計4台あるが、録画は行なわず運転士が車内状況を見るためだけに使われるとのこと。